ある英国進学希望者のシナリオ
こんぱんだ!プロ説教師です。怪しい学生スペシャルの時間がやってきました。
この物語はフィクションです。何故か頭に浮かんだシナリオがありまして、記録として残しておきたいと思います。誤解されると面倒なので明言しますが堀口英利は関係ないです。というか、こんなやつが現実にいてたまるか。もし自分に近い可能性を感じたら、相当まわりを困らせてるし嫌われてるから深く反省しろ。
しかし英国の大学に関する話も出てくるので、気になるかもしれません。なので検索性を高めるためにタグに入れておいてあげます。読んだら反面教師的に何か学びがあるかもしれません。なんて細やかな心遣いなのでしょうか。感謝してください。
後書きには製作の裏話的な事や今後のアップデートに向けた課題など、シナリオ本編とは直接関係ない内容を書きます。そこだけ有料にしますので投げ銭的に購入頂けたら嬉しいです。今後、この投稿のアップデートの励みになります。リアリティを高めるための時系列の修正や補筆案などは個別のメッセージなどで頂けると助かります。
20X6年4月 G大学入学
ある男(代替氏名H)が、関東の田舎の中堅高校から東京の中堅私大Gに進学が決まった。男は帰宅部だったがこの程度の大学しか合格できなかった。実力通りだったのであろう。受験結果には不満もあったが、Hはバキバキの童貞だった。なので上京自体はとても楽しみであった。これまではモテなかったのではなく、相手に恵まれなかったのだ。田舎の高校では、自分に相応しい淑女は望めなかった。サッカー部など野蛮な肉体派を持て囃すような奴らだ。しかし、都会の華やかな大学であれば、同じ目線で語り合える、知的で美しいアナウンサーのような女性が大勢いるに違いない。
20X6年XX月~ 大学デビュー失敗確定
大学デビューを志し、様々なサークルや部活に所属を目指すもやらかしを重ねて徐々に居場所がなくなる。サークルでのやらかしが噂となり、学部内でも腫れ物になっていく。夢描いていたのとは全く違う展開や、田舎者が井の中の蛙として持っていたボンボンアイデンティティが、「ごきげんよう」な世界を生きる都会のリアル上級国民たちによってへし折られる。
一人旅で新幹線に乗れたことが自慢だったが、同期たちは皆当たり前のように海外だ。ハワイやアメリカ、イギリスに限らず見知らぬ地名も飛び交う。イビサってどこだよ。それを知らずに自慢するつもりで国内線搭乗経験を語ったら、笑われた。自分と同じか、なんなら下だと思ってたパッとしない男にも。女性たちも、そいつと一緒になって笑っていた。
親切ぶった貧乏であることを公言するような恥知らずな先輩は、偉そうに「俺たちは庶民派なんだよ!そんなに笑ったらHが可哀想だろ」と下手くそなフォローを入れてきた。代々歯科医の一族だぞ、一緒にするな。親が歯科医だと伝えて悪くない身分であることを示したが、親が医師の世間知らずのボンボンに馬鹿にされた。耐え難い苦痛だった。なにが開業医だ。開業しているという意味ならうちだって開業医だ。歯科医だって開業してれば開業医と言って良いはずだ。開業歯科医などの表現は聞いたことがない。辞書も引いたが問題はなさそうだ。それ以降家業については開業医と言うことにした。
男女交際などに憧れ、積極的に動いてもみたが、キモがられた。合宿でも女子が多いテーブルを選んで座ったが、自分を除く左右で会話が始まってしまい、ひどく疎外された気がした。別にいますぐセックスさせろとは言ってない。そこまでまだ求めてない。ちょっと楽しく女子と話したかっただけなのに、そんな最低限のささやかな希望、権利まで侵害されるのか。向かいの男は、わざと自分がたくさんの情報を与えて楽しませている最中に別の話題を女子に振って会話を邪魔していた気がする。絶対そうだ。
そんな中、「いらない」と言えない控えめな女性Aさんに積極的にアタックするも、同期や先輩から阻止される。本人にも泣かれる。せっかくバイト先や趣味、好きなブランドまで情報収集をしていたのに。相手を尊重するからこそ情報を集めてよく理解してあげようという紳士的な心遣いが分からないのか。周りの奴らが悪評を広めたせいだ。それを間に受けたAさんも同罪である。Aさんは悪質な加害者の言葉ではなく、もっとHのことを信じて、深く知ろうと努力すべきだ。礼儀知らずにもほどがある。
そんな思いとは裏腹に、Hは本格的にシャットアウトされ悪評は広まり続ける。これじゃ田舎の頃と同じじゃないか。親の力が届かない分、尚悪い。大学ではチクっても効果が薄いのか、あまり効き目が感じられない。もっと頑張らなければ。告発を続ければいつか本当に悪いのは誰かわかってもらえるはずだ。もっともっと頑張らなければ。
Hは大学に行かなくなる。ささやかな希望すら叶えられない、自分の権利を丁重に扱わない大学など不要だ。向こうが頭を下げて謝罪と賠償をするまで通ってやるものか。Hは被害者を自称してネットでの嫌がらせを始める。お金が惜しいので休学の手続きを取った。返還される学費は自分の口座で受け取っておこう。どうせそのうち大学や同期たちから賠償は得られるのだから問題ない、親に言う必要はないだろう。
20X8年2月 大学から初回の処分
持ち前の我儘さと粘着質、無職の無限の時間を活かして嫌がらせを続ける。大学当局に届くHによる嫌がらせ被害の声も無視できない量と内容になる。当初は事を荒立てたくなかった大学サイドも動き始め、Hに嫌がらせを辞めるよう指導するも、Hは聞く耳持たず。大学当局はHを訓告処分とする。
訓告処分となってもHは反省しないどころか、ターゲットを大学まで拡大して嫌がらせを続ける。しかし承認欲求の強かったHは現状に満足出来ず、外のコミュニティを求め始める。Hは、自分は優秀だという妄執があった。外部の意識が高そうなコミュニティに顔を出しまくる。しかし息抜きも必要だ。社会人もいるコミュニティの先人たちの話を聞いて、風俗遊びなども覚える。
20X8年4月 外部に活路を探し始める
学校の近くに住む意味もないので、より都会に引っ越すことにした。父親には大学で酷い扱いを受けたこと、精神的に参って通学できないこと、環境を変える必要があることを伝えた。ケチな父親は、今の場所で良いだろ、友達に謝って学校に通え、友達がいなくても授業は受けられるし勉強は出来るなど、非常識なことを言った。まるでHの気持ちを尊重していない。あいつらは過去問を先輩から融通してもらったり、友達同士でノートを写しあったり不正なことをしている。自分が同じことを出来なくて悪い成績を取るなんて不合理だ。実際、必修の単位を落としてしまった。嫌がらせのせいで気落ちして欠席したときの内容を誰も教えてくれなかったからだ。そんな不正な大学に通えるわけもないし、もっと自分に相応しいオシャレな街に住みたい。
父親と揉めていると、母親とその親戚が手を差し伸べてくれた。なんと横浜に親戚が所有している物件があり、無償で住んで良いらしい。ただし、ここはその親戚や母親の入信している宗教が使ってる施設でもあるので、キッチンで汚れや匂いが出るようなことはしてはいけないそうだ。タバコは吸って良いらしい。教団の偉い人が吸うため、喫煙用の灰皿が置いてあった。またその宗教の集まりがある場合は、掃除をしたり近隣のホテルに泊まったりしなければいけない。ちょっと面倒ではあったが、ホテル代や管理人としてのバイト代は貰えるようだし、食費なども毎日だと困るが、時々なら5千円までは会議費として宗教法人の経費になるとか。悪くない条件だったので了承した。
父親からの生活費と合わせれば、新入社員の手取りよりだいぶ多いくらいだ。かなり生活に余裕が出て、前にも増して遠方のオフ会やバー通い、風俗遊びも出来るようになった。
新しい家は、徒歩圏内に風俗街もあった。悪くなかった。
コミュニティで揉めた際に訴訟をチラつかせるなどした事で一定の成功体験を得て、匿名嫌がらせだけでなく示談ンダァオと後に呼ばれるような手法も身につけ始める。G大学関係者に対する嫌がらせも継続しており、手口はどんどん悪質かつ巧妙になる。G大学を見返すためにも、よりレベルの高い他大学への転入も目指す。
また積極的に外部の学生や大学院関係者、怪しいキャンパスビジネスを取り仕切る者たちとの繋がりも得る。下手に出て少しずつ内情を探り弱みを掴もうと動く。さすがにプロは匂わす程度では乗ってこなかったが、大学院生は酒を飲んだらペラペラ話した。しっかり録音した。悪い遊びをするときにはカメラを回すこともあった。色々情報を集めたところ、他大学に移る、もしくは海外大学に行ってから東京大学の院に進むのが良さそうだ。最終学歴が東大なら、G大学の奴らなんて逆立ちしても敵わないだろう。
20X9年3月 2度目の訓告からの退学、受験失敗
大学当局に届く代替氏名Hによる嫌がらせ被害者からの声は止まらない。再三の注意や働きかけによる改善も見られないことから、大学当局は厳しい態度をとる。2度目の訓告を宣言する。また3度目はなく、反省する気がないのであれば除籍処分となるか、もしくは自ら退学するかの選択肢を与え、必要事項がほぼ記載済みの退学届を渡す。父親も呼び出し状況を伝える。父親は頭を下げはするが、息子は被害者だと言ってるから信じてやってほしい、勘弁してほしいといった調子だ。もうそんな段階ではないし、何よりHの残した誹謗中傷サイトなどがそれで済む話ではないことを物証として物語っている。
Hの他大学受験は失敗して行き先はなかった。唯一、転入試験で合格できたそこそこの私立大学も、G大学の在籍期間と単位が転入の前提条件に達してないことが明らかになり、入学出来なかった。1年以上ならば入りたての1年生であっても含まれるはずだと正当な理論を述べたが、ルールなのでと跳ね除けられてしまった。
結局Hは、プライドが反省を許さず退学を選択する。そもそも、先輩面して説教してきた先輩たちはもう卒業だ。結局どんなに悪質さを訴えても、償うことなく卒業、就職してしまった。有名な大企業に。結局あいつらが得をするのか、腹立たしい。同期も就活に入っている。今更学校に戻ってどうしろと言うんだ。自分はより広い世界を知った。一年生の頃より遥かに良い暮らしをしてる。女性経験もたくさん積んだ。風俗と出会い系が中心だが。アプリで会う女性の中には、初回だけ心配なので手当をくださいと言われて2-3万とられてそれっきりということも多かったが、本人が風俗嬢と言ってないから素人だ。G大学の女と変わらない。そう捉えるべきだ。
こんな大学に残る必要はない。父親も別の環境でやり直して良いと言っている。何も問題はない。しかし腹立たしいので嫌がらせは続行する。もう辞めてるから大学にチクっても意味ないぞ、ざまあみろ。
20X9年4月〜 留学を志す
Hは、外部コミュニティから得た情報や、親戚の紹介などもあり海外留学を目指すことにした。箔をつける事が目的だったので、それっぽい英国の大学に現状の英語力でも入れるルートを探った。ちょっと費用は掛かったが、コーディネーターが良いルートを見つけてくれた。語学コース込みでファウンデーションコース経由であれば、英語の点数がさほど高くなくてもいけるらしい。英語圏に身を置けば自然と話せるようになるだろうから、とにかく行くことが大事だ。海外は実力主義だと聞く。文章を書くのは得意な自負もあったし何とかなるだろう。大学ランキングも早慶より上のようだ。Hは留学を決意する。
父親に相談。父親には一年で卒業できるからと説得。”大学を”卒業できると勘違いした父親は、高額ではあるが息子の将来を思えばと了承した。全てが順調でHは輝かしい未来に満足だった。
語学コースからのファウンデーションコース参加の許可が出たときは、とても嬉しかった。ちょっと浮いてたバーのコミュニティでも報告したら、非常に喜んですごいね頑張ってね、もう会えなくなるなんて残念だなと褒めてもらえた。周りの目が変わったように感じた。これだ。これこそが本来あるべき自分の姿だ。バーには頻繁に通った。あまりに別れを惜しむものだから、送別会も開いてやった。多少費用は掛かったが、準備費用は父親と母親からそれぞれ十分に貰っていたので問題ない。心の整理も必要な準備のうちだ。
それでも承認欲求が満ち足りないHは、飲み会の帰り道ファウンデーションコースを提供しているカレッジについて、本科生として入学したとSNS上のステータスを設定した。
HはG大学の奴らにも思い知らせてやりたかった。お前たちとは違うんだ。何が旅行で海外だ。これから自分は英国に住み、学ぶのだ。Student in Londonだ。レベルが違う。お前たちが僻んで嫌がらせをしてきたおかげで、相応しい立場になれた部分もあるが、感謝などしてやるか。実力だ。悔しがるといい。学歴的には正確には準備コースで、学位が取得できる本科生ではないが、普通の投稿だと埋もれるだろうし、話題にならないと本末転倒だ。制度の違いのために必要なコースなのだから、大学一年みたいなものだろう。勝手に誤解したらいい。
バーの関係者は安堵していた。女性に変に言い寄ってトラブルになりかけたり、常識に欠けた下ネタを急に話出したり、Hには手を焼いていた。バーという形態のため、来店されてしまうと拒むことは出来ない。イベント情報もSNSで発信してるから筒抜けだ。一度満席だからと暗に断ったら、扉の側で立って飲み出した時はドン引きした。そのときの写真は仲間内での笑い話として重宝はしたが。とにかく気持ちよく出てってもらいたいので、適当に持ち上げた。そしたら何故かセルフ走行会を開いた。気持ち悪い粗品を配ったりもした。こいつすごいな、と思ったがこれで最後なのでみんなで示し合わせて我慢した。
20X9年7月〜 希望に溢れる渡英
語学コースはHにとっては楽しかった。また1人息子の留学を心配して父親の財布が緩んだ事を良いことに、無駄に日本に帰国するなど余裕のある振る舞いを見せた。帰国した折に、ふらっと外部コミュニティに顔を出してみたら、びっくりされてもう会わないと思った等といわれた。そんなに遠くに行ってしまった自分に驚いているのか。記念にちょっと良さそうな酒を差し入れてやった。
Hは有頂天であった。語学コースの精度を利用して最低限の証明をとった。英検二級程度であればなんとかなった。9月からファウンデーションコースに臨んだ。
20X9年12月~ 大いなる挫折
初級コースを受けていた9-11月こそ、語学力の壁は感じながらも何とかついていけてる認識だった。非英語圏の韓国人や中国人たちもいたので、そこまで疎外感はなかった。成績も60%程度は貰えて、まあこんな感じかなと思っていた。
しかし、意識の高い系だったが故に、Hはとんでもない履修パターンを選択してしまう。選択肢の中級科目2つで、どちらも難しい内容を選んでしまった。
12月以降の本格的な現地大学生が実施している内容に近いカリキュラムについていけなかった。聞き慣れないアカデミックな単語が多く何を言っているのか分からず、リーディングも時間ばかりかかる。勤勉な他留学生たちの議論にもついていけない。プライドの高さ故に留学生の先輩たちなどが務めるチューターとの相談や友人を頼っての勉強のキャッチアップもできない。訛ってるチューターの英語を聞き取れないとバカにしたが、Hの英語は典型的な日本訛りだった。語学力はあまり向上していなかった。昼休みに輪に混ざって相槌を打つことは出来ても、込み入った相談やお願いは出来なかった。語学力も関係性も浅かった。
また学生寮の立地や環境もストレスだった。周辺の治安が悪く、日本では感じなかった恐怖を感じることもあった。また寮の学生たちが時々開いているパーティの音も耳障りだった。変な匂いがすることもあった。苦情を言いに行っても、相手にされなかった。酔った大きな声で話す大柄の外国人は怖かった。英語で文句の言い方が分からなかった。寮の管理人に頼んでも、何か早口で我慢しろ、退寮したければこの手続きをしろ的なことを、めんどくさそうに言われるだけだった。日本だったら何時間でも食い下がれたが、太った中年の管理人に冷たく英語で言い放たれたら、もう何も言い返すことができなかった。
代替氏名Hは挫折する。授業も休みがちになり、テストやレポートは受けたり出したりするも、成績は芳しくない。グループワークの発表は当日だけ行ってそばに立っていた。グループのメンバーからは文句を言われたようだが、よく分からなかった。おどおどとソーリーと言ってしまったのが屈辱だった。その学生の母国語でめちゃくちゃ悪口を言われたことは分かった。肩身が狭かった。最終成績が出る前に申請していた学部への入学についても、条件付きオファーを得たが成績的に届かないことは明白だった。
しかしHはプライドが高い。ここでドロップアウトがバレたら、G大学関係者や日本のコミュニティでどれだけ馬鹿にされるか分からない。実力と現状を認める選択肢はなかった。嘘も真になれば後々問題にはならない。かけがえのない自尊心を守るためなら、全てが肯定されるべきだ。心を壊してしまったら、Hの素晴らしい未来が台無しになってしまう。全てが必要な行為だ。Hは工作に動く。
第一部 完
第二部に続く
あとがき
ここからちょっとした後書きです。色々思うことはあります。大したことは書いてないですが、投げ銭的に有料にします。堀口英利はどうだろうな。読んだら何かいいことあるかな。読まなくていいけど。
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