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架空のプレ稽古について、調べてみました

「架空のプレ稽古」を知っていますか?
演劇、とくに東京で小劇場演劇をやっている人であれば、もしかしたら中には一度くらい耳にしたことがある人もいるかもしれませんね。でも、そうじゃない人にはほとんど知られていないと思います!

そんな架空のプレ稽古について、

  • いつ、どこでやってるの?

  • どんなことをする催しなの?

  • 何の役に立つの?

以上の3点を中心に調べてみました!!

あ、私ですか? 私は、いつもの感じで書くと主観的すぎて伝わりづらくなると判断した辻本が心を鬼にして生み出した「俯瞰で語るためのステレオタイプ文体を操る人格」です。以後お見知りおかなくても全然構わないので、この記事を読み終えるまでの間だけ黙認していただけると助かります!

架空のプレ稽古に参加するには?

架空のプレ稽古は現在、年に2〜3回程度のペースで不定期的に行われています。2019〜2022年まではお休みしていましたが、昨年ごろから再び勢いを取り戻しているようです。いい傾向ですね!
ただし、大々的に告知されているわけではなく、ごく限られた人たちの間にだけ情報が飛び交っているのが現状です。これは主催者である辻本がSNSに絶望し隠遁生活を送っていることと無関係ではないのですが、その一方で辻本は、毎回必ず1人以上は初参加の人がいてほしいとも願っているそうです。矛盾していますね!
これの解決策として辻本は、参加してくれた人たちに「知り合いの方にも声をかけたり、話題に出したりしてみてください」と伝えています。なるほど、いきなり一人で乗り込むのが不安でも、信用できる知人が実際に参加して面白かったと保証してくれれば参加のハードルも多少は低くなるのではないでしょうか!
また、辻本は常日頃から、こんなふうに考えているようです。

架空のプレ稽古は必ずしも万人受けするものではないから、来て欲しいからといってジャンジャン告知すればいいということもない。100人いるうちの10人が楽しめるものを宣伝するには、その10人を狙いすまして届けるだけでなく、残りの90人が誤って無為な時間を過ごしに来ない方法を考えなければならない。

めんどくさい性格ですね! でもそれが、人間らしさというものなのかもしれません。少しでもピンときた人は次の段落も読んでみましょう!

架空のプレ稽古って実際どんなことをやってるの?

百聞は一見にしかず。
こちらの動画をご覧ください。

架空のプレ稽古に参加することは何かの役に立つの?

さて、おそらく皆さんが一番気になっているであろう、「架空のプレ稽古は何の役に立つのか?」という点について、調べてみました。

わかりませんでした!

でも、「役に立たない」ことと「意味が無い」ことは全く別ですし、ついでに言うと「意味がない」ことと「有意義ではない」ことも全く別ですよね。

架空のプレ稽古は以前、「ひたすらエチュードをやるワークショップ」という名目で行われていたことがあります。しかし、辻本はこの呼び名について現在、大いに誤りを含んでいることを認めています。現状、架空のプレ稽古は、厳密にいえばエチュードでもワークショップでもありません。これらはすでに存在する演劇用語の中から意味的に最も似ているものを選んだにすぎないのです。なにしろ既存の用語を使わなくては伝わらなかったので。

台本のない状況下で、相手の言葉や行動に応じて即興で反応していく……などと聞くと難しそうに思えますが、人と人の日常会話って基本的にはこうして進んでいくものですから、本来なら誰にでも可能なはずなのです。それが「エチュード」になると急に難しく感じるのは話を前に進めなければいけない気がするからではないか、というのが辻本の見解のようです。

架空のプレ稽古とエチュードの違い。それは、目的の有無です。多くの場合、エチュードは俳優の技術訓練や、作家が台本を書くためのヒントを得る下地づくりを目的として用いられます。全編エチュードで構成される演劇作品ならば、まさしく「演劇作品を作ること」が目的ですし、ともかく、何か次のステップへと進むための準備運動であるという印象があります。対して、架空のプレ稽古はエチュードをすること「それ自体」が目的です。だから演技の上達を目指す人が来ても、ただエチュードで遊びたいだけの人が来ても、お互いの意図が衝突せずに同じフィールドで楽しむことができるのかもしれません。

また、辻本は自分の日記にこんなことを書いています。あんがい本質なのでは?ということが書かれていたので、こっそりお見せします。辻本には内緒ですよ?

演劇を興行にする(これは演劇で食っていくかどうかとはまた別の話)ということを考えるとき、「楽しい」だけじゃ済まない様々なシビアな事情が目の前に立ちふさがってくる。やれ採算だ、やれ動員数だ、やれ作品の強度だ、といったことが。
ところで僕は演劇を「楽しいから」で続けてしまっている。演出家でも劇作家でも俳優でもないけれど、小道具(と、あと時々いろんな謎の役職)だけど、いつも価値基準の真ん中にあるものは「楽しい」かどうかで、ギャラが高いだの安いだのは後から考えるようにしている(現時点で活動を規模縮小しているのも「楽しい」にヒビを入れないための防衛手段だ)。そして常々、「楽しい」だけじゃ続けられないと言われている業界に「楽しい」の気持ちだけで居座ってしまっていることについて、妙な後ろめたさを感じたりもしている。
架空のプレ稽古は演劇から「楽しい」パートだけを抽出したような形になっていて、そのうえ観客がいなくても成立する形になってしまっている。見学は毎回歓迎だけれども、たとえ見学者が一人もいなくても僕らの「楽しさ」の質量には変わりがなくて、それについてもまた謎の罪悪感があった。長らくの間。
でも、あるとき開き直ってみたら、ずいぶん楽になったのだ。これを興行としての演劇と比較するから「楽しい」しかないことが後ろめたくなるんだと。思えば僕は、架空のプレ稽古の準備をしている間「この設定で楽しんでもらえるだろうか」ってことばかり考えている。お気に入りのTRPGシナリオをどう回そうか考えるみたいに、あるいは脱出ゲームのヒントになる謎かけを考えるみたいに、楽しく頭を悩ませている。
たとえば僕が他人に演劇のオファーを出すとき、それは「一緒に遊びませんか」の意味に捉えてもらって構わないし、そこに誤解は生まれない気がしている。もしかしたら草野球でもいいのかもしれないんだけど、僕はボールを打つのも投げるのも下手だし野球のルールもろくすっぽ知らないから、少なくとも野球よりはルールを把握できている演劇を使って、もしよかったら数時間だけ、僕と遊んでくれませんか。
で、そうやって遊ぶ相手が楽しそうに演劇をしていると、僕はそれを見てもっと楽しくなれるから、これは永久機関なのかもしれないな。

いかがでしたか?

そんな「架空のプレ稽古」は次回いつ開催されるのでしょう? これについても調べましたが、やっぱりわかりませんでした。
ただし、辻本は暑いのと寒いのが苦手なので、真夏や真冬に開催される確率は低そうです。近いところだと来年の3月ごろが有力と言われています。続報があればこのnoteで告知されるようなので、時々チェックしてみるのも手かもしれません!

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