足関節背屈可動域に対するアプローチ 理学療法士
今回は足関節の背屈可動域制限に対する治療の方向性や考え方の私見を紹介したいと思います。
いわゆる足関節は距腿関節と呼ばれ、脛骨・腓骨・距骨で構成されます。
運動軸は上前内側から下後外側方向に通るため、矢状面上に直交しません。
そのため、前額面上・水平面上の運動が必ず起こります。
つまり、距骨が下腿の天蓋部をただ後方滑りすればいいのではなく、「外転」「回内」運動と下腿の「内旋」運動が必ず必要となります。
また、骨構造上ほぞ継構造と呼ばれ、背屈運動に伴い天蓋に距骨がはまり込むような形をとり、背屈位では関節内運動が少なく、底屈位では関節内運動が起こりやすいといわれています。
さらに、はまり込む運動は底屈27.5°から起こるという文献があり、底屈位で正しい動きが生じなければそこから背屈運動ではまり込んでいくことは難しいように感じます。
ここで考えないといけいないことが3つあります。
①距骨の前額面・水平面上の可動域制限がある場合、必ず矢状面運動の制限が起こること
②下腿の回旋運動制限がある場合、必ず背屈運動の制限が起こること
③底屈運動が適切なアライメントで行われなければ、背屈運動の制限が必ず起こること
これらのことを踏まえると
距骨の前額面上・矢状面上の動きの評価
下腿の動きの評価
底屈可動域の拡大
をすることが背屈可動域拡大に重要であり、優先順位が高いことが理解できると思います。
また、術後や外傷の滑走不全や癒着・前足部の影響による後足部のアライメント不良など他にも考えなければいけないことはたくさんありますが上記の内容は臨床上大事ではないかと考えています。
皆さんのご意見・ご感想をコメントしていただけるとありがたいです。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。