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ししゅうはあまいかおり?

敢えて、漢字にはしませんでした。
それでも、ピンと来てしまう人はいらっしゃると思いますが。。。

刺繍ではなく、詩集でもなく、死臭についての話です。
コワいの苦手!
と言う方は、すぐ回れ右してくださいね。







・・・いいですか?


妙な甘い匂いは何?

ええとですね。先週、父の様子を見に行きました。
部屋に入った途端、むわっと妙に甘い香りが鼻をつきました。
マスクをしていても、わかるくらい。

それは、洗濯洗剤の匂いではなく。
おむつの匂いでも勿論なくて。

甘ったるくて、でもいい匂いでもないんですよね。
お菓子や花とも違う。

思わず、全部の窓を開けました。
寒いけど、ちょっと空気入れ替えるねって言って。

なんの匂いだろう?
と考えてすぐ思い当たりました。

母の病室で嗅いだ香りと、同じでした。

母の時は。

いつ頃から、そんな匂いがするようになっていたのか、
憶えてはいません。
ただ、最期の方だったようには記憶していますが。。。

一週間前だったのか、一か月前からだったのか、それとも半年だったのか。
わかりません。

ただ、妙に甘い体臭みたいなのが漂うようになっていました。

一日のほとんどを昏睡状態で過ごすようになってからだったかなあ?
でも、放射線治療か抗がん剤の副作用で髪の毛が全部抜けて、その時に使ってた帽子の内側も同じような匂いがしていたような気もします。

だから、当時はがん患者に特有の匂いなのかな、くらいにしか思っていなかったんです。
その後、がんがあるかどうかがわかる犬の話をテレビで観たり、線虫でがんをみつける検査の話とかも聞いたりして。
ああ、がんには独特の匂いがあるんだ。
あれもそうだったのかな、なんて思ってたんです。

でも、父にがんはない(はず)です。

だったら、もしかして、あの匂いは。

悶々としながら帰宅し、ちょっと検索をかけてみたんです。
そしたら、看護師さんの体験談で似たようなのが結構あって。

えー・・・。
やっぱり、そうなのかなあ。。

なんだか、父の老い先がほんとに見えてきているのだと突きつけられているような気がして。
辛い、です。

全然、気持ちを解かってくれない父ですが、
本人に悪気はなく(それがまた困る)、家族のことは自分なりに大切にしてきてくれた人です。

母の時は、最期の半年ほど?はもうほぼずっと入院していて。
大学の帰りに毎日病院へ寄って帰っていました。

病室の前で、息を吐き。
どうにか平常心を引っ張り出してきて。
「お母さん、来たよ」
反応がなくても、声をかけて。

扉を開けるのが憂鬱で、でも、会いたくて。
毎日、心がちぎれそうでした。

一度通った道だから。

二度目の今は、心が重いです。
父の家に様子を見に行かないと、心配です。
家事も溜まってしまいますし。
でも、行くと辛くなってしまって。
会う度に、心が揺さぶられて削られて。

もちろん、父の前では出しません。
でも、帰宅すると気持ちが疲れてしまって、しばらくテレビをつけてぼーっとしてしまいます。

病院に通い詰めてるときもそうでしたが、なんかこっちのエネルギー取られる感じです。

それでも、子どもたちや主人が帰ってきてくれて、他愛のない話をしたり、
長男の軽口につっこんだり、呆れたりできることで救われています。

そんな甘い匂いなんて、
気のせいだって、考えすぎだよって言ってほしいような気もします。
でも、わかるよ、って共感もしてほしいような気も。

まあ、結局のところ父との時間を悔いなく過ごすしかないのですが。

読んで頂きありがとうございました。
週末にかけてあたたかくなりそうなので、おひさまを浴びて元気分けてもらおうと思います。


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