つるべ落とし

「秋の日暮れはつるべ落とし」
最近の若い子(この言葉、自分が歳取ったのを認めているようで、あまり好きではないが)は、つるべというのを知っているんだろうか?
昔は民家があるところには大体 井戸があり、そこで夏にはスイカを冷やしたりしたし、普段は洗濯をしたり。井戸から汲んだ水で洗濯をしながら 近所の主婦が世間話などペチャクチャ喋るから井戸端会議と言う。所謂会議ではないが、亭主の愚痴や近所の噂話や姑の悪口やらを言い合い、では、こうしたらいいんじゃないか、それはこういう事だと思う などとそれぞれが勝手な意見めいた事を言うから会議、と言っても良かろう。つるべというのは、滑車に鎖が付いていて、桶(バケツ🪣だったり、木の桶だったり)を吊し、その鎖を引っ張って桶を井戸の中に沈めて水を汲み、また鎖を引っ張って桶を引き上げる。滑車の滑りが良くて勢いよく桶が井戸に落ちる。わざとつるべを井戸の中に落とすわけではないが、弾みがつき過ぎたりした時にストーンと 桶が暗い井戸の中に落ちて行く。今頃の季節はまさにバシャーンと桶を落とすような感じで、さっきまでまだ明るかったのにあっという間に日が暮れる。
日本の経済もこうならない事を切に願う。

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