年末というだけで

年の終わりに家中大掃除をする と言うのは、私が小さい頃から教えられて来た事。
普段はしない電球拭き、タンスの上、横、いろんな引き出しの中の整理、床拭き、網戸洗い、窓拭き、部屋の隅々まで丁寧に拭いて…その他諸々。
昔は、お天気の良い日に畳を上げて、庭に八の字のように支え合うようにして立て、布団たたきみたいな物でバンバン叩く。日本は湿気が多いから、年に一度は、畳の裏側にも日光を当てて乾かしていたのだ。
畳の下には新聞紙を敷いていた。それも湿気取りの為と断熱効果を期待したものだろう。
 
共働きの両親が、12月になるとやたら慌ただしい感じになって、日曜日など休みの日になると 朝からバタバタし始める。
12月末、年末年始の休みに入ってからは買い出しの為に一緒にスーパーへ行かされる。マイカーがなかった故、自転車で 前のカゴにいっぱい乗せて、後ろの荷台にはみかん箱を積んでその中に買い物をした野菜や魚やみかんなどの果物やお菓子など お正月用に買った物をてんこ盛りに入れる。
母がおせち料理を作り始めると あれを洗っといて、これの皮をむいといて、あ、アレ買い忘れたから買って来て などと 私がいろいろ手伝うのが当たり前 と言うか、手伝わねばならぬ、働かざる者食うべからず と言っているようだった。
 小学生の低学年の頃からそうやって手伝わされた。
核家族で、母も働いていた為、餅つきは毎年はしなかったが、母が何やら思い立って「今年は あの石臼で餅つきをする!」と宣言した時には、母の張り切り様とは真逆で、私は消沈したものだ。 また手伝う事が増えるではないか。

冬休みだから小学低学年の私は遊びに行きたかった。
家の掃除など何も手伝わず、餅つきだけは面白そうに遊び半分にやっているだけで後片付けなど 何もしない友達がいて、その時はうらやましかったなぁ。 何にも手伝わなくても叱られないんだ。
 今なら
「甘やかされているあんたは、
それで喜んでいる奴は、人生途中で息詰まる。そして、人のせいにするのだ。滅びるぞ!」 
と叱咤するんだがなぁ。羨ましくもなんともない。

でも
両親がバタバタしていた年末は、今でもあんまり好きじゃない。

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