趣味の採点
※「2015/7/23」に投稿された記事です
こんにちは、ごきです。
私は中学時代、趣味でよくイラストを描いていました。
最初は漫画の好きなキャラクターを、ヘタクソながらに極めようと描いていたのですが
画力に少し自信がつくと、当時閲覧していたイラストサイトの影響で、次第にマニアックな趣向の絵も描き始めるようになりました。
私は流石にそういう系のイラストは隠しながら描いていたのですが、ある日学校でそのイラストが床に落ちてしまったのです。
手のひらに収まるくらいの、小さなメモ帳の一切れに描いたイラストで、周りの人の目に入らないように、ちゃんと折り畳んでありました。
そのとき私は、その紙が落ちたことに気づかなかったのですが、クラスメイトのとある男子グループは、私から落ちる紙切れに気づいていました。
その男子グループは紙切れを拾って
「すいません、落ちましたよ。」
と、私に親切に教えてくれて……
なんて優しいことをしてくれる訳ではなく、その紙切れの中身を遠慮なく見たのです。
結果は予想通り、絶望的に気持ち悪がられ、笑われてしまいました...。
しかも運悪く、近くにいた別の女子グループが、その男子グループに「なに笑ってんの?」と話しかけたことにより
男子グループは嬉しそうに、女子グループにも私のイラストのことを話し始めました。
そしてそれを聞いた女子グループも、私のことを「キモいキモいw」と笑い始めました。
悲しいことに、実はこのときも私は、まだ自分のイラストが床に落ちて、そのままクラスメイトに見られているなんて全く気づいていなかったのです。
「なんか周りが笑っててうるさいな。」くらいにしか思っていなかった私は、いつも描いたイラストを入れている筆箱を漁ったときに、それがなくなっていることにようやく気づきました。
イラストの内容からして、クラスメイトには絶対に見られたくないと思っていた私は、焦って紙切れを探していると
それに気づいた女子グループの1人が、「ヤバい!探してるよww。」と、紙切れを持っている男子グループに楽しそうに知らせました。
その女子の台詞で、私は自分のイラストがクラスメイトに拾われ、見られてしまったのだと確信しました。
それに気づいたとき、私はもう恥ずかしさと絶望感で頭が真っ白になってしまい、今にも泣いてしまいたかったです。
ちなみに、私が紙切れを探していることを知った男子グループは、その紙切れをこっそり返してくれました。
ご丁寧にくしゃくしゃに丸めて...。
それでこの件は治まれば良かったのですが、小雨は雷雨まで呼んでしまうようです。
過去に掲載したこともあるのですが、当時の私はクラス中からいじめられていた嫌われ者でした。
そんな「嫌われ者の秘められた趣味」というのは、いじめっ子たちにとって最高の号外ニュースなのです!
そのため、私のイラストを見た上記の子たちは、早速クラス中にこのことを広め始めました。
そのせいで、元々クラス内のいじめで肩身の狭い思いをしていた私は、更にクラスに居づらい状況となってしまいました。
ちなみに中学生といえば、少々マニアックな趣向のものに興味を示すものだとお思いかもしれませんが
当時の私のクラスの人たちは、「そういうのが好き」という面は裏の趣味であり、表向きでは「心が綺麗な純粋っ子」を熱演する子たちばかりでした。
そんな子たちの中に、「悪趣味なイラストを描いている汚らわしい人間」がいたら、差別せざるを得ない対象なのです。
私も「恥ずかしいことをしている」と分かっていながらあんなイラストを描いていたので、みんなから気持ち悪がられるのは仕方がないと、その場を耐え続けるしかありませんでした。
幸いクラス内での、私の悪趣味についての話題は1週間くらいで治まりましたが
上記のことがトラウマになった私は、マニアックなイラストを描かないようにするはもちろん、イラストを描くことすら控えるようになったり
描いたとしても、絶対に落とすことのないように気をつけていました。
しかし、それから数ヶ月経ったある日のこと
今度はクラスの1人の男子が私の机の中を漁り、発掘したイラスト(マニアックな絵ではない)に、油性ペンで落書きをするといういたずらまでしてきました。
これを見つけた私は、「ここまでするか!?」と心の中で叫びました。
こうして私は、趣味で生き甲斐だったイラストをほとんど描かないようになってしまいました。
今思い返すと、確かに当時のクラスメイトたちにとっての私の趣味は、ものすごく気持ち悪いものだったのでしょう。
私自身も、学校でマニアックなイラストを描くのはTPOがなってなかったと思うし、とても反省しています。
しかしだからといって、人の趣味や生き甲斐を馬鹿にして周囲に広めた挙句に、台無しにまでする必要はないのではないかとも思っています。
理解できない、気持ち悪い趣味だと感じるのは仕方ないのですが、それなら何も言わずにそっとしておいてほしいです!
けどいじめっ子にとって、「ターゲットの生き甲斐」ほど、ぶち壊したくなるものはないのかもしれませんので、難しいのでしょう…。
なんとも悲しい話ですが、いじめっ子もいじめられっ子も関係なく、他人の趣味まで採点しないで欲しいです...。