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私は大悪党

※「2015/10/15」に投稿された記事です

【注意!】本記事、はてなブログに記載した同記事より、大幅に細かくリメイクされており、内容も一部相違した箇所がございます。
(本記事のほうが、実話を忠実に書いてあります。)


大学時代、私は学生寮に入っていて、そこにはIさんという先輩がいた。

Iさんは成績優秀で性格も明るく、容姿も小柄で可愛らしい女性だ。

おまけに性格もいいと評判だったため、まさに世間が求める「理想の女性像」に近い感じの方だった。

しかし、このIさんの素晴らしさは表向きだけであり、内面はまるで漫画の世界から飛び出してきたようなとんでもない「腹黒女子」だった!

ちなみにこれは地味で冴えない私が、Iさんに嫉妬して書いているのではない。

Iさんの腹黒さは本当であり、当時の寮生の中でも、このことを知っているのは私だけであった。

なぜなら私は、Iさんに嫌われていたからだ...。


私はIさんに嫌われるようなことをした覚えはないのだが、Iさんはなぜか私の存在自体が気に入らない様子だった。

例を挙げると
Iさんは私以外の子には、先輩後輩問わず明るく愛想良く察していたのだが
私に対してのみ、その対応が一気に冷たくなるのだ。

私から話しかけても、「え?なに急に…?」みたいに謎に警戒されてしまうこともあった。

そしてIさんの最も腹黒いところが
上記のような塩対応は、私と1対1のときのみでしか発動せず、周りに他の子がいるときは人目を気にしてか、そのような素振りを全く見せず、むしろ余計なお世話レベルで私のことを助けようとしてくるのだ。

そのため、私が「Iさんに嫌われている」と相談しても、周りからは信じてもらえないのが目に見えており、最低私が悪者になり兼ねないので
私は近しい友人を省いては、寮生の中でIさんの件を相談していない。


そしてある日、Iさんからの本格的な攻撃が始まってしまう出来事が起こる。



それは、寮内で行われる委員会のようなもので、寮生が集まって小規模な会議をしていたときのことだ。

その会は狭い部屋で行われていたため、椅子が用意されている訳でもないので、みんなそれぞれ開いたスペースの床にテキトーに座る形だった。

このとき私が座っていた位置は、Iさんの左斜め後ろで壁際だった。

そして会の途中で集金をするとき
Iさんは財布を開けてお金を出す際、後ろにいる私のことを睨みつけながら、財布を隠すように前屈みになっていた。

それはまるで、「お前、私のお金盗むんじゃねぇぞ…。」とでも言わんばかりの態度だった。

ちなみに私は、Iさんのお金を盗もうなんて微塵も思ってなかったし、卑しい顔でIさんを見ていたわけでもない。

それなのに、Iさんにそんな態度をとられた私はイラッとしてしまい「あなたのお金なんて盗んだりしませんよ!失礼な!」という反抗の気持ちを込めて、Iさんに向かってあからさまなため息をついてしまった…。

今思うと、これがIさんの逆鱗に触れたんだと思う。

なぜなら、このあとIさんは、本当に私のことを泥棒に仕立て上げようとしてきたからだ!


上の件から数分後、Iさんが急に「あれ、私の手帳がない!」と言い出した。

Iさんの手帳が紛失してしまったようである。

そのときは、周りの子たちが「大丈夫ですか?」と心配していただけだったのだが
会議が終わったあと、Iさんは他の子たちと紛失した手帳について大声で愚痴っていた。
※このとき私は部屋の中にいたのに、Iさんの声がハッキリと聞こえてきていた。

そのときに聞こえてきたIさんの言葉が「きっとごきちゃんに盗まれたんだ!」だった。

つまりIさんは、先ほどの報復なのかは知らないが、「一番近くにいた」というだけで、最も犯行が可能だったであろう私を勝手に疑ってきたのだ!

もちろん私は彼女の手帳を盗んでなんかいない。

幸い、それを聞いた他の子は、Iさんの言葉に乗せられた様子はなかったが
その後もIさんは賢い頭をフル回転させて、私に執着してくるようになった。


実際、どんなことをされたかというと

ある日、寮生全員が集う会議に、私がみんなより遅れて集合した日があったのだが
その翌日、Iさんが他の子たちに、「ごきちゃんは昨日の会議で一番最初に集合したとっても偉い子」という、明らかに嘘で嫌味たっぷりな作り話を広めていた。

また別の日、私がIさんと偶然鉢合わせしてしまったときに、Iさんは「彼氏との輝かしい恋愛話」を、私に聞かせるように大声で話してきた。

そのときのIさんは私に
私は地味でモテない負け組なあんたと違って、華やかで彼氏もいる勝ち組なのよ!
とでも伝えたいがために必死な感じがした。

ちなみにIさんは私に
「私、嫌いな人のことなんてなんとも思わないもーん!」
と、「私は心が綺麗なのよアピール」をしてきたこともあった。(ものすごく必死である…。)
※ちなみにそれを聞いた私は『いやいや、大嫌いな私にめちゃくちゃ執着してきてますやん…。』とツッコみたくなった。

このようにIさんからの攻撃方法は、周りの目を気にしてか、どれも私に直接悪口を言うのではなく、遠回しに私を惨めな気持ちにさせるというものだった。

私自身、直接悪口を言われた訳ではないのだが、ただ執拗に嫌味とマウントを繰り返されて、正直辛かったし、めんどくさかった。

しかもこの攻撃で一番厄介なのが、「直接悪口を言われた」という明確な被害ではないため、誰にも相談できず、1人で悩むことになるということなのだ!


まぁ、これらのIさんとの出来事を通して考えたところ、きっとIさんは私に
私は可愛くてリア充で性格も良い高価な女!
対してあんたは醜くて地味で無価値な女!

ということをずっと分からせたかったのではないかと思う。(あくまで私の推測である。)


おそらく、あのときの私の反抗から始まってしまったであろうIさんからの攻撃。

私もあのとき、イラッとしてしまったとはいえ、嫌な対応をしてしまったなととても反省している。

しかしその一方で、あのとき財布を隠したIさんの態度も、あからさまに私に対する敵意があったようにも感じた。

お金を取られたくない気持ちは分かるし、そのためなら近くの人を警戒してしまうのは仕方ないと思うのだが、それをこれ見よがしに態度に出すのは
まるで勝手に「人のものを盗む卑しい奴」と決めつけられた気持ちになるので、逆に失礼なのではないかと私は思う。


というかそもそも、なぜ私はIさんから警戒されていたのだろうか?

最初にも書いた通り、私はIさんを怒らせるようなことをした覚えはない。

なのになぜここまで私を悪者扱いしたり、マウントをとることにこだわるのだろうか?

理由は全く分からないが、きっとIさんの思い描いたシナリオでは、私が悔しそうな顔で跪き
「はい、私は見た目も心も美しいI様の足元にも及ばない、どうしようもない大悪党です。」
とでも言って欲しかったのだろうか…。

まぁなんにせよ私も、まさか現実にこんな漫画の世界から飛び出してきたような「腹黒女子」がいたなんてとびっくりした出来事でした。

次の記事では、今回の出来事の続きの記事を書きたいと思っている。

by ごき

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