尿漏れ女とガス漏れ女
50代になって体にガタが出始めた。
もっと前から少しずつガタはきていたのだろうけど、健診などではっきりと数値化され警告され始めるのがこの年頃だと思う。
女性(※男性も)は更年期も相まって、しんどい人はそりゃーしんどい。
更年期の症状は人それぞれ、100人いたら100通りあるんじゃないかと思うぐらいさまざまだ。周りに同じような症状の人がいなくて、もしくは話せる人も聞ける人もいなくて一人で苦しんでいる人も多いだろう。女性は良くも悪くも我慢強い人が多い。
更年期からくるのか単に体の衰えからくるのかわからないが、尿漏れの悩みもよく耳にする。最近はCMでもよく聞くし。
わたしが「ともだちはいますか?」と聞かれて真っ先に思い浮かぶ彼女とは子供の頃からの長い付き合いだ。
いまでも会えば長々とくだらない話をして。会って帰ったそばから言い忘れたことがあると電話してはまたダラダラと話しをする。お互いの環境が変わって離れていた時も悩みはすべて彼女に聞いてもらっていた。ガラケーを手にしてスマホになって、LINEができるようになった時は通話料がかからない素晴らしいもんが出来たな!と二人で喜んだ。
体の悩みも逐一ほう・れん・そうしているので家族より知っている。
わたしがちょい漏れを初めて経験した時、ちょっとだけショックだった。
なんの自信か知らんがわたしはちょい漏れしないだろうって思ってたから。だって前の晩におしっこしたくてもトイレに行くのが面倒で翌朝まで我慢できる人だったから。抑える力は強めだと思っていたのだ。
そのことを漏れなく彼女に報告した。年をとるのはイヤだね、更年期かねと。彼女は「尿漏れなんてわたしは昔からだよ」と言ってきた。「そんなの年も更年期も関係ないよ。シートつけときゃいいし、ちょい漏らしなんだからわかんないように帰ってパンツ取り換えればいいだけだ」と。清々しい。そうだ、彼女はこういう人だった。そして確かに10代の頃からよく「ちびっちゃった」と言っていた。生粋の尿漏れ女だったのを思い出した。そして私はよくおならをするガス漏れ女だったのだ。わたしたちは部活も同じでよく一緒に練習をしていた。走り込みの練習をしていて、ゴールに踏み込む時に力みすぎたわたしはよくおならをしてしまった。横を走っていた彼女はそれを聞いて「笑ったらちびっちゃったよ」とお腹と股を抑えながら大笑いし、それを見てわたしがまた笑い、そんなことがしょっちゅうだった。わたしの尿漏れはそれっきりだったがガス漏れはいまも続いている。最近はますますコントロールが効かなくなってきて、職場ではいつも一定の緊張感がある。そんなわたしはガス漏れ体質で彼女は尿漏れ体質なのだろう。そう考えるとなんだか面白くなってきた。何を漏らそうとちょい漏れごときどってことないなと思えた。年だ更年期だと気にしだすと、あれもこれもすべての原因がそれに思えて、もうどうしようもないのだとガッカリしてしまう。解決できないと思うと気分が落ち込み。症状があると人に会うのが嫌になったりもするだろう。
でもわたしも彼女も年をとる前から、更年期なんて名前も知らない時から色んな症状があったわけだから。すべての原因がやつらばかりじゃないんだと思う。わたしは気になることや不安なことがあると彼女に話す。家族に話す時もあるし、受診した医師がとんちんかんな答えを言おうものなら、話のわかりそうな看護師さんに相談したりもする。けっして解決策が見つかるわけじゃない。けれど話すってことがなんとなく大事なんだと思う。話す相手がどうしても見つからなかったら書き出してみてもいいと思うし。書き出してみてもう少し広げてみたかったらnoteなんかで書く側になってもいいと思う。やっぱり書くのは嫌だなって思ったら、書いている人の中からちょっとだけ同じような気持ちを持った人に出会えたら素敵だなと思う。
どこからたどり着いたかわからないけれど、いまわたしが書いたnoteを読んでくれているあなた。もしあなたが何か悩んでいるとしたら、お役に立てたかはわかりません。が、世の中には尿漏れ女とガス漏れ女の話なんか書いてるやつがいると鼻で笑ってもらって結構なので、少しだけ元気になってもらえたら幸いです。
ちなみに、ガスがたまりやすいのですがどうしたらいいですか?とお医者さまに相談したとき、
「工夫するしかないね」と言われました。どう工夫しろというのか、医者も適当だなと思ったのでした。