(13)情報リテラシー論〜画像認識と生成技術で革新〜

良いお年を(出オチ)。

第13回情報リテラシー論レポートのお時間です。

いよいよ今年も大詰め、年末の浮き足だった雰囲気にこちらも心躍ります。

今年後半には沢山の情報リテラシー論を学んできました。
そして今年最後のレポートテーマは「画像認識と生成AI」です。

今までのレポート内でも幾度となく登場してきたこの生成AI。
この年の瀬に改めておさらいしていこうと思います。




生成AI画像とは?

生成AI画像は、人工知能(AI)を用いて作成された画像のことです。一般的には、ディープラーニング技術を活用し、テキストや他の画像を元に新しい画像を生成します。

代表的な生成AIモデルには以下のものたちがあります。

  • DALL·E(OpenAI): テキストプロンプトを元に高品質な画像を生成。

  • Stable Diffusion: オープンソースのモデルで、テキストから画像を作成。

  • MidJourney: アートスタイルに特化した生成AI。


AI画像認識の進化過程は、技術の発展と共に大きく進歩してきました。

1. 初期の画像認識(1960年代〜1980年代)

  • 概念の誕生
    コンピュータビジョンの研究がスタート。初期は数学的アルゴリズムに基づき、基本的な形状やパターンの認識に焦点を当てていました。

  • 技術の特徴

    • 画像をピクセル単位で解析。

    • エッジ検出や簡単な形状認識。

  • 限界
    ハードウェア性能やアルゴリズムの未熟さから、応用範囲は限定的。


2. 機械学習の導入(1990年代〜2000年代初頭)

  • 機械学習の台頭
    サポートベクターマシン(SVM)や決定木などの手法が利用されるように。

  • 特徴量抽出
    人間が画像内の特徴(エッジ、色、テクスチャなど)を定義し、モデルに入力。

  • 代表的な手法

    • SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)

    • HOG(Histogram of Oriented Gradients)

  • 応用例

    • 車両認識システム(例: 自動車のナンバープレート読み取り)。

    • 医療画像解析(例: がん細胞の検出)。


3. ディープラーニング革命(2010年代)

  • ディープラーニングの登場
    2012年のAlexNetがImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge (ILSVRC)で優勝したことで、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が注目を集める。

  • 技術の特徴

    • 人間が特徴を定義する必要がなくなり、大量のデータから特徴を自動学習。

    • 階層的な特徴(エッジ→形状→オブジェクト)を学習。

  • 代表的なモデル:

    • AlexNet: CNNの先駆け。

    • VGGNet: 深層構造による高精度認識。

    • ResNet: 残差学習を導入し、深いネットワークでも学習可能に。

  • 応用例

    • 自動運転(物体検出、道路認識)。

    • スマートフォンの顔認識。

    • 監視カメラの人物検出。


4. 最新の技術革新(2020年代〜現在)

  • 自己教師あり学習
    ラベル付きデータが少なくても学習可能な手法が開発される。

  • 大規模モデル
    Vision Transformer(ViT)などのトランスフォーマーベースの画像認識モデルが注目される。

  • 技術の特徴

    • トランスフォーマーを用いた画像認識が、従来のCNNを凌駕する精度を実現。

    • 少量のデータでも高性能を発揮。

    • 生成AI(DALL·E、Stable Diffusionなど)との融合。

  • 代表的なモデル

    • Vision Transformer (ViT): トランスフォーマーを画像認識に適用。

    • CLIP: テキストと画像の関連性を学習し、汎用性の高い画像認識を可能に。

    • YOLOシリーズ: リアルタイム物体検出の進化。

  • 応用例

    • メタバース(3Dオブジェクトの認識と生成)。

    • 医療分野での精密な診断補助(例: MRIやCT画像の解析)。

    • 小売業での画像検索(例: Amazonの画像ベースの商品検索)。


講義内でも、値札がつけられないパン屋さんのレジに画像認識の機能を搭載することによる業務改善の様子を見ました。

そのほかにもAI画像認識はさまざまなモデルを利用します。

代表的なモデルと手法

  • CNN(Convolutional Neural Network)
    画像認識の主流技術。畳み込みとプーリングを活用。

  • R-CNN / YOLO
    オブジェクト検出を目的とした手法。画像内の物体の位置も認識。

  • Vision Transformer (ViT)
    トランスフォーマーを利用し、高精度な認識を可能に。

技術の応用例

  1. 物体認識: 写真に写った物体を特定(例: 自動運転車のカメラで道路標識を検出)。

  2. 顔認識: 人の顔を特定し、認証に利用(例: スマートフォンの顔認証)。

  3. 医療画像解析: CTスキャンやX線画像から疾患を検出。


このようなAIの画像認識技術は、物体の識別やパターンの認識に優れていますが、以下のような分野では不得意とされています。

  1. 抽象的な概念の理解
    背景にある意味や意図、感情などの抽象的な要素を理解することが困難です。例: 子供の絵に込められた愛情や夢の理解。

  2. 未知の状況への対応
    学習データにない新しい状況や想定外の事象に対応するのが苦手です。例: 全身タイツ姿の人間を認識できない、新型コロナ初期のマスク顔認識の苦戦。

  3. 感情や主観的な要素の理解
    感情の細かい違いや芸術作品の価値を正確に評価することが難しい。例: 悲しい顔と懐かしい顔の違いの区別。

  4. 因果関係の推論
    画像の中の要素を認識できても、それらの関係性や原因を推論するのは苦手です。例: 事故現場の写真から事故の原因を特定できない。

  5. 完全な自動化の実現
    視覚情報には強いが、聴覚や嗅覚などのほかの感覚を伴う判断は難しい。熟練者の総合的な判断を完全に代替するのは困難。

  6. 倫理的判断
    データに基づく判断はできるが、文脈や社会的背景に応じた倫理的判断には対応できない。

  7. データが少ない分野
    学習データが少ない場合、精度が低下するため、データ不足の分野では性能を発揮できない。

生成画像AIは多くの可能性を秘めていますが、適切な規制やガイドラインが必要です。また、技術を利用する側の責任感と倫理観の向上が求められます。社会全体での議論と教育が、この技術を健全に発展させる鍵となるでしょう。




参考記事

https://ai-market.jp/purpose/image-recognition-problem/#AI-2

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