③【40歳以上の方へ】あなたは、65歳の時、どこで何をしていますか
では、40歳以降の人は、どのように考えるのでしょうか。この年齢まで生きてきたひとですし、人の生き方はいろいろでしょうから、どのように考えてもよいのでしょう。
この年代になると、その時点からみて、その後の職業生活がどのようになっていくのかは、おおよその見当かつきます。現在の勤務先では、既に本流から外れたので、もうしばらくすると、関連会社に出向になるのではないか、同部門の大先輩の例からすると、55歳くらいで、地方の支店長に就き、60歳で役付定年となり、本社の閑職かとか、何となく、先が見えてきます。
ただし、この年代では、それまでの仕事だけではなく、その後の人生をどう送るかによって、さまざまな選択肢がでてきます。その人の出身地や資産状況、家族構成、趣味嗜好により、本人が何に価値を見出していくかは、千差万別です。
まだ郷里に実家と田畑が残っているようであれば、半農半年金生活も悪くありません。
40歳代から、急にジタバタしたところで、せんないことです。一般的に、これまで全くやったことのない、新たな仕事にチャレンジするには、ちょっと遅すぎます。これまでに身に付けた、経験・知見の延長線上で、世の中に多少でも貢献できることを探して、深化させていくしか、ありません。
40歳以降の転職
40歳以降になると、転職先の選択の幅はだんだん狭くなってきます。あなたは65歳になった時に、どのような職業生活をしているのか、想像してみましょう。
あなたが、今の会社で、然るべきポジションであり、現在の会社が、今後20年は存続しており、自分は現勤務先で役立っている見込みがあれば、今のまま勤続していることは、何も問題はないでしょう。
ところが、あなたの勤務先の会社がなくなる恐れがあり、その後も何らかの仕事をしなければいけないのであれば、どこかの時点で、転身を考えねばなりません。また、現在の会社のなかで居場所がなくなり、窮屈な思いをするのであれば、別天地への転進をした方がよいでしょう。
自分なりの将来シミュレーション
この時点では、次の2点について、自分なりのシミュレーションを行なう必要があります。
その第一。48歳くらいになった時点での、世界、日本の社会、経済・企業、そして自分が目指す職業の将来予測を行なってみます。日進月歩ならぬ秒進分歩の時代、5年先でもよく見えない未来予測ができないなかで、確かに十数年先のことはわかりません。しかし、それがわからないからこそ、自分自身の今後の生き方を考える上での、自分なりの仮説を立ててみないと、これからすることに自信がもてません。多分10数年後には存在しないであろう職業のプロフェッショナルになったところで、意味はありません。
二つ目は、自分の能力が最大限発揮できそうな、自分としてもやってみたい仕事の領域を特定してみます。好きこそものの上手なれ、と言いますが、自分が好きで、一生をかけてやってみたい、と思えるものを選ぶことが大切です。自分の意に添わぬことでは、決して長続きしません。とは言っても、今現在行なっている仕事とまったくかけ離れていては、空想の世界に遊ぶようなものとなります。そこで、漠然としたキャリアプランを想定してみましょう。ただし、今現在の自分と48歳の将来像が点線でもよいので、結ばれたものである必要があります。
これから20年後、あるいは10年後の自分は、どのような世界で、どのような仕事をしているのでしょうか。