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②【40歳未満の人へ】きみは48歳の時、どこで何をしていますか
きみは何になりたいのか、何をしたいのか、この一度きりの人生でどう考えるのか、をはっきりさせることが、たいへん大切です。
私は、転職の相談に来た、若手から中堅クラス20代、30代の人には、必ず次のようなことを聞くようにしています。
あなたの〇年後、48歳になった自分の姿を想像できますか。どこで何をしていますか。または、どのような姿になっていたいと思いますか?
48歳という年齢は、多くの場合、ほぼその人の完成形の姿でしょう。この年齢での状態から、その後の10年、20年の様子をおおよそ見通すことができます。
この時期になると、たとえば、アルミニウム鋳造用の金型製作、企業法務、等々、ある専門領域の第1人者として、その地位がある程度確立されている姿でしょう。
出世を目指す上昇志向の強い人は、自分は役員になれるか否か、はっきりと分かる時期でもあります。
「○○になる」と決め、宣言
自分自身の職業生活の将来目標を、「何年後に○○になる」と決めます。「○○になりたい」と願望するのではなく、「なる」と断言し、宣言、自己決定することが肝要です。願望はあくまでも願望であり、その通りにならなくとも仕方が無いが、「なる」と断言、宣言することで、その結果を出すことが、自分自身との約束となり、拘束されます。
また、「○○になる」と決めた時点で、自分としてやるべきことがはっきりと見えてきて、「見えてくる」世界がまったく違ってきます。
成功を収めたこれまでの先人の経験から学ぶと、20歳前後で、凡その進路の方向性を決めて、さまざまな模索をしながら、ある時期にはっきりと自分の生きていく道を決めています。通常は18歳の高校卒業時点で、就職か進学か、進学ならば、どのような学校、履修内容にするかで、大きな方向は決まります。ただし、文科系の大学に進む場合は、その後まだどのような分野に進むのかの選択肢が残っています。一般論から言えば、自己決定の時期は早すぎても、遅すぎても良くないでしょう。経験的に言って、概ね30歳前後が適期なのではないでしょうか。
もう既に、30歳を越えてしまった人でも、改めて、自分は何のために、働いているのか。自分の人生の目的は何なのか、という根源的な問いかけを自分自身に対して、行なってみてはいかがでしょうか。
48歳の時、どこで、何をしている
その際に、暦の4回り目、48歳の時点で、自分は、どこで、何をしているのか、自分自身の将来ビジョンを考えてみましょう。48歳という年齢は、企業人ならば、その先が概ね見えてくる、その人の職業人としての評価がほぼ固まる時期です。その時点で、どうなっていたいのか、その選択肢は無限にあります。企業に属しているのならば、現在の常識からすると、役員か、その一歩手前の部長クラスかもしれません。しかし、今後は、年功序列的な人事評価制度が崩壊するので、大手企業のトップという線も考えられます。48歳の時点で、創業した会社の株式をすべて売り払って、その後悠悠自適の生活をするのならば、20歳代に、成長するビジネスを起業しなければ、間に合いません。
取り敢えず、かなりの願望も含む、少し高めの「48歳の自分像」を描いてみませんか。目標は現状に合わせて、変えていけばよいのです。早めに自分の将来ビジョンを達成しそうであったら、わかった時点で、さらに次なる目標を設定すればよいだけのことです。
たとえば、大学を卒業して5年間、中堅建設会社で経理の仕事をしている27歳の人ならば、次のように自己決定をするかもしれません。
最低でも7年後には現在の会社の経理課長となり、10年後には外資系の企業から
CFO(財務責任者)にスカウトされるようになる、さらに、その会社で経営全般を
任されるようになり、48歳には一定規模の会社で経営トップとなっている、
というように自分の将来を自分で勝手に決めてみます。このように、自分自身の将来目標をはっきりさせると、自分のキャリアアップのために、今後具体的に何をどのように学び、自分自身をどう成長させていくべきか、が見えてきます。
新規学卒者の会社選びは、業界大手、知名度、安定性、高賃金であろうが、そんな基準はすぐに陳腐化します。かといって、20年後の有望企業がどこであるのかを掴むのは、不可能に近いことです。5年先あたりを考えて、自分がそこで仕事をすれば、プロフェッショナルになる道が得られるか、という視点で考えた方が現実的といえます。
どこかで、一生の仕事の選択、これが自分の生き方、天職だ、と決めるのが決め手となります。
自分が本当にやりたいことは、何なのか
その仕事が好きで、基礎についての素地があり、続けていけそうな気がする
好きであれば、苦にならない
まったくの未経験の分野に挑戦するのも悪くはないが、どのような仕事でも始めてから10年くらいの職務経験がないと、一人前とは言えない。バックグラウンドがあれば、3年程度で、その冒険に時間がかかりすぎるのも問題。国際法務ならば、国内の実定法についての一定の知見が必要
将来的に見てもその仕事のニーズはある
20歳代後半に決める
狡兎(こうと)二穴 賢いウサギは何か危険を感じたときに、逃げ込む穴をあらかじめ2つ用意しているとのこと。私たちも、自分の初めからこれしかないと決めて、それがうまくいかなったら、すべて終わりではさびしい限りである。
今いる会社の労務担当役員、マーケティング・ディレクターを目標にしていくのは、
人としての成長をめざす 出世は結果である
会社での出世を第一優先にする人生を送ろうとするならば、取り組み方はあります。廊下トンビよろしく、社内遊泳術を会得します。上司や関係部署によく思われるよう、こまめに、愛嬌良く振舞えばよいのです。しかし、社長にならない限り、いつまでも誰かに媚を売り続ける生き方をしなければなりません。そして、会社を離れるときは、誰からも相手にされない、ひとりぼっちを覚悟しなければなりません。