
【インタビュー】「きぬちゃんねる」きぬさん Z世代から愛される秘訣
登録者数66.5万人を誇るYouTubeチャンネル「きぬちゃんねる」。インフルエンサー・きぬさんが、美容をはじめ、旅行や買い物、ゲームなど、幅広いテーマで自然体の姿を発信し、Z世代を中心に「憧れの存在」として君臨しています。今回は、きぬさんにインタビューを行い、Z世代から愛される素顔に迫りました。

「韓国コスメ」ブーム前からYouTubeで発信
ーー最初に、きぬさんがYouTuberになったきっかけを教えてください
専門学校2年生の時にYouTubeを始めて、今年で7年目になります。昔からYouTubeをよく見ていて「YouTuberさんに会いたい」って気持ちから始めて、最初の頃はいろいろな動画を出していました。中学生の頃からK-POPアイドルや韓国文化が好きだったので「韓国メイク」の動画を出したら、再生数がとても伸びて。みんなこういうメイク動画が見たいんだなって気がついてからは、自分なりのメイクやスキンケアの情報をたくさん発信するようになりました。
ーー2017年頃は「韓国メイク」ブーム前ですが、その頃から発信していたんですね
はい、まだ韓国メイクについて発信している人が少なかったので、韓国メイクをきっかけにチャンネルを知っていただく機会が増えたのは、運が良かったと思います。

ーー韓国コスメだけではなく、流行のコスメを発信していらっしゃいますが、トレンドをキャッチする秘訣はありますか?
最近は「小紅書(RED)」(中国のレビュー投稿アプリ)をよく見ています。お洋服とか小物とか可愛いものがたくさん紹介されているので、参考にしています。Instagramもよく見ていて、特にチェックしているのは韓国のメイクアップアーティストさんのアカウントです。コスメの写真と一緒にメイクを載せてくれているのでイメージがつきやすいですし、そこで可愛いと思ったアイテムを買っています。
SNS運用戦略について。YouTubeのトレンドは意識する?
ーーメイクのほか、旅行や雑談など幅広く投稿されていますが、YouTube全体のトレンドをどれくらい意識していますか?
私、YouTubeのトレンドを意識して動画を作るってことがあまりないんです。今は流し見できる「長尺動画」が流行っているんですけど、10分に満たない動画を出すことも全然あります。性格的に自分から積極的にトレンドに寄せていくってことができなくて、自分の好きなままに動画を作っています。

ーーメイク、旅行、ゲームなど、動画によって視聴者層や反応は変わりますか?
私のチャンネルの視聴者さんはほとんどが女性で、メイクでもゲームでも、動画によって反応の差はあまりないように感じます。実は、この動画はこの層が見ているとか、YouTubeのアナリティクスをほとんど見ていなくて……もっと見た方がいいのかもしれないんですけど(笑)。
ーー意外です!流行っている企画を取り入れるといった戦略は何かされていますか?
それもきっちり決めていなくて。「きぬちゃんねる」は日常系の動画が多いので、“10万円企画”とか企画色の強い動画はあまり私のタイプに合わないというか(笑)。お買い物したから買ったものを紹介しようとか、「おいしそうに食べる姿が好き」ってコメントをいただいたからモッパン(出演者が食べ物を食べる動画)を出してみようとか。いつも見てくれている視聴者さんは、「このテーマだから興味があって見る」というよりかは、「どんな動画でも私のことを見守っている」というような感覚に近いです。

ーーきぬさん自身に惹かれてファンになる方が多いんですね。コメントもとても多い印象です
毎回、動画を投稿するたびに、視聴者さんからたくさんのコメントをいただけるのは本当にとても嬉しいです。「きぬちゃんの動画を見て毎日仕事がんばっています」とか、「新社会人になって仕事がつらいけど、動画を出してくれたから明日もがんばれる」とかのコメントをいただくと、私もがんばって動画出さなきゃって励みになっています。

企業との「コラボ動画」を出す基準
ーー企業とのコラボ(PR)動画も出していらっしゃいますが、コラボを受ける基準はありますか?
もともと好きなブランドさんや、以前から気になっていたブランドさんからのお話は受けたいなと思っています。ただ、私の場合、メイクやスキンケアでのお話をいただくことが多く、視聴者さんの肌や体に影響が直接あるものなので、好きなブランドさんの場合でも「敏感肌の人は気をつけてね」とか、伝え方にとても気を遣っています。
ーーまだ使ったことがないブランドの場合、受けるかどうかはどのように決めていますか?
事前に、商品を試させてもらっています。試させてもらった時に、たとえば1週間試しても効果が実感できなければ、お断りさせていただいています。あとは、動画で伝わりづらい商品はあまりコラボを受けないようにしています。例えばフェイスパウダーとか、時間が経ったら分かるかもしれないけど動画上で伝えづらい、といったものはあまり積極的にお話を受けていません。
ーーオファーする企業側が心得ておくべきことは何かありますか?
コラボのお話をいただいてから判断まで時間がない時もあるのですが、やっぱり1度は試させていただけるとありがたいです。「今日明日で受けるか決めてほしい」とご連絡いただくと、きちんとお話を聞きたいなと思いつつ、試していない商品をオッケーとはなかなか言いづらくて。できれば、少し時間をいただけると嬉しいです。
ブランド成長、海外展開……今後の展望は?
ーーブランドの立ち上げやムック本の出版など幅広く活躍されていますが、今後挑戦したいことはありますか?

たくさんあるんですけど、洋服ブランドを自分の会社から出しているので、大きく成長させていきたいなって思っています。海外のお客様にもアプローチできるように考えているところです。海外旅行も大好きですし、あまり公にはしてないのですが英会話教室にも通っていて、海外の方とも直接お話できるようになれたらいいなとがんばっています。
あとは、本当に最近のことなのですが、中国語も勉強を始めました。英語の次に使われている言語ですし、話せるようになれたら世界が広がりそうかなって。でも、私すごく小心者なので、動画では喋っている姿を映さないと思います(笑)。それと、やっぱりコスメが好きなので、いつか自分のコスメブランドを出したいです。

きぬさんのSNS・YouTubeアカウント
YouTube:きぬちゃんねる
Instagram:KINU きぬ (@2_5_2555)
X (Twitter): きぬ(@2_5_2555)
ブランドInstagram:made of silk(@made_of_silk__)
Z世代に愛されるYouTubeチャンネルのヒント
✓ 流行の企画やバズを追い求めすぎない
✓ 興味があることに特化し、ありのままを発信
✓ 企業コラボも正直に、本当に良いものだけをすすめる
YouTubeのトレンドをあえて追いかけすぎず、飾らずに自己表現をするきぬさん。「その時に興味があること」を自然体で発信する姿に、ファンは大きな信頼感を寄せているようです。バズ目的の企画動画や企業コラボが乱立する中、目が肥えているZ世代は増えています。企業、クリエイター、ユーザーの3者の距離感が近くなっている昨今、きぬさんのYouTube動画やSNSから学ぶことはこれからも多くありそうです。
電通プロモーションプラスでは、Z世代をターゲットとしたプロモーションの企画・実施やZ世代との共創のサポートをおこなっております。お気軽にお問い合わせください。
お問合せ先はこちら