【リサーチ】Z世代のプロデュースコスメに関する意識調査
人気タレントやモデル、インフルエンサーがコスメアイテムのデザイン、製造、販売などに携わる「プロデュースコスメ」が増えています。SNS上で開発段階からファンに公開し、ファン（＝ユーザー）の声を取り入れながら作り上げていくのが特徴で、今後もこのブームは続いていきそうです。では、Z世代は実際にどんなプロデュースコスメなら買いたいと考えているのでしょうか？
＜調査対象＞
15～34歳の未婚・女性599名
＜調査実施期間＞
2022年8月17日～22日
＜調査方法＞
インターネット調査
Z世代の約半数がプロデュースコスメの購入経験あり
世代によってばらつきがありますが、メイクアップアイテムの使用経験がある人を対象に聞いてみたところ、総計では約半数（49.1％）がプロデュースコスメの購入経験があるという結果になりました。15～19歳では約6割（60.7％）が「ない」と回答している一方、20～24歳は「ある」が61.7％で逆転しています。同様に25～29歳も過半数（52.2％）が「ある」と回答しています。この世代はメイクへの関心の高さだけではなく、プロデュースコスメを手がけるタレントの年代と重なる層でもあるので、憧れや親近感がわくなど興味関心が高まると考えられます。
プロデュースコスメはSNSなどインターネット上で情報が発信されることが多いものの、購入するチャネルは意外にもオフラインの場が多いことが判明。販促活動として店頭で目立つようポップやディスプレイを工夫することも重要そうです。
また、SNSやウェブサイトで情報を発信しても、興味を持ってもらえるだけで確実に購買につながるとはいえません。どこで買えるのかを明確に記載し、店舗のリンクを貼るなどすると実際に「買う」というアクションにつながる可能性が高くなります。
では、プロデュースコスメはどのようなきっかけで購入されるのでしょうか？
こちらも世代によってばらつきが出ましたが、総計の1位は「色みや機能性に惹かれたから」（35.2％）。2位に「プロデュースした人のファンで品質が信頼できるから」（34.8％）、3位に「見た目やデザインが好みだったから」（31.3％）がランクインしていることから、購入する側は開発者のネームバリューだけではなく、品質や色み、デザインも重視していることがわかります。そのため、アイテムが売れるためには開発者の人気に頼るだけではなくしっかり品質が高くデザインにも凝ったアイテムを作る必要があります。次の質問では、さらにそれを裏付ける結果が出ました。
プロデュースコスメはファンしか買わない？
やはり、総計1位は「ファンではないが質が良さそうなので買った」（27.0％）となりました。僅差で2位が「ファンで買ったこともあり、ファンではなく買ったこともある」（26.6％）なので、開発者のファンだと購入するきっかけのひとつにはなりますが、それよりも購入者が重視しているのは「商品が良さそう」という点のようです。
つまり、プロデュースコスメのプロモーションをするにあたっては、「誰がプロデュースしたか」と同じかそれ以上に、どれくらい品質が高いかをアピールすると、ファン以外の人にも興味を持ってもらえるでしょう。
最後に、プロデュースコスメの購入経験がない人に「どんなアイテムだったら購入してみたいと思うか」を聞いてみました。すると、手に届きやすい価格であることを求めつつ、色みや機能、デザインといった商品そのものの魅力を重視していることがわかりました。
リサーチ結果のポイント
Z世代のプロデュースコスメに対する意識について以下にポイントをまとめました。
①開発者のファンではなくても購入を検討している
②購入の決め手は開発者の人気や影響力よりも、品質、デザイン、価格
③購入チャンネルはインターネットよりもオフラインのリアル店舗
プロデュースコスメは開発者の人気や影響力ありきと思われがちですが、それ以上に色みや品質、デザインが問われているということが今回のアンケートでわかりました。つまり、知名度やSNSでの影響力だけを見て「人気の●●にプロデュースをお願いすれば売れる」と考えるのは早計で、ものづくりにもしっかり力を入れないと見向きもされない可能性があるということです。
とはいえ、普段からメイクに関する情報を発信しているタレントやインフルエンサーのプロデュースするコスメなら、自然と「質が良さそう」と思ってもらえる可能性は高くなります。メーカーとしては高品質で低価格というのは難題かと思いますが、メイクに造詣の深い著名人にプロデュースをお願いするというのは、アイテムのイメージアップや話題性につながります。商品開発の参考にしてみてはいかがでしょうか。
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