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おじさん・ザ・エッセイスト 第12回 〜"日本語"を考える〜

"ナウなヤングにモーレツバカウケでチョベリグ"





こんにちは。
おじさんです。




子どもが少しだけ喋れるようになりました。
まだパパ、ママといったような簡単な繰り返しの音を発するだけなのですが、今まさに赤ちゃんから子どもへと移り変わろうとしている様子を間近で見届けることができ、父親としてとても喜ばしく思っています。

人と人とが意思疎通を図る上で、言葉というものは欠かせません。
これから先、我が子が誰かに自分の気持ちを伝えたい時、どんな言葉を紡いでいくのか。
そんな事を考えながらゆっくりと言葉を教えていこうと思います。


今回のテーマは「日本語」です。




我が国の識字率は100%と言われています。

その理由は義務教育制度が徹底されているところにあるでしょう。
日本国憲法には、教育を受ける権利を保証する旨が記載されています。
小中学校で9年間の学校教育を経ることにより、児童の語学面での逸脱を防ぐことができます。

実際、どんな田舎の出でも読み書きくらいはできて当たり前なので、一般的な認識としてはそれで間違いはないのでしょう。

ですが、果たして本当にそうでしょうか?


「ら抜き言葉」や「さ入れ言葉」等、日本語の乱れが叫ばれて久しい昨今ですが、これは何も若者に限った話ではありません。

・的を得る
・間髪を容れる
・一段落
・姑息
・確信犯
・間が持てない

などのように、誤用が広まることで語句の本来の読みや意味を塗り替えてしまうのも言語にはよくあることです。
どちらが正しいのかが分からなくなり、「諸説あります」の一言で濁された言葉がどれだけあることでしょう。

そういった変化も含めて言語、それは否めません。
ただ、間違っている事が正しい事にすり替わるというのはどうにも腹落ちしません。
物書きのはしくれのおじさんとしては由々しき事態だと思っています。


SNSを見回すと、言い回しの間違いや誤字・脱字まみれの文章がそこら中に転がっています。
あるいは、読点・句読点の過不足で非常に読みにくい。
語彙力や言葉に関する知識が足りていないのもさることながら、恐らくは投稿する前にざっと校正するという習慣が無いのでしょう。
ただでさえ難しい言語であるのに、直しもせずにGOサインを出してしまうのだからさもありなん。

この惨状を見ていると、現代人に日本語は難解すぎるのではないかとさえ思えます。

日本語の文章はひらがな50音、カタカナ50音、漢字と送り仮名により構成されています。
基本となる単語・熟語と慣用句に加えてカタカナ語やビジネス用語など、時代背景によって様々な単語が次々と生まれてくる訳ですから、言語として習得してからも応用力を問われることになります。

例えば「かんしょうする」という文句ひとつ取っても
①鑑賞する
②干渉する
③完勝する
といったように、言葉によっては同音異義語の中から場面に相応しいものはどれか、と選ばなければなりません。
文脈に応じて漢字を使い分けて音を差別化する、言語としては異質なシステム故に日本語は難しいのです。
そんな言語ですから、日本語は外国人が習得するのに苦労するというのはよく聞く話なんじゃないでしょうか。

要するに、日本語って欠陥言語なんですよね。
ですがその分、使いこなせたらカッコイイ言語だとおじさんは思っています。


小学生の頃に、「てにをは」と習ったのを覚えていますでしょうか。
◯◯□□が△△に××◎◎…といった具合に、言葉と言葉の繋ぎに用いる助詞の総称です。

この日本語の文法において重要な役割を持つ「てにをは」をなおざりにしているのが現代の日本人といえます。
正しい語句を当てはめ、きちんと文章を組み立てるといった当たり前のことが出来ていないのでしょう。
特に現代の若者は「ヤバい」「エモい」「エグい」などといった簡易的で抽象的な言葉に頼った鳴き声のようなコミュニケーションをする傾向にありますから、美しい日本語とはどんどん縁遠くなってしまっているといえます。

細やかな心理描写をするための言葉や表現技法が日本語にはたくさんあります。
そしてそういった美しい日本語というのは、深く正しい知識に基づき組み上げられた文学からしか得ることはできません。
ですから本を読んで語彙力を高めるのは、日本語を使うに当たって非常に重要なのです。

…そう言うおじさん自身は滅多に本を読まないんですけどね。
おじさんはまぁ、単に日本語が好きなので。


◼️よくある間違い     誤 → 正

うる覚え →    う覚え
〜せざるおえない →   〜せざる得ない
悪魔で →   飽くま
永遠と →   延々
一様 →    一
ふいんき →    ふんいき(雰囲気)
〜づつ →    〜
〜しずらい →    〜しらい(し辛い)

些細なことかも知れませんが、気になる人からしたらもう気になって気になって仕方がないのが言葉の間違いです。

聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥といいます。
気付いた人から少しずつ直していき、美しい日本語を話せる人が増えるといいですね。


それでは、今回はこのへんで。


author,  P
2023/6/8

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