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オルカンって何か知ってる? 投資信託の目論見書を読んでみよう

Mako Finance Cafeという名の金融勉強会の時に「オルカン」への理解を深めるべきかなって思いました。

丁度良い機会だから、投資信託の目論見書(もくろみしょ)を例題に、知らない用語の整理をしておきました。

今日の記事は、生徒さん用へのテキストです。



本書の内容を十分にお読みください

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)という商品名の投資信託を例に挙げます。この投資信託の目論見書を読んでみましょう。

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
目論見書 1ページ目


目論見書の1ページ目に、「ご購入に関しては、本書の内容を十分にお読みください」と書いてあります。だから一緒に読みましょうね。

でも、知らない単語が多すぎて、日本語とは思えないくらいチンプンカンプンです。だから、私が知っている範囲で、いくつかの用語を補足してみます。

Questionの抽出

Q1:販売会社とは何ですか?

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
目論見書 1ページ目

これも同じ目論見書の1ページ目です。

Q2:委託会社とは何ですか?
Q3:受託会社とは何ですか?

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
目論見書 1ページ目

続いて、これも同じ目論見書の1ページ目です。
Q4:インデックス型とは何ですか?
Q5:対象インデックスとは何ですか?
Q6:投資形態ファミリーファンドとは何ですか?


Questionの回答

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の目論見書1ページ目から6つのQuestionのピックアップしました。

Q1:販売会社とは何ですか?
Q2:委託会社とは何ですか?
Q3:受託会社とは何ですか?
Q4:インデックス型とは何ですか?
Q5:対象インデックスとは何ですか?
Q6:投資形態ファミリーファンドとは何ですか?

では、これより回答と解説を書いていきます。


支払い先の会社形態

販売会社、委託会社、受託会社とは目論見書には下記のように書いてあります。

今回の投資信託eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の場合、支払い先会社は下記のようになります。

委託会社:三菱UFJアセットマネジメント
販売会社:楽天証券、SBI証券、郵便局、銀行など
受託会社:三菱UFJ信託銀行

なお、一般的に、委託会社のことを運用会社、受託会社のことを管理会社とも言います。

投資信託は信託報酬料の安いものを選ぶことが常識ですが、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の信託報酬料は、業界最安値の0.05775%です。

この手数料を、3つの会社に配分して、これが各会社の儲けとなります。

投資信託の話をしていますがETFとの違いもしっかっ理解しておきましょう。

おまけの質問:
全く同じ投資対象なのに、投資信託より、ETFのほうが手数料が安いのはなぜでしょうか?

おまけの質問回答:
投資信託は購入時に購入手数料を取ります。信託報酬の配分も取っています。ETFはその両方を払う必要がありません。だから安いのです。

2024年11月現在、ETFと投資信託の差はとても小さいので、投資信託でもOKです。数年前までは、購入時手数料、信託報酬料に大きな差があったので、私はすべてETFで保有していました。

現在は、私は住民税非課税なので、外国税額控除がデメリットになるため、ETFを売却して、同じ投資対象の投資信託に買い換えました。


インデックスとは

インデックスとは指数という意味です。インデックスファンドとは指数連動投資信託のことです。

対するものとして、アクティブファンドがあります。これは、指数以上の運用成績を目指して投資をするファンドのことです。

全世界を対象とした株式指数としては、有名なものが2つあります。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)とFTSEグルーバル・オール・キャップ・インデックス(FTSE GACI)の2つ。

なお、MSCIとFTSEは会社名です。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)とFTSE(フィナンシャル・タイムズ・ストック・エクスチェンジ)の略。どちらも指数(インデックス)を提供する企業です。

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するインデックス型投資信託で、世界中の株式に分散投資できるのが特徴です。世界経済をまるごと買うイメージなので、初心者にも人気がある投資信託です。


MSCI ACWIとFTSE GACIの違い

どちらも世界株式市場の動向を示す株価指数(インデックス)ですが、対象とする企業やカバー率、銘柄数などに違いがあります。

MSCIは投資対象の企業としては、大型企業と中型企業を対象としていますが、FTSEは大型・中型・小型企業が対象となっています。 そのため、時価総額のカバー率がFTSEの方が高くなっています。


MSCIはアメリカの会社で、FTSEはイギリスの会社です。

MSCIが世界の時価総額のうちの約85%をカバーしているのに対して、FTSEは世界の時価総額のうちの約98%をカバーしています。

でも、どっちでも一緒。
どっちでも「オルカン」とだけ理解しておけばオッケーです。


ファンドの仕組み

Q6:投資形態ファミリーファンドとは何ですか?
目論見書の下記図をご覧ください。

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)はベビーファンドです。上位に3つのマザーファンドが存在していて、運用は主に3つのマザーファンドで行っています。


オルカンとは?

私が経済指標としてオルカンの運用率と個人資産運用率を比較しましょうと生徒さんたちに言いました。

その時、私はオルカン運用率にVT騰落率を用いました。VTとはバンガード社のETFのティッカーコード。バンガード・トータル・ワールド・ストックETFのことです。

ここでのオルカンは株式に投資しているオルカンのことです。他にも債券オルカン、不動産オルカンなどもありますが、株式投資のことを指しています。

そして、オルカンを表現するために、
①インデックスと②ETFと③投資信託の3つがあります。

①インデックスは、指標のこと。
②ETFは、上場投資信託です。
③投資信託は、商品名のことです。

①インデックスは、大きく2つでMSCI ACWIとFTSE GACI。
②ETFは、有名なティッカーコードはACWIとVT。
③投資信託は、20〜30ほどありますが、有名なものはeMAXIS Slim全世界株式、SBI全世界株式インデックスファンド、楽天全世界株式インデックス・ファンド といった商品名です。

②ETFのVTはFTSEを対象インデックスに連動を目指して、ACWIはMSCI を対象インデックスに連動を目指しています。

③投資信託の連動対象インデックスは、eMAXIS Slim全世界株式はMSCI ACWI、SBI全世界株式インデックスファンド、楽天全世界株式インデックス・ファンドはFTSE GACIにしています。

これらの意味不明なアルファベット用語をひっくるめて、「オルカン」と呼んでいます。オルカンは世界すべての株価推移を見ているって意味で使っています。どれでも一緒です。

わかっていても、わかってなくても、オルカンといえば全世界を対象に投資しているファンドなんだな〜ってくらいの理解でオッケーです。

上記文章を表にまとめると下記の通りです。

SBI証券HPの投資信託検索で、
全世界株式で販売金額上位のものをピックアップ


興味を持った方には個別ZOOM相談の時間でレクチャーしますので連絡ください。

では、次回のMako Finance Cafeで会いましょう。


経済指標を使った個人資産管理

下記、記事が参考になると思いますので、ご一読ください。



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まこさん
フィリピン、セブ島のNPO法人DaredemoHeroへ寄付します。 私の人生に大きな転機となった団体で、里親支援を続けています。 子どもたちの大学卒業までの学費支援等、教育資金に活用させていただきます。 ホームページ→ https://daredemohero.com