組織運営において、”エコ贔屓”と”底上げ” どっちが好き?
経済用語に、トリクルダウンって言葉があります。
聞きなれない単語ですが、11/6朝日新聞の天声人語に登場した単語です。著者はトリクルダウンに否定的な手記を書いていました。 私は、そうは思わないな〜って感じながら楽しく読みました。
会社の組織において考えてみましょう。
あなたは、ある営業組織の支店長です。あなたの管轄する支店には50人のチーム員がいるとします。来年のプランニング会議において、現状のままでは、目標金額が未達成になってしまう。今のうちから対策を実行しよう、って時にどう指示しますか? ”社員のレベルアップ、底上げ対策” をしますか?
組織運営において、”底上げ” って言葉が使われますよね。低いレベルの社員に集中投資することで、組織式全体のレベルアップさせる施策に使うビジネス用語です。
反対に、高いレベルの集団をさらに向上させる時に使用するビジネス用語には、”エコ贔屓” と言われます。
ここで言うところの、高いレベル、低いレベルというのは、営業成績、目標達成率のような数値化されるものから、リーダーシップ、発想力のような数値化しにくいスキルに至るまで、社員に順位づけをすることを指しています。
さて、実際には、そんな生々しい単語は使わずに、
”底上げ”は、階層別研修とか、〇〇育成プログラムとか、〇〇集中合宿とか
”エコ贔屓” は、グローバルトレーニングとか、ジョブローテーションとか
経済用語のトリクルダウンは、ビジネス用語だとエコ贔屓に相当します😱
特定の集団に、十分な情報と環境要因を優先的に与えることにより、国全体、あるいは組織全体の利益になるという考え方ですね。
特定の集団とは、トリクルダウンだと富裕層、エコ贔屓だと幹部候補エリート集団 を指します。
サッチャーさんが、富裕層への税制優遇などトリクルダウンを進めました。でも、天声人語を始め、経済的には、肯定する人は少ないようです。 エコ贔屓も同様に、否定派が多いですね。
やはり、トリクルダウン=エコ贔屓 という表現で間違いなさそう(無理矢理こじつけ😅)
現在の日本経済において、この理論が、賛成か反対かは、論議のすべき面白い話題だと思います。しかし、私は、知識がないので、日本経済の話は、今回は置いておきます。
私は、会社での営業部隊の組織運営としては、得意分野ですので、エコ贔屓(特定に社員に対するプログラムを実施すること)について考えと経験を書こうと思います。
◇ ◇
私は、組織運営において、エコ贔屓が好きです。
多くの会議において、目標金額未達社員対策に、時間と経費が使われることが多いです。 優先的に、低いレベルに投資して、”底上げ” を期待して、組織全体の売り上げ目標を達成する方法です。
しかし、私の組織では、売り上げ目標金額を達成するためのプランニング会議において、対策として、”エコ贔屓”プランを盛り込みます。
その理由は、下記グラフを説明します。
この図の見方は、対策前のAverageが、エコ贔屓対策の方が、底上げ対策より、向上した との結論を表しています。
底上げ対策で低いレベルの社員へのプログラムを実施すると、それなりの成果が出ます。しかし、あくまでも、それなりです。
エコ贔屓対策で、高いレベルの社員へのプログラムを実施すると、大きな成果が出ます。組織を牽引する成果です。
この2つの差は、低いレベルの社員は、ポテンシャルが小さく、精一杯努力しても、それなりです。一方、高いレベルの社員は、ポテンシャルが無限大で、育成すればするほど、限界値を超えて大きな成果を出します。
低いレベルの社員がちょっと頑張ったくらいでは、組織への影響は少ないですが、高いレベルの社員の大きな成果は、中堅どころの社員が、どんどん真似して、追随することが起き始めます。組織の活性化に、素晴らしい社風を生み出します。
反対に、エコ贔屓対策のデメリットとしては、成果による格差が広がります。
私は、この格差が好きです。みんなが同じような活動をしていると、クリエイティブな発想は生まれにくいものです。厳しい雰囲気は、生き残りをかけた活性化を生み出します。
では、格差がついた低いレベルの社員はどうするか?
やる気があって、成果が出ない社員は、別のプログラムを用意して、育成プランを実行します。しかし、やる気がない社員は、切ります。民間企業ですからね。
あなたは、支店長だったら、
”底上げ対策”、それとも ”エコ贔屓対策” でしたか?
◇ ◇
トリクルダウンに話を戻します。
組織で言うところの格差は、国民においては、貧富の差になります。
切ってしまえ、とは、流石にできないので、トリクルダウンに否定的な経済学者が多いのでしょう。
経済用語のトリクルダウンを、組織においての”エコ贔屓”に、こじ付けて考えてみたので、無理矢理感が否めない記事となったしまった感じ、、、。