才能は他人にコントロールできない
才能の大切さは、指導する立場の人間もされる側の人間もどちらもわかっています。
ですが、自分の才能は何ですか?部下の才能は何ですか?と聞かれてハッキリと答えられる人は少ないと思います。
大切なのに、自分自身でもそして周囲の人もなかなか気づくことができないものです。
才能とはいったい何なのか、どうやって気づいてもらえばいいのか、スラムダンクの田岡監督がそのヒントを与えてくれています。
才能は名コーチでも伸ばすことができない?
陵南高校魚住君は3年生で主将となり、怪物と言われるようになりました。
しかし1年生の頃は、フットワークが苦手でよく田岡監督から怒られ、先輩からはバカにされていました。
回想シーンで、魚住君が「もう辞めます」と田岡監督に苦しい胸の内を打ち明けます。
その時、今まで鬼のように怖かった田岡監督が優しい顔になって、自分の夢を語り出します。
田岡:この田岡茂一が陵南の監督に就いて10年ー
初めて今年 チームの中心になれる男を得たんだ
それはお前だ 「ビッグ・ジュン」
でかいだけ? 結構じゃないか
体力や技術は身につけさすことはできる・・・だが・・・
お前をでかくすることはできない
たとえオレがどんな名コーチでもな
立派な才能だ
【SLUM DANK新装再編版12巻P133〜P134】
田岡監督はすでに見抜いていました、魚住君の才能を。
だから誰よりも厳しく指導されていたんです。
また田岡監督は魚住君以外の選手の才能も見抜いています。
越野君へは「一番負けん気が強く チームを盛り立てる越野」
植草君へは「ミスが少なくバスケットをよく知ってるPGだ」
「負けん気」も「よく知る」ことも教えることはできません。
【SLUM DANK新装再編版11巻P39〜P40】
また海南大附属の高砂監督も、神君の隠れた才能に気づきました。
高砂:あいつは内に秘めた闘志と・・・・・・
キレイなシュートフォームを持っていた
【SLUM DANK新装再編版9巻P96】
彼らはそれぞれの高校に入る前から、自分の才能を持っていたはずです。
その才能に気づいた田岡監督と高遠監督は、それぞれが持っていた才能を伸ばして、チームに必要な存在にまで高めました。
選手と監督がお互いに努力し、認め合った上での成果です。
どのポジションが空いているか?
とはいっても「ウチの仕事は皆同じ業務をこなす単純作業がメインだ!いちいち才能なんて気にしていられない」と言う方もいらっしゃるでしょう。
確かに世の中には皆同じ仕事をする単純作業や、ライン作業などもあります。
それでも、やはり得意不得意というのは人間誰しもあります。
私も以前ある物流会社で働いていた時のことです。
その会社は単純作業がメインの仕事をしていました。
私は単純作業が苦手な挙句、ペースも人一倍遅く、ノルマの半分くらいしか上げることはできませんでした。
普通ならクビです(笑)
ですが、朝礼で責任者が「みんなお互い気配りせなあかんやろ。だから全体の仕事が遅くなるんや」といつも怒鳴っていました。
そして休憩室や作業場の隅っこの方では作業員達が「何で私らがそんなんせなあかんねん」「それやったらお前やったらええやん」といつもグチが飛んでいました。
そこで私は作業しながら全員が動きやすいようにモノを片付けたり、備品を素早く補充したりなどの裏方に回りました。
そうすることで、全体もスムーズに回ることができました。
私も数字が上がらなくても、「全体のフォローをしていますから」と言い訳ができました(笑)
こうすることで私は単純作業しながら、全体のサポートをするというポジションを獲得しました。
私には「全体を見渡せる能力」があったのです。
気配りすることで、その能力を活かすことに成功しました。
責任者も浅田の役割を理解してくれ、普通にやっていたら1ヶ月でクビのところが、その物流会社でトータル7年半も働くことができました。
才能は他人にコントロールできない
魚住君の身長も越野君の負けん気も、陵南に入る前から身につけていました。
神君の内に秘めた闘争心とキレイなシュートフォームも、海南に入る前にすでに身につけていました。
そして才能とチームの課題が一致した時に、大きな役割を発揮するのです。
もし人の才能が見つからない、そういったことで悩んでいたらチーム(組織)の課題は何か?
課題はパズルでまだ埋まっていない穴みたいなものです。
その穴に、どんなピースが当てはまるか?
そのピースこそ、才能です。
在籍しているメンバーの中にピースは必ずいるはずです。
是非ピースを探すことをして欲しいです。
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