3つの条件が揃えば、チームは強くなる
・みんなスゴイ能力があるはずだけど、いまいちまとまらない
・これだけ遅刻者、欠勤者が増えると、真面目にやってる人がヤル気をなくす
・文句ばっかり言わんと、少しは会社のことも考えろ
・〇〇さん、一向に本数が上がってこない。何やってるんや!!
これだけ個性や価値観が尊重されだすと、逆に組織やチームがまとまらなくなってきたという話も聞こえてきます。
一緒に働くメンバーの個性が認められている時は、そしてそれが数字などの成果として表れている時は、チームの状態がとても良い時です。
働いているメンバーも、仕事をしてとても楽しいでしょう。
ただ個性が認められ時や成果ばかり問われた時、チームのバランスが崩れてしまいます。
前回は「チームが力を発揮する目標とは?」というテーマで書きました。
個人が共通の目標を持つことで、チームは力を発揮します。
今回は共通の目標を持っているという前提で、湘北メンバーの個人の能力や資質を、どうやってチームの力に変えてきたのかを見ていきます。
秀でていることを言葉で表す
インターハイ2回戦の湘北VS山王工業戦、ラスト2分というところで、湘北の安西先生は言葉をかけます。
安西:桜木君がこのチームにリバウンドとガッツを加えてくれた
花道:ぬっ!?
安西:宮城君が スピードと感性を
三井君はかつて混乱を
ほっほっ・・・・・・のちに知性ととっておきの飛び道具を
流川君が爆発力と 勝利への意志を
赤木君と木暮君がずっと支えてきた土台の上に これだけのものが加わった
それが今の湘北だ
【SLUM DANK新装再編版20巻P17〜P19】
個性の強い集まりが、いつの間にかとてつもないチームになっていました。
これまでの湘北は、赤木君が主体のワンマンチームでした。
言ってみれば、バスケットボールをしに集まっている集団です。
学校のクラスやサークル、ちょっとしたコミュニティーが当てはまります。
では集団からチームになるためには、何が必要なのでしょうか?
メンタルコーチがチーム作りをサポートする上で、3つの条件があります。
⑴達成すべき目標が、チームで共有されている
⑵相互依存の関係にある(協力関係)
⑶各メンバーに明確な役割がある
これを今の湘北に当てはめます。
⑴・・・全国制覇
⑵流川君がパスを出したり、赤木君が三井君を生かしたり、花道君のリバウンドを信じて3ポイントシュートを打つという協力関係
⑶安西先生のセリフ
⑴に関しては、もともとレギュラー選手はできていました。
⑶は試合を重なるごとに明確に、かつ確実にできるようになってきました。
⑵が山王工業というとてつもないチームを目の前にして、ようやく形としてできるようになってきた感じです。
個の能力が高いメンバーが、チームとしてまとまっているのが明確に言葉で分かったことで、最高の心理状態で山王工業に向かっていけるようになりました。
あくまでチームありき
チームでは、自分の役割を明確にし、何度も皆と考えをすりあわせ、どのようにしたら自分の力を伸ばしながらチームに貢献できるか、その考えを皆で共有することが大事なのです。(中略)
人間の脳は相手がいることで力を発揮する仕組みになっているということです。
【〈勝ちつづけるチームを作る勝負強さの脳科学〉より】
特に入部したての花道君は、かっこいいダンクばかりにこだわっていました。
そんな花道君に赤木主将は何度も怒鳴りながら、パス、ドリブル、シュートの基礎を必要性を叩き込みました。
そして彼の飛び抜けたジャンプ力に目をつけ、赤木主将はリバウンドを教えます。
当初は嫌がっていた花道君も、リバウンドが自分のチームにどれだけプラスになるか、相手チームにとってどれほど嫌なものかを試合を通して学んでいきました。
そうすることで、花道君のリバウンドは湘北の武器の一つとなっていきました。
あなたはチームに〇〇を与えている
会社の大小に関係なく、様々な人がそのチームに絡んでいます。
必ず何かしらの縁があって、人は出会っています。
きっちりと目に見える数字や成果を出してくれる人に関しては、大丈夫でしょう。
大事なことは、目に見えにくい貢献をしている人や、まだ大きな成果を出していない人たちです。
このような人たちに、「まだ今日一本も取れていません」「もっとパパっと作業終わらせられませんか?」と言っても、効果は出ないでしょう。
それどころか余計にやる気を無くして、余計に成果が出なくなったり、作業が遅くなってしまうことにもなりかねません。
「〇〇さんの元気のいい挨拶で、みんながいい気分で朝を迎えている」
「△△さんが話すと、なぜか場が和む」
数字で表せないなら、数字以外のことを言います。
そしてそれがチームにどうプラスの影響を与えているか。
それを伝えることで、「自分はこのチームの役に立っているんだ!」という安心感や自信が生まれ、それによって目に見える成果につながっていくのです。
もし仮に仕事内容が合わなくて辞めることになっても、自尊心が崩れていなければ、次の職場で必ずやっていけるはずです。
全員が同様の数字や目に見える成果を上げてくれたら、これほど良いことはないでしょう。
そこに行き着くまでが大変なのです。
改めて湘北からのチーム作りの基礎を3つ見てみましょう。
⑴達成すべき目標が、チームで共有されている
⑵相互依存の関係にある(協力関係)
⑶各メンバーに明確な役割がある
この3つのうち一つでも欠けると、チームのバランスはおかしくなります。
逆にこのバランスが取れていれば、現時点では思ったほど成果が出ていなくても、未来では必ず思っている成果が出ているはずです。
この3つを共有するところから、改めて始めてみることをお勧めします。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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