Les Misérables
今更ながらに観ました。
以前、物語の終盤に差し当たる所までは一応観たのですがそこから先は訳あって観れずじまいでした。
Netflixで配信されたので観ないわけにはいかないと。
全登場人物が己の大切な物を守る為に懸命に生きて必死に戦ってるというのが映画全体を通してひしひしと伝わってきた。
ジャンバルジャンとファンティーヌはコゼットを。
ジャベールは己の正義を。
テナルディエ夫妻は生活を。
エポニーヌはマリウスとコゼットを。
ガブローシュ含めABCの友は未来を。
各々のやり方で明日に希望をつなぐ為に頑張る姿が本当にかっこよかった。
フランス革命という激動の中を進んでいく彼等を歌を通して、例え歌詞の意味がわからなくても声や音楽に乗って表現している素晴らしい構成だった。時間は3時間弱と長めな映画に含まれるとは思うが、どのシーンもダレる事なく濃い内容で中盤から終盤にかけて涙が止まらなかった。
ここから先はネタバレを含みます。
注目して欲しいのはエポニーヌ。
彼女の悲恋は既に散々語り尽くされているけれど、それでも一見の価値あり。
悲恋の切なさ悲しさではなくて、彼女の強さを観て欲しい。
マリウスに片思いしていたエポニーヌは彼がコゼットに一目惚れするところを目撃する。マリウスはそれ以来、ABCの友の会合でも浮き足立っていて、自分を慕っていると知っているエポニーヌにコゼットの居場所を教えてくれと頼む始末。エポニーヌはコゼットを妬む事なく一心にマリウスの幸せの為にコゼットとマリウスを引き合わせた。コゼットで頭がいっぱいなマリウスに代わってエポニーヌはフランス革命に備えて腹をくくった。そのシーンが本当にエポニーヌの強さと純真さを表現していて胸が苦しくなった。
その後葬式の列をジャックするABCの友だが、マリウスが柩車の上で旗を振っているところをその側で見守る彼女。どこまで清らかなんだ。
その最期もマリウスを庇っての死。彼女は決して妬みもせずただ一途にマリウスを想っていたのだ。
本当にエポニーヌの最期には言葉では表現できない感情が込み上げてくる。
決して軽い内容ではないけれどそれでも観ることができるのはミュージカル映画であるからではないだろうか。