[61.9mm]北陸のヒラタもなかなか立派
標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ Dorcus titanus
【サイズ】 61.9㎜
【採集場所】福井県小浜市
【採集日時】2020年6月27日9:00
【採集方法】Looking採集(河川敷のヤナギ類)
【採集者】 Y. T.さん
ヒラタクワガタは南方系のクワガタです。雪深い北陸のヒラタクワガタは全体的に小型個体が多いのは間違いないのですが、この個体は60ミリを超える立派な個体です。細身ですが大アゴがすっと前に伸び、内歯のギザギザが美しい。
このヒラタクワガタは、Tさんがお子さんと一緒に河川敷のヤナギ林で採集されました。
私が木曽三川公園で勤務していたころ、揖斐川の河川敷にボートを出しに行ったときのことです。ヒラタクワガタがカニと戦っていたのです。ヤナギの洞に陣取ったオスのヒラタクワガタがそこに入ろうとするカニとバトルを繰り広げていました。クワガタがカニと戦うなんて!思わず見入ってしまいました。クワガタの大アゴとカニのハサミがガチガチと当たって音が鳴ります。なんと先に洞の入口を陣取っていたヒラタクワガタが大きなアカテガニを退けました。洞を守り切ったのです。ウルトラマンが怪獣と戦っているようでした。
ん??どっちがウルトラマンなのか??
そりゃクワガタがウルトラマンです。
黒いですが…笑
Tさんは、息子さんの影響でクワガタ採集を始められました。お子さんが幼稚園児のときにクワガタに興味を持ち、小学校3年生の夏休みの自由研究でクワガタ標本(20頭ほど)を提出!
絶頂期だったそうです。それが5年生になるとクワガタへの興味はどこかへ…。
ただ、お父さん(Tさん)は違います。今でもクワガタ採集と飼育を楽しまれているようです。きっかけがお子さんだなんて素晴らしい(笑)
今まで河川敷で採集したヒラタクワガタの最大サイズは63ミリを超えていたそうです。いつか65ミリ越えを手にできるかもしれませんね。
標本の出来栄えについてマイナス点ありです。爪先がキッチリと伸ばせていません。
伸ばしにくい(癖のある)個体もあって爪先はいつも苦労します。
このヒラタクワガタも、いつの日か爪先を伸ばす為に再展脚したいと思います。
まだまだ先の話になりそうですが…
【執筆者:川原 洋】