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【放置すると悪化確定】テニス肘の痛み軽減する正しい治療手順
こんにちは、理学療法士/スポーツトレーナーの中川です!
今回はテニス肘についての記事を書かせていただきます。
「痛みが消えない…」
「もうラケットを握るのもつらい…」
「これ以上悪化したらどうしよう…」
もし、あなたがこんな不安を抱えているなら、
今すぐにでも行動を起こすべきです。
「テニス肘?ただの疲れでしょ?」
そう思って放置していませんか?
実はそれ、 危険信号 かもしれません。
テニス肘(外側上顆炎)は、単なる「使い過ぎ」ではありません。
適切なケアを怠れば、次のような深刻な状況に陥る可能性があります。
慢性的な痛み:朝起きた時やふとした瞬間にズキッとくる痛みが、半年以上続くことも。
握力低下:ドアノブを回す、ペットボトルを開ける、日常生活の小さな動作さえ苦痛になることもあります。
可動域低下:肘の曲げ伸ばしが制限される
競技復帰の困難さ:ラケットを握るたびに痛みを感じ、練習すらままならない…。
他の部位への負担増加:肘をかばうことで、肩や手首まで痛みが広がるケースも少なくありません。
怖くないですか?
さらに恐ろしいのは、痛みが一度「慢性化」してしまうと、治療に何カ月、場合によっては何年もかかることがある点です。
「時間が経てば治るだろう」なんて甘い考えで放置すると、競技人生だけでなく、日常生活そのものに大きな支障をきたす可能性があります。
でも、ここで安心してください。
これからUPしていく記事では、
科学的に証明された治療戦略、セルフケア術 をお伝えします。
この方法を取り入れれば、痛みを確実に軽減し、根本から症状を改善する道が見えてきます。
もう「どうしよう…」と悩む必要はありません。
この記事が、あなたにとって 解決策 になるでしょう。
最後まで一言一句理解し、今日から実践していきましょう!
テニス肘、外側上顆炎とは?
テニス肘、正式名称「外側上顆炎」。
肘の外側に「コリコリ」とした骨の出っ張りを感じたことはありませんか?
それが「外側上顆(がいそくじょうか)」です。
この部分には、手首や指を動かすための筋肉が集まっていて、私たちの腕の動きにとって欠かせない場所なんです。
ここは、手首や指を伸ばすための筋肉、短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋、総指伸筋という筋肉がついている重要なポイントです。
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なぜテニス肘になるのか?
「テニス肘」は名前の通り、テニスをしている人に多い症状ですが、その発生メカニズムを知ると、「なるほど、だから痛むんだ!」と納得できます。
実は、テニス肘の発症には体の使い方や道具の選び方が深く関係しているのです。
① 繰り返しのストレスが腱を疲労させる
まず、テニス肘の最大の原因は「同じ動作の繰り返し」です。
例えば、テニスでよく使うバックハンドストローク。
この動きでは、ラケットを振る際に肘の外側にある腱(短橈側手根伸筋腱など)に「引っ張られる力(牽引力)」が集中します。
この力が何度も繰り返されることで腱が疲労し、小さな損傷が積み重なります。
さらに、握力を強く使うラケットのグリップ動作や、振り抜く瞬間の衝撃でも肘外側の筋肉と腱に負担がかかります。
結果として、筋肉や腱が限界を迎え、炎症や痛みにつながるのです。
② 不良フォームや過剰な力みが負担を倍増させる
痛みが出る人の多くに共通するのが、「体をうまく使えていない」という問題です。
例えば:
手首を多用しすぎてしまう
肩や体幹(お腹や背中の筋肉)をうまく使えず、腕だけでスイングしてしまう
これらの動作が原因で、肘に余計な負担が集中してしまいます。
つまり、全身を使う「正しいフォーム」で打てていない 状態なのです。
特に「過剰な力み」が加わると、さらに事態は悪化。
腕全体が固くなり、衝撃を吸収できなくなった結果、肘へのダメージが増大します。
③ 道具や環境の影響がトリガーに
テニス肘を引き起こす原因は、体の使い方だけではありません。
使っているラケットやガットの調整が適切でない場合、負担が増えることがあります。
例えば:
重すぎるラケット:スイング時の負荷が増大し、肘に過剰な力がかかる
硬すぎるガット:ボールを打つ瞬間の衝撃がダイレクトに肘へ伝わる
合わないグリップサイズ:握力を過剰に使うことで腱に負担がかかる
さらに、練習や試合の長時間化もリスクを高めます。
十分な休息を取らないまま負荷をかけ続けると、腱の回復が追いつかなくなります。
④ 肩甲骨のスタビリティー低下も影響する
テニス肘の痛みが肘に集中しているからといって、実は原因が肘だけにあるとは限りません。
体全体の連動性に目を向けると、肩甲骨の安定性(スタビリティー)の低下が影響しているケースも少なくありません。
肩甲骨は、肩や腕を自由に動かす土台のような存在です。
この肩甲骨がうまく動いていないと、腕や肘にかかる負担が増え、結果的に肘の腱が悲鳴を上げることに。
例えば:
肩甲骨を支える筋肉(僧帽筋、前鋸筋など)が弱いと、体幹と腕がスムーズに連動しない
腕を動かす際のエネルギー伝達が悪くなり、肘に余計な力が集中
「肩甲骨なんて関係あるの?」と思うかもしれませんが、実際には肘の健康を支える重要な役割を担っているのです。
放置すると悪化するテニス肘の危険性を知っていますか?
「そのうち治るだろう」
もしあなたがそう考えているなら、それは大きな間違いです。
テニス肘(外側上顆炎)は、放置することで慢性化し、日常生活だけでなく競技生活にも大きな影響を及ぼす危険な症状です。
ここでは、放置することで何が起こるのか、そしてなぜ早めの対応が必要なのかをわかりやすく解説します。
痛みが慢性化するメカニズム
テニス肘の痛みは、ただの「炎症」ではありません。
炎症が長引くと、腱の組織が変化し始めます。
どう変化するのか?
それは「柔軟性のある腱」が「瘢痕組織」という硬くて伸びない組織に置き換わること。
この瘢痕組織は腱本来の機能を果たせないため、次のような状態を引き起こします:
日常的な痛み:肘を動かすたびに違和感や痛みを感じる
再発のリスク増加:少し無理をしただけで、また痛みが戻ってくる
一度慢性化してしまうと、短期間での改善は難しくなり、長い治療期間が必要になるのです。
筋力低下がさらなる悪化を招く
痛みがあると、人は無意識にその部分を「かばって」動かします。
これ自体は自然な防衛反応ですが、これが続くと 筋肉を使わなくなる=筋力が低下する という負のスパイラルに陥ります。
例えば:
手首や肘の筋力低下:痛みをかばうあまり、伸筋群(短橈側手根伸筋など)が使われなくなる
筋力低下が肘への負担を増大:筋肉が支えきれなくなった分、腱に負担が集中
この結果、痛みがさらに悪化し、最終的には「ドアノブを回す」「ペットボトルを開ける」といった日常的な動作さえ困難になることがあります。
競技復帰が難しくなる理由
「痛みさえ治まればまたプレーできる」そう思っていませんか?
でも、それは甘い考えかもしれません。
放置されたテニス肘は、単なる炎症から 腱の変性 という状態に進行します。
変性した腱は、元の強度や弾力を取り戻すことが非常に難しく、以下の問題が発生します:
リハビリや治療に時間がかかる:元に戻すには、じっくりとしたケアが必要
再発のリスクが高い:競技に戻っても、以前のようなパフォーマンスを発揮するのが難しい
さらに、肘だけでなく「体幹」や「肩」の動作にも影響を及ぼし、
フォームの乱れやパフォーマンス低下を招きます。
最悪の場合、治らないリスクも…
「これ以上悪くならないだろう」と放置していると、さらに深刻な事態を招くことがあります。
軟部組織の修復不可能な状態
腱や筋肉の損傷が進行すると、細胞レベルでの修復能力が低下。
場合によっては、一部の組織が壊死し、元に戻らなくなることも。他の部位への負担増加
肘の痛みをかばうことで、肩や手首に不自然な負担がかかります。
これが原因で、「五十肩」や「手根管症候群」といった新たな痛みを抱えるリスクも高まります。
痛みが消えたら治った?それは間違いです
「痛みが消えたからもう大丈夫」と思ってしまいがちですが、それも危険です。
腱が変性したままや筋力低下が残っていると、競技復帰後に再発する可能性は極めて高いです。
表面的には「治った」と感じても、根本的な改善には至っていないケースがほとんど。
だからこそ、今すぐ行動を!
理学療法士として、私は声を大にして言いたいことがあります
「テニス肘を放置しないでください!」
ではこの後の章でどのようにテニス肘の治療戦略を立てていったら良いのか解説していきます!
テニス肘を治すファーストステップ、まずは自分の居場所を確認しよう!
治療を進める上で重要なのは、「自分の症状がどの段階にあるのか」を知ることです。
(A) 痛みが強く、動かすのがつらい場合(急性期)
目標
急性期の最優先目標は、炎症を抑え、痛みを和らげることです。この段階では肘をできるだけ動かさず、適切なケアを行い、回復の土台を作ります。同時に、肘以外の体のバランスを整えることが重要です。
アクションプラン
1. アイシング(氷で冷やす)
目的:炎症を抑え、腫れや痛みを軽減する。
アイシングは、急性期の炎症反応を抑える基本的な方法です。炎症が治まると、腱や筋肉が修復しやすい状態になります。
やり方:
氷をタオルに包み、肘の痛みがある部分に当てます。
15分間冷やす(直接肌に当てない)。
1日3回を目安に行います(朝・昼・夜がおすすめ)。
ポイント:
冷やす時間は15分程度に留めます。長時間行うと冷却しすぎて血流が悪化する可能性があります。
氷の代わりに冷凍食品や保冷剤でも代用可能ですが、必ずタオルを挟んでください。
効果:
痛みを和らげる。
腫れや炎症を抑え、組織の回復を助けます。
2. テーピング
目的:肘を安定させ、腱や筋肉にかかる負担を軽減する。
テーピングは、肘を固定して動きを制限することで、炎症を悪化させない効果があります。また、日常生活で無意識に肘を動かしてしまうのを防ぐ役割も果たします。
やり方:
サポート機能のあるキネシオテープを用意します。
肘の外側から前腕にかけて貼り、腱や筋肉を支えるようにします。
痛みがある部位を避け、テープを強く引っ張りすぎないよう注意します。
ポイント:
初めてテーピングを行う場合は、理学療法士や医療専門家に指導を仰ぐのがおすすめです。
テープは1日1回貼り直し、肌に負担をかけないようにします。
効果:
肘の動きをサポートし、安定性を高めます。
過剰な動きを抑えて炎症を悪化させません。
3. 物理療法(医療機関でのサポート)
目的:組織の修復を促進し、炎症を抑える。
医療機関で受けられる物理療法は、回復を早めるために有効です。
選択肢:
超音波治療
仕組み:超音波を患部に当て、内部を温めて血流を促進。
効果:腱や筋肉の修復をサポートし、痛みを軽減。
低出力レーザー治療
仕組み:レーザーで細胞を刺激し、炎症を抑える。
効果:炎症を軽減し、痛みを緩和。
体外衝撃波治療(ESWT)
仕組み:衝撃波を患部に与え、細胞の再生を促進。
効果:慢性化した痛みや難治性の症状にも効果が期待されます。
ポイント:
医師や理学療法士の判断のもと、症状に適した治療を選びます。
4. コレクティブエクササイズ(体全体を整える動き)
目的:肩や胸、背中の動きを整え、肘にかかる負担を間接的に軽減します。これにより、肘だけでなく体全体のバランスが改善されます。
やり方:
肩甲骨回し
両肩を大きく回す(前方向に5回、後ろ方向に5回)。
ポイント:肩甲骨が大きく動く感覚を意識。
効果:肩周りの筋肉がほぐれ、腕の動きがスムーズになります。
胸を開く運動
手を後ろで組み、胸を張るように肩甲骨を寄せます。
30秒間キープ×2回。
ポイント:呼吸を止めず、胸の前が気持ちよく伸びる感覚を意識。
効果:胸郭が広がり、肩甲骨の動きがスムーズになります。
5. 体幹トレーニング(呼吸を意識)
目的:体幹の安定性を高めることで、肘や腕にかかる負担を間接的に軽減します。呼吸を意識したトレーニングは、リラックス効果も期待できます。
やり方:
プランク(基本版)
肘を床につき、体を一直線に保つ。
30秒間キープ×3セット。
ポイント:お腹で地面を押し返すように意識し、腰が反らないよう注意。
腹式呼吸を取り入れる
仰向けで膝を立て、お腹に手を置き、息を吸うときにお腹が膨らむ感覚を確認。
5秒吸って、5秒かけてゆっくり吐く。5回繰り返す。
効果:
体幹が安定し、腕や肘の動きがスムーズになります。
腹式呼吸により、リラックス効果と血流促進が期待されます。
まとめ:急性期のケアを成功させるために
肘を休ませることが最優先です。無理に動かさず、炎症を抑えることに集中しましょう。
同時に、肩甲骨や胸郭、体幹を整える軽いエクササイズを取り入れると、肘の回復がよりスムーズになります。
症状が改善してきたら、次の段階に進んで筋力を少しずつ回復させましょう。
「急性期」は無理をしないことが重要なポイントです。この期間をしっかり乗り切ることで、早期回復と再発防止につながります!
(B) 痛みが少しだけ残るが動かせる場合(亜急性期)
目標
亜急性期では、筋肉や腱を少しずつ強化し、肘の動きを取り戻す準備をします。痛みが完全に取れていない状態なので、無理をせず「軽い負荷」や「柔らかい動き」でトレーニングを進めることが大切です。
アクションプラン
1. 静的な筋力トレーニング:壁押し運動(アイソメトリック運動)
目的:肘を動かさずに筋肉を使うことで、痛みを悪化させずに筋力を維持します。
アイソメトリック運動は、関節を動かさないトレーニングで、痛みの少ない負荷が可能です。
やり方:
壁に向かって立ち、痛みのある側の手を壁につけます。
手のひらを壁に押し付け、軽く力を入れます(強すぎる力は不要)。
10秒間キープし、力を抜きます。
これを10回繰り返し、1日2セット行います。
イメージ:壁を押し返すように力を入れますが、肘は動かさないように注意。肘に力が入りすぎないことがポイントです。
効果:
筋力を維持しつつ、腱や関節に負担をかけません。
痛みが少ないため、リハビリの初期段階に最適です。
2. 軽い動的運動:手首伸展エクササイズ(偏心運動)
目的:腱をゆっくりと伸ばすことで、修復を促進し、筋肉と腱の耐久性を高めます。
やり方:
椅子に座り、前腕を机や膝の上に置きます。
ペットボトル(500ml)や軽いダンベルを手に持ち、手のひらを下向きにします。
手首をゆっくりと下げ、次に元の位置に戻します。
10~15回を1セットとし、1日2セット行います。
イメージ:筋肉を「縮める」のではなく、「伸ばす」感覚を意識。重りが腱に優しく負荷をかけていることを感じながら行います。
効果:
腱の修復を助け、筋力を少しずつ回復。
偏心運動は腱障害に効果があることが科学的に証明されています。
3. ストレッチ+筋膜リリース
目的:筋肉を柔軟に保ち、血流を促進して回復を助ける。
(1) 前腕ストレッチ
やり方:
手首を反らせる(手のひらを上向きに)。
反対の手で手の指を押し、軽く引っ張る。
30秒間キープし、3セット繰り返す。
イメージ:手の甲を壁に向けて軽く押し出す感覚で行います。
効果:
前腕の筋肉を伸ばし、肘への負担を軽減します。
柔軟性が高まり、動きがスムーズになります。
(2) 筋膜リリース
やり方:
テニスボールを机や床の上に置き、その上に前腕を乗せます。
圧をかけながらボールを転がし、筋肉をほぐします。
1回3分を目安に、2セット行います。
イメージ:筋肉の硬さを感じる部分にボールを当て、優しくほぐす感覚で。
効果:
血流を改善し、硬くなった筋肉を柔らかくします。
肘周辺の動きが滑らかになり、痛みを和らげます。
4. 体幹トレーニング(動作のコントロール)
目的:動作中の安定性を高め、肘への負担を減らす。体幹トレーニングは、肘の負担を間接的に軽減するために重要です。
(1) バードドッグ
やり方:
四つん這いの姿勢を取ります。
右手と左脚を同時に伸ばし、10秒間キープします。
ゆっくり元の姿勢に戻り、反対側も同様に行います。
10回を1セットとして、2セット行います。
イメージ:伸ばした手足で「遠くを引っ張る」感覚を意識します。
効果:
体幹の安定性を向上させ、肘や腕の動きをサポートします。
バランス感覚も養われます。
(2) ロシアンツイスト(体幹の回旋動作)
やり方:
座った状態で足を浮かせ、体を少し後ろに倒します。
両手を合わせて、左右に体をひねります。
10回×2セットを目安に行います。
イメージ:肩甲骨から腰までを「軸」として回転させる感覚で。
効果:
腹斜筋(横腹の筋肉)を鍛え、体幹の回旋動作が滑らかに。
競技動作に必要なスムーズな体の使い方をサポートします。
まとめ:亜急性期の進め方
この時期は、肘を動かし始めてもよいタイミングです。ただし、負荷は軽めに設定し、ゆっくりと動きを回復させることが重要です。
静的な筋力トレーニング(壁押し運動)で筋力を維持しながら、動的な運動(偏心運動)で腱を強化。
ストレッチと筋膜リリースで柔軟性を高め、体幹トレーニングで動き全体の安定性を向上させます。
無理をせず、少しずつ進めることで次の段階(慢性期)にスムーズに移行できます。
これらを丁寧に実践することで、肘の回復が進み、競技復帰の準備が整います!
(C) 痛みがほとんどなく、負荷を増やせる場合(慢性期)
目標
慢性期では、腱や筋肉をさらに強化し、競技動作に耐えられる体を作ることが目標です。この段階では、軽い負荷から始め、徐々に運動量を増やしていくことがポイントです。最終的に競技復帰をスムーズに行えるように準備を進めます。
アクションプラン
1. 負荷を増やした筋力トレーニング
慢性期では、腱や筋肉に適度な負荷をかけて強化することが重要です。ここでのポイントは、痛みを感じない範囲で少しずつ負荷を増やすことです。
エキセントリック運動(遠心性運動)
やり方:
軽いダンベル(1~3kg)を用意します。ペットボトル(1L)でも代用可能です。
椅子に座り、前腕をテーブルや膝の上に置きます。
手首をダンベルの重さでゆっくりと下げ、再び元の位置に戻します。
10~15回を1セットとし、3セット繰り返します。
ポイント:重さを調整しながら、動作中に手首や肘に違和感がないことを確認します。
効果:
腱を強化し、動作中の耐久性が向上。
再発防止に効果的。
2. フォームの改善(4スタンス理論を活用)
目的:自分に合った体の使い方を理解し、効率的で負担の少ないスイング動作を習得する。4スタンス理論では、人それぞれ異なる体の重心位置と力の伝え方を活用します。
やり方:
自分のタイプを確認:
踵重心 or つま先重心、外側重心 or 内側重心を意識。
実際に体を動かして、一番安定する感覚を探します。
動画を撮影:スイング動作を録画し、体の動き方や力の伝わり方をチェックします。
調整ポイント:
肩甲骨を意識してスイングを行う。
股関節から動き出す「連動した動き」を意識。
イメージ:動きが自然で無理のない感覚を大切にします。
効果:
体に負担をかけにくいスイングが身につき、怪我の再発リスクを低減します。
競技パフォーマンスの向上にも繋がります。
3. 全身トレーニング(耐久性向上)
競技復帰には肘だけでなく、全身の耐久性が必要です。特に体幹や下半身の安定性は、スイングの精度や力強さを支えます。
(1) プランク(負荷追加版)
やり方:
通常のプランクの姿勢を取ります(肘を床につき、体を一直線に保つ)。
背中に軽いダンベル(1~2kg)や砂袋を乗せ、負荷を増やします。
1分間キープ×3セット行います。
ポイント:体が反らないように注意。腹筋で地面を押し返す感覚を意識します。
効果:体幹が安定し、スイング時の肘や腕の動きをサポートします。
(2) ランジウィズツイスト(回旋動作を強化)
やり方:
片足を大きく前に出してランジの姿勢を取ります。
腰を左右にひねり、回旋動作を加えます。
左右それぞれ10回×2セット行います。
ポイント:股関節と体幹を連動させ、安定感を意識します。
効果:全身の連動性が高まり、スイング動作がスムーズになります。
4. 日常調整
筋力トレーニングやフォーム改善だけでなく、道具や日常のケアを見直すことも重要です。
ラケットやガットの調整
ガットの張りが強すぎると肘に負担がかかるため、適度なテンション(40~50ポンド)に調整します。
ラケットの重さやグリップサイズも、自分の体に合ったものを選びます。
ストレッチと筋膜リリースを習慣化
ストレッチ:競技前後に前腕や肩甲骨周りのストレッチを実施(30秒×3セット)。
筋膜リリース:フォームローラーやテニスボールを使って筋肉をほぐします(1日5分)。
まとめ:慢性期に取り組むべきこと
慢性期では、負荷を増やした筋力トレーニングとフォームの改善が鍵です。また、全身を連動させたトレーニングや道具の調整を行い、競技動作に耐えられる体を作ることが重要です。
これらのプランを続けることで、肘の再発を防ぎつつ、競技でのパフォーマンス向上も期待できます。無理をせず、自分のペースで取り組みましょう!
今回のまとめ
テニス肘(外側上顆炎)の原因と治療戦略【簡潔まとめ】
1. テニス肘の主な原因
繰り返し動作:バックハンドや握力を使う動きで腱に負担。
不良フォーム:手首や肘を過剰使用し、体幹が使えていない。
道具の影響:重いラケット、硬すぎるガット、不適切なグリップサイズ。
肩甲骨の安定性不足:全身の連動性低下が肘への負担を増加。
2. 放置するリスク
慢性的な痛み、握力低下、肘の可動域制限。
腱の変性(瘢痕組織形成)による治療困難。
肘以外(肩や手首)への痛みの波及。
競技復帰の長期化、最悪の場合は修復不可能。
3. 治療戦略(段階別アプローチ)
(A) 急性期:痛みが強い場合
目標:炎症を抑え、痛みを軽減。
実践プラン:
アイシング:15分×1日3回。
テーピング:肘を安定させ負担軽減。
物理療法:超音波、低出力レーザー、体外衝撃波治療。
軽い全身運動:肩甲骨回し、胸を開くストレッチ。
体幹トレーニング:プランクや腹式呼吸。
(B) 亜急性期:軽い痛みが残る場合
目標:筋力を少しずつ回復、柔軟性を向上。
実践プラン:
静的筋力トレーニング:壁押し運動で筋力維持。
偏心運動:手首伸展エクササイズで腱を修復。
ストレッチ+筋膜リリース:前腕ストレッチ、テニスボールで筋肉ほぐし。
体幹トレーニング:バードドッグ、ロシアンツイストで安定性向上。
(C) 慢性期:負荷を増やせる場合
目標:筋力強化、競技動作への適応。
実践プラン:
負荷増加トレーニング:偏心運動(ダンベルを使った手首運動)。
フォーム改善:4スタンス理論を活用し、全身を連動させた効率的なスイングを習得。
全身トレーニング:
プランク(負荷追加版):体幹の耐久性向上。
ランジウィズツイスト:回旋動作の強化。
道具の見直し:ラケットやガットの調整、グリップサイズの最適化。
ストレッチ習慣化:競技前後の柔軟運動、筋膜リリース。
4. 最終目標
症状改善後も再発防止のため、全身トレーニングとフォーム改善を継続。
日常生活でも肘に優しい習慣を心がけ、競技復帰をスムーズに。
→ 症状の段階に応じたアプローチを行う必要があります!
アプローチ方法のテーピングの仕方やセルフケア、トレーニングについては次回以降より詳しく解説していきます!