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「60歳からのキャリアを考える」〜あなたが叶えたい夢はなんですか?〜 #イベントレポ

こんにちは🍀Project MINT事務局です。

8月度のMINTコミュニティ月例勉強会は、特別企画として
「60歳からのキャリアを考える」
と題し、60歳前後で自分らしいキャリア・人生を切り開いている登壇者5名を招いたトークイベントを開催いたしました✨



「定年退職が近づいてきてる。今のままでいいのかな?」
「先々のことを考えると、漠然と不安」
「これからどんな風に人生・キャリアを考えたらいいんだろう?」

こんな悩みやモヤモヤを抱える方も多いのではないでしょうか。

当日はなんと約150名(!)近くの方々にご参加いただいた中、
これから変化の時代の真っ只中を生きることになるミドル世代が100年時代、幸せに、自分らしいキャリアや人生を送るためのスキルやTipsを登壇者にざっくばらんに語ってもらいました!

登壇者紹介

【今回の登壇者】
中野敦志さん
元SEで会社員を辞め、キャリアコンサルタントとして独立。動物愛護活動にも積極的に取り組み、自分ならではのキャリアを切り開いています。Project MINTのコーチとしても活躍中。

村松まやさん
子育てがひと段落し、自分自身の人生を歩んでいきたいと思いProject MINTで学ぶ。その後、自分自身のパーパスを見出し、地域で子育て・親子の対話を広める活動を行う。WAB(We are Buddies)コーディネーターサポーター・Hana-Co主宰者。

木村元子さん
元航空会社のCAで、エグゼクティブコーチとして独立。Project MINTのコーチとしても活躍し、多くの人々のキャリアを支援。

西山裕子さん
大手外資系企業でマーケティング領域で働く。当時、外資で日系企業と比べ働く女性はいたものの、育児との両立で奮闘した経験も。Project MINTでこれからのセカンドキャリアを考えて学ぶ。現在はスタートアップ企業の支援を主に関西で実施。

岡安一正さん
元プロアスリート。スポーツ庁のカウンセラーを務める傍ら、シニアの起業支援も行う。

変化が目まぐるしい人生100年時代を歩むうえで指針となる「自分自身のパーパス」


イベント冒頭では、Project MINT代表の植山が、
AIなどのテクノロジーも進化する、目まぐるしい変化の時代も通用する人材になるために重要な「自分自身のパーパスを見出すこと」ついて解説しました。

ミドル世代が受けてきた教育では、
「組織や集団がどうあるべきか」が重視されてきました。

間違うことが許されず、個よりも集団の協調を優先すべき、といったメンタルモデルが根深く残っています。

しかし、正解がなく不確実な時代を歩むうえでは、「自分がどういう人間で、どう生きていきたいのか」「どんな社会を築きたいか」「自分はどう在りたいか」という「パーパス」 が原動力と指針になるということを語りました。

当日資料より

パーパスを見出す最初のステップは、思考の癖を手放す「アンラーン」

当日資料より

アンラーンとは、自分の思考を知り、手放すことで、ありのままを受容すること。
知らぬ間に身についている可能性のある「(人や仕事)はこうあるべき」論や「どうせ自分は無理」といった思考の癖が、柔軟な発想の妨げになっていることがあります。

とくに人生の経験を重ねてきたミドル世代に、自分のパーパスとつながる柔軟な選択をするうえではじめの一歩となるスキルであるということを語りました。


続いては、いよいよパネルトークです!

パーパスを見出し自分らしいキャリア・人生をミドル世代が切り開いているミドル世代の5名に登場いただきました。

参加者のみなさまが聞いてみたい!というトークテーマを3つピックアップし、そちらに沿って話を伺っていきました。

【トークテーマ①】人生を通して「やりたいこと」がわかりません


ー1つ目は、趣味はあるものの、人生を通じてこれが天職だ、この仕事が本当好きだといった「やりたいこと」がない、ということについてです。

中野さん:
そもそも僕自身もやりたいことがなかった人間です。
趣味でいうと、地元の奈良巡りが好きで、定年後には奈良で観光コンシェルジュをしたいと思っていましたが、それでは生活が難しいと感じ、迷っていました。

今はキャリアコンサルタントをしていますが、きっかけは54歳の時に会社の命令で始めたキャリアカウンセラーです。
もともと23年間SEをやっていたので、最初は会社の命令でやらざるを得ない状態でしたが、続けるうちに価値や面白さを感じ、これが自分に合った天職なんだと思うようになりました。

「やりたいことが分からない」と悩む人には、「逆に絶対やりたくないことは何ですか?」とよく質問します。私自身、人の指示で働くことが嫌でフリーランスになりましたが、これが自分に合った働き方につながったと感じています。

ーはじめは自分の意思ではなく始めたことが、どんどん好きになったということなんですね。

イベント当日の中野敦志さん

西山さん:
やってみないとそれがやりたいことか向いてるかってなかなかわからないことがあるので、まずは行動するのがいいと思います。

大学卒業時、営業だけはやりたくないと思い、マーケティングや広告といった仕事をしていました。
ただその後スタートアップで営業を経験し、売れた時の喜びを感じて、営業が意外と面白くて割と好きだなと思ったんです。

一方でプログラミングにも挑戦しましたが、自分には向いていないとすぐに分かりました。
いろいろ試す中で自分に合ったものが見つかると思います。まずは行動してみることが大事だと感じています。

ーまずはやってみる、ということは大事ですね。

イベント当日の西山裕子さん

木村さん:
私は学生時代、周りにいた生き生きと働く素敵な大人たちに憧れて、自分がやりたいことをずっと探してきました。
でも、結局見つからず、就職活動ではなんとなく海外に関わる仕事を選びました。組織に入ってみても、いまいちパッとせずだったんです。苦手な人前での講演を頼まれたときは点滴を打ってプレゼンをしたこともありました。
でもやってみて、やりきってみると、この仕事やっていてよかったなという自分がいたりして、当時の仕事がいまの働き方にも繋がっています。

スティーブ・ジョブズの「connecting the dots(点と点が繋がる)」という言葉のように、当時はやりたくないと思っていたことも、後から振り返るとすべてが繋がっていたと感じます。
だから、何をやるかよりも、自分がどうありたいかを意識することで、自然と道が開けてくるんじゃないかと思っています。
いろんなことをやっていく中で「自分がどうありたいか」というところに線としてつなげるイメージです。

ーDoingよりBeingの意識ですね。

イベント当日の木村元子さん

村松さん:
私の世代だと学生の頃は「やりたいことよりまずは宿題をしなさい、勉強しなさい」と言われてきました。今の学生もそうかもしれません。なのにいざ就職の時に「あなたは何がやりたいですか?」と突然聞かれても、困りますよね。

でも、振り返ってみると、子供の頃に虫が好きだったとか、何かを作るのが楽しかったとか、体を動かすのが好きだったとか、そういう小さな記憶から動いてみる、ということも大切だと思います。
習い事を始めたり、映画シリーズを見てみたり、一つ何か少し動いてみると気づくものや、思いがけないところでドットがつながることがあったりする。

それがもしお金にならなくても、趣味として始めると、同じ趣味の人が集まってビジネスになることも周りで見てきました。
逆に昔興味があったけど、今やってみたらつまらないと感じたら、やめてもいいとも思います。石の上にも三年、という言葉に縛られず、自分の感情にもっと任せてもいいんじゃないかなと感じています。

ー今回多くのみなさんが関心を持っていただいた「人生を通してやりたいことがわからない」という問いかけは年齢問わず普遍的な悩みのような気がしますね。

イベント当日の村松まやさん

岡安さん:
僕の場合、実はやりたいことをずっとやってきました。若い頃はスキーが好きでずっとやってて、それが高じてプロになったんですけど、20歳の頃には夢をほぼ達成してしまいました。その意味でやりたい人生は送ったので、第一幕が終わったなと思っています。

それからはいろいろな人生の転機があってアスリートの支援という道に進んでいるんですが、今の第二幕では、人から求められること、僕にしかできないことをする、というのが人生の使命のようなものだと思っています。
カウンセリングをやっている中でアスリートだけでなく、いろんなジャンルの方々がお客さんとして来てくれるようになりました。
またこれは全く予想していなかった道ですが、ネイリストの専門学校でキャリアサポートもしています。求められていることをやっているうちに、やりがいにつながっているなという感覚があります。

イベント当日の岡安一正さん

ーみなさん、ありがとうございます。

【サブテーマ】やりたいことがお金にならない

ーもともと予定していたトピックではないのですが、多くの方が結構「やりたいことがお金にならない」と感じていたり、「お金にならなさそうなことをやることへの躊躇」があるのではと思うのですが、この点についてどうでしょうか?

木村さん:
私たちの世代って「やりたいこと」よりも「やらなきゃいけないこと」を優先するように育てられた気がします。
何かをやるときも、「それでお金になるの?」とか「成果が出るの?」と常に結びつけてしまうメンタルモデルが自分の中に根深く残っていると感じました。

ー仕事もちゃんとして、家庭もちゃんとしないといけない、何か責任を果たさなきゃいけない、みたいな考えですね。

中野さん:
「損得感情」について、捨てる必要はないですが、最優先にしないっていうことが我々世代にとって大事だと思っています。
私は50歳のときに中学の同窓会を企画したんですが、これはお金にはならないけれど、やりたくてやったことなんです。
また、奈良のコンシェルジュも趣味で始めました。こうした、好きでやっていたことが、直接的でなくとも新しい一歩につながりました。
損得を考えずに何かに取り組む癖をつけることが、実は大事なんじゃないかと思っています。

西山さん:
私はスタートアップ支援の仕事をしているんですが、やりたいことを情熱をもって必死で追求している人には、周りから自然と応援が集まるんですよね。
やりたいことがあるけど儲からない、どうしよう、という葛藤はあると思いますが、本当にやりたいことだったら情熱を持って追求すれば、道が開けたり、応援してくれる人が出てくると思います。
私も、そういう人を応援したいと思っています。

岡安さん:
実は今の仕事の給与は決して高くありません。地元でアルバイトするのと変わらないんじゃないかという時もあります。
妻と子供がいますが、家族には「3年間だけ、やりたいことをやらせてほしい」と伝えています。
3年というのは会社員時代の貯金でやっていける期間で想定しましたが、いまのところ5年ぐらい持ちそうです。
お金に執着しちゃうと、やりたいことというより単価の高い仕事に目が向いてしまいますけど、僕は割と結構なんとかなる、という風に思っています。
楽観的でよく怒られてしまうんですけどね(笑)

ーご家族の方と話して理解も得られているのは良いですね。
ご自身のやりたいことをやりながらも、家族の責任も果たすという方法もあるんじゃないかということですね。

【トークテーマ②】定年退職後に「自分の居場所」を創っていくには

ーでは次のテーマです。
フルタイムでこれまで働いてきた方が定年を迎えた時に、どのようにこれから居場所を創っていくのか戸惑う方もいると思います。このあたりどうでしょうか?

中野さん:
会社員時代、55歳の時に役職定年で一週間休暇がありました。
その時に定年後の練習をしようと思って、何も予定を入れず家族にも知らせず会社に行くフリをして過ごしてみたんですけど、二日で自分が社会にとって邪魔だとみられているような感じがありまして、もうこれはあと三日と持たないなと思ったんですね。
それが僕にとって衝撃の感覚でした。

居場所に関しては、自分自身いろんなコミュニティに入っていたということもあり、あえて意識せずにやってこれた気がします。そういう意味で、コミュニティに属することは大事なのかなと思っています。
実際の物理的な居場所がなくても、人とつながっている感覚があれば、代わりになる気がしますね。

西山さん:
私も独立したとき、自分の居場所が欲しくてシェアオフィスを利用しました。
最近では、メンバー同士の交流を促進しているところも多いので、会社のデスクがなくなったら、シェアオフィスを見つけて借りるのも良いと思います。
それから私もやっぱり会社員を辞めて寂しかったのと、自動的に情報が入ってこなくなったので、いろんなコミュニティの会に参加してみました。中にはちょっと怪しいものもありましたが、すごく良質なものもありました。
あとは自分でも勉強会を主催しましたね。広報の研究会というのが十年近く続いているんですけど、同じ興味を持つ人たちと一緒に勉強したり絆ができたりするので、いろんな会に顔を出すというのは良いかなと思います。

ーいろんなところで、人とつながっていくというのがいいかもしれないということですね。

【トークテーマ③】60歳からのキャリアを切開いていく上で必要なスキル・マインドセット


ー次は最後のテーマになります。これは参加者からは一番人気だった質問です。みなさんが思われる必要なマインドセットはずばり何でしょうか?

岡安さん:
僕の場合はすこし特殊な経験からきているかもしれないですが、
自分が生かされている理由を自分で理解することがすごく大事だと思っています。
いまちょうどオリンピックが終わったこともあり、いろんな選手から様々な相談がくるんです。選手たちの相談に乗ったり、次のキャリアを一緒に考えたりする中で、自分も辛くなっちゃったり悩むこともありますが、でもやっぱり楽しいと感じるんです。
自分が本当にやりたいこと、生かされている理由を見つけると、いろんなことが乗り越えやすくなるんじゃないかな、と考えています。

ー素敵な言葉ですね、ありがとうございます。

村松さん:
自分の役割やラベルをはがしてみることが大事だと思うんです。
会社員の私、とか母親の私、先生の私とか。
「ルールだからこうしなきゃ」とか、「親だからこう考えなきゃ」、というのも意識的に取っ払ってみる。
そうすると、自分が本当に何を思っているのかが見えてくる
つい役割として言ってしまう言葉が、自分を縛ってしまうこともあるので、それに気づいたところからラベルを外してみると変わってくるんじゃないかと思います。

ーまさに本当の自分の腹の底からのこうありたい、を見つけるヒントですね。

木村さん:
私は失敗に対する定義を変えてみるのがいいのかなと思います。
失敗は学びを教えてくれるものですし、実は失敗のレッテルを貼っているのは自分だけの固定的な考えだったりします。
私自身、MINTでデザイン思考を学んで、すごく自由になったんです。いかに小さく安く失敗して、そこから学んでいく、ということですね。失敗してもいいんだ、と思えたことでいろんなチャレンジができるようになりました。

<参考>
Project MINTでは、デザイン思考の概念で、自分の仮説を小さな行動を通して検証していこう(プロトタイプを実行)することを共通の合言葉としています。まずは、安全なコミュニティ内で実験し、トライアンドエラーを通し、複業やプロボノなどを経験して失敗のリスクを恐れずに行動してみようと応援し合うカルチャーです。

Project MINT ホームページより

ー特に急速に変化する時代において必要なアジャイル型のマインドですね。

中野さん:
サラリーマンとか社会人をやっていると、どうしても大きな目標が掲げられて、それにプレッシャーを感じてしまうことも多いと思います。
でも、僕はそうではなくて、プロセス自体を思いっきり単純に楽しむことが一番大事だと思っています。
そこでまさにミントで学んだ「パーパス」、つまり自分の生きる目的に焦点を当てながら、目標自体に縛られずに今を大切に生きることが一番のマインドセットだと思っています。

ープロセスを楽しむ。すばらしいですね。

西山さん
私は「自分がどうやったら幸せになるか」という自分のスイートスポットを理解するのも大切かなと思いますね。
長く生きていると、自分が何で機嫌良くなれるか、逆に何にストレスを感じるかがだんだん分かってくるので、自分で自分を幸せにする方がいいかなと。
それから、先ほどお金についての話も出ましたが、やはり報酬を得ることも必要だと思っています。
私自身やりたいことは社会貢献でもあるので、ボランティアなどのコミュニティ活動も思いっきりやれるようという意味でもあります。バランスを取りながら、自分がどうやったら幸せになるかっていうのは意識しています。

ーみなさん、本日はありがとうございました!
いわゆる知識はいくらでもネットで手に入る今のAIの時代では、経験豊かなみなさんのご自身の人生の経験から得られる深いインサイトや知恵を共有し合えたことは、とても貴重でした。

参加者のみなさまのお声

登壇いただいた5名のみなさま、またご参加いただいた方々、ありがとうございました!
参加いただいたからコメントも届いております✨

「等身大のキャリアを歩んでこられた方々のお話にパワーをいただきました」

「自分一人ではないんだ、と多くの方々、メンターの方々の言葉を聞いて実感致しました」

「60歳に近くなった自分自身の考えと照らし合わせることができた」

「登壇者の方々やご参加の方々のお話から、一人ひとり違うキャリア、状況、価値観をお聞きすることができました。有意義な時間でした。」

特に登壇者のみなさんの実体験や等身大でリアルな話が多くの参加者の方にとっても参考になったのではと思います。

これからもみなさまのご意見を参考にし、さまざまなイベントを開催していく予定ですので、お見逃しなく☺

次回イベント予告:9/25(水)「幼少期」の記憶からパーパスを見出す

MINTでは毎月、どなたでもご参加いただける勉強会を開催しております。
次回は「幼少期」の記憶からパーパスを見出すワークショップです!
お楽しみに🎵

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