<定期購読マガジン特典>【対談編-15回】原智之さんとの裏話対談… R35GT-R「独立型トランスアクスル+4WD」の開発…その裏話
私が「本物のドライブトレインのエキスパート」と頼り、R35GT-R開発チームのパワートレイン(駆動システム)系の責任者として「独立型トランスアクスル+4WD」という世界に例のない難しい 駆動システム開発を担当した原智之さんにお話を伺いました。
当時はまだ、自動変速マニュアルトランスミッション(DCT)は、ATトランスミッションに比較して「燃費が良く原価が安い」などの理由から、大衆車や小型車の一部に採用されていました。しかし、R35GT-Rのような高出力&高性能スーパーカーへの採用は検討すらされていない時代でした。
しかし、足でクラッチを踏み変速するマニュアルトランスミッションでは、慣れていてシフトの速い人でも変速に0.6秒必要であり、R35GT-Rの 0➪100km/h加速タイム3秒以下の目標は実現できません。しかも、途轍もない加速Gの中でもシフトを容易に、そして安全にするためには、足を使わず指先だけでできる「パドル操作によるシフト」は必須でもありました。
高出力なスーパーカーに DCTを採用して「シフト時間の短縮と操作の容易性や安全性を確保」する、これはR35GT-Rが創り出した新しいコンセプトだったのです。(その後、R35GT-Rの成功例から続々と各車も採用し、今ではスタンダード仕様となっています。)
単にDCTの開発に留まらず、世界唯一の独立型トランスアクスル開発に加えて、4WDトランスファーとの一体化や、前後2本のドライブシャフト配置 など、R35GT-Rのパワートレイン開発は「世界初や、世界唯一」が沢山ある難しい開発の連続でした。(あまりにも困難な開発の為、開発の初期段階では並行して6速MTの開発検討もされていました)
今回は、このような難しい開発の中でのエピソードや裏話を屈託なくいろいろ話してもらいました。
原智之さんには、この後もトランスミッションに関わる様々な話をしてもらう予定です。
その3)BEV専用の自動変速マニュアルトランスミッション(DMM Axle)と、
これからのドライブトレインはどうなっていくか?
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