チームでパフォーマンスが発揮できる仕組みを作る 〜デザインマネージャーのお仕事6
デザインマネージャーってどんなお仕事しているの?・・・を紹介する連載シリーズ。第6回のテーマは「チームでパフォーマンスが発揮できる仕組みを作る」です。
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6.チームでパフォーマンスが発揮できる仕組みを作る
せっかくデザイナーが集まってチームを形成しているのであれば、チームでデザインをするメリットの最大化を図っていきます。[1+1] が [2以上] になるために必要な仕組みを設けます。ここには良いチームの関係性を築くためのチームビルディングや環境作り、さらにはデザインマネージャーとしてのキャラクター作りも含まれてくるかもしれません。
私はこの「チームでパフォーマンスが発揮できる仕組みを作る」が、デザインマネージャーのお仕事紹介シリーズ13項目の中で一番難しいと感じていて、私自身まだまだできていないな、もっとやらなきゃいけないな…と思っている項目です。
チームで働くメリットで一番わかりやすいのは、デザイナーがデザインで悩んだり迷ったりしたときに相談できる相手がいる・・・これもチームとしてのメリットです。ここで他のデザイナーから的確なアドバイスをもらったり、ひとりでは思いつかなかったようなアイディアが示されたとき、デザイナーはデザインの引き出しを手に入れ、ほんの少しではありますが成長できるのではないでしょうか。
そしてデザイナーは個性のかたまりです。その個性と個性をいかに融合させるかが、デザインマネージャーの腕の見せ所です。ミーティング、ブレスト、デザインレビュー・・・いろいろ機会がありますが、とくにデザインレビューなんかは、自分の作ったデザインに対してフィードバックをもらえる機会なのでチームで働くメッリトを活かせる場のひとつです。一方でデザインレビューを有意義なものにするために、レビューの意味あいを定義したり、批判しないで批評するなどのルールづくり(これが難しい)、メンバーとの合意もデザインマネージャーとして必要になってきます。レビューを受けるデザイナーも、案件の概要・デザインの意図を言葉で説明する必要がありますし、レビューする側も、感情的ではなくいかにロジカルに対案を示せるか、双方にとって思っていること・思考の言語化のトレーニングにもなります。
またオフィスでface to faceで仕事をしていた時は、隣の席で話しかけて相談したり、集まってワークショップなんかも気軽にできましたが、リモートでの作業が中心になったとき、ブレストやワークショップについては、また新しい手法・やり方を考えていく必要があります。
個性と個性の融合という話をしましたが、一方で特にひとつのプロダクトに対して複数のデザイナーが関わる場合、個々のアイディアを活かしながらも、ひとつのプロダクトとしてのトーン&マナーやデザインルールのなかに収束させていくことも考える必要があります。
個々人が好き勝手にデザインをしていくと、最悪の場合プロダクトとしての一貫性が保てなくなり、ユーザビリティの棄損、エンジニアリングコストの肥大に繋がる恐れもあります。一方で収束がキツイと、つまりはガチガチの制限の中でしかデザインができないと、せっかくの個性は死にますし、仕事のやりがいを感じにくくなる恐れがあります。
このバランス・さじ加減は本当に難しいと思っていて、今でも私自身悩んでいるところです。
そしてチームの雰囲気づくりもパフォーマンスを最大限にするための大事な要素です。その雰囲気づくりの格になるのが、チームのリーダーとなるデザインマネージャーのキャラクター・ふるまいだと思っています。どんなスタンスでメンバーと接するのか。これは組織や文化、どんなデザイナーがいるかによって変わってくる部分だと思いますが、私は相談しやすい、話しかけやすい、いじられキャラ的な感じでふるまっていて、ニコニコしているよう努めています。もちろん厳しく接することが必要な時もありますが、マネージャーだから気を遣うみたいなことがないように、デザイナーとしての意見が言いやすいように、みんなでディスカッションがしやすくなるような雰囲気づくりを心がけています。
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デザインマネージャーのお仕事・第6回は「チームでパフォーマンスが発揮できる仕組みを作る」というお話しでした。
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