全国横断チームで完遂せよ!?史上最難関「伝統芸能プロジェクト」特別インタビュー
はじめに
会社のようなチームを、全国の別キャンパスの生徒と組む
下の写真は、プロジェクトN β の3月最終発表が終わった後の、横浜キャンパスの内川さんの様子。これまでと大きく異なる特徴は、他キャンパスの人と進めていること!
実は、キャンパス内でチームを組むのではなく、全国横断でチームを組むという新枠組みでした。
会社のような組織・連絡系統もありました。具体的には「WEB制作担当」「メインステージ担当(生放送やアーカイブ担当)」など。冒頭の写真に映っている内川さんの場合は、Hブロックの「実行委員」を担当していました。
WEBサイト・生放送・集客。オンラインイベントを作り上げる!
そんな新枠組みの授業で取り組んでいたのは、通称『伝統芸能プロジェクト』。正式名称は『伝統芸能の魅力を世代に広める、オンラインイベント 企画・制作・運営 プロジェクト』でした。予算も用意された上で、WEBサイトと生放送を企画制作。
出演者のブッキングを含め、イベントづくりは勿論、集客も生徒が行いました。SNS広告は必ず実施。もしかしたら、この広告を実際に見かけた方もいらっしゃるかもしれません。
期間中は、林家たい平師匠や、WEBアナリティクスの専門家に、ご教授いただくことができました。最終発表では、WEBアナリティクス、生放送、伝統芸能の専門家に見てもらい、評価していただきました。
そんな挑戦的かつ盛り沢山のプロジェクト。生徒の皆さんはどう取り組み、どんな学びがあったのか?後輩たちに、残せるどんな知見はあるか?どんなものがあるか?この為、全国の生徒の皆さんに座談会的なインタビューを実施しました。今回は、そんな特集です。
全国の教職員推薦の皆さんが集結!
教職員から「他の皆さんにも聞いてほしい成長があった / 活躍していた!」と名前が挙がっていた皆さんです(名前が挙がっていても、人数の関係で呼べなかった方が、沢山います。呼べなかった方は、申し訳ないです!)。
座談会参加者
内川さん(横浜CP):Hブロックで実行委員
藤本さん(江坂CP/移転後は梅田CP):Cブロックで音楽部門の部門長
松下(こ)さん(池袋CP):Dブロックのメインステージの部門長
曉谷さん(大宮CP):Hブロックで本体webサイト担当
山口さん(心斎橋CP):Iブロックで音楽部門の部門長
松下(え)さん(柏CP):Dブロックの舞踊部門で部門長
村上さん(代々木CP):Gブロック実行委員長
※インタビューはプロジェクト終了直後に実施。構成は変えています。
最難関プロジェクトは報連相が鍵?
-まずは、振り返ってみて「どんなプロジェクト」でしたか?
藤本(Cブロック 伝統芸能 音楽部門):
今回のプロジェクトは、他の部門との連携が難しかったですね。例えば、他の班からスローガンとコンセプトの2つが流れてきて。「結局どっちに従えばいいのか?」と1時間くらい話し合ったりして(笑)
藤本さん紹介:
Cブロックの担当教職員曰く「音楽部門のリーダーとして雰囲気醸成が抜群にうまかった。笑顔あるチームを作っていた」とのこと。普段の活動は、ライブの企画制作。あとは自分自身も楽器演奏をしています。江坂(現:梅田)キャンパス所属。
村上(Gブロック 実行委員):
このプロジェクトは遠隔なので、報連相(報告・連絡・相談)がとても難しいと思っていて…。議事録に各班の情報を集めたりしていました。特に関係構築(コミュニケーション)が鍛えられました!
一同:(頷き)
村上さん紹介:
Gブロック担当教職員曰く「全体を見事にマネージメントすることができた。」とのこと。マイプロジェクトをやっていて、N高内で新しい部活を立ち上げる活動をしています。代々木キャンパス所属。
全国で作り上げるプロジェクトは楽しかった。・・・けど最初は不安だった!?
内川(Hブロック 実行委員):
1月の初めに「このプロジェクトをやります」という発表があった時、驚きが大きくて(笑)。テレワークは世の中でやっているものの、自分も知らない他のキャンパスの人とやるというのは、不安と驚きが大きかったです。
内川:実際にやってみると、ここまで大人数でプロNをやるのが初めてだったので、全員で一つの企画を作り上げる過程が面白くて、楽しかったです。一番鮮明に頭に残っています!
内川さん紹介:
伝統芸能プロジェクトでは、各チームの緩衝材として大活躍。担当した教職員曰く「他者との接し方が素晴らしかった」とのこと。今回のプロジェクトの最終発表会のトップバッター。
横浜キャンパス所属。3年時は、ITパスポート・経済・経営の勉強が中心。
山口(Iブロック 伝統芸能 音楽部門):(プロジェクトのキックオフ時は)オンラインでこういうプロジェクトをするのってN高らしくて楽しみでした!
山口:初めて会う別のキャンパスの人とプロジェクトを進めるのは、最初は、不安が大きかったですが…。最初のうちは、皆、大人しかったのですが。途中からは、皆、住んでいる県が違うので「私のところは今日は暑い」とか「私のところは今日は寒い」とか話を聞けるのが凄い楽しくて(笑)。
山口さん紹介:
発言の少ないメンバーとのチームビルディング、外部ゲストとの交渉で活躍。心斎橋キャンパス所属。普段は、受験勉強や中国語の勉強。プロジェクションマッピングづくりの参加も。
曉谷(Hブロック 本体WEBサイト):これまでは、デザインができる人同士の連携が全くできなくて、自分は物足りないことだったのですが…、(WEB担当同士がチームとして集まることで)今回はそれができたことですね。凄い良かったです!
暁谷さん紹介:
担当した教職員曰く「ザ・主体性」。WEBサイトの構築に大貢献!デザインを完成させるべく、自ら各部門に赴いてデザインを完成させていきました。
普段のAL活動では美大受験に向けてデザインを頑張ってます。大宮キャンパス所属。
松下こ(Dブロック メインステージ):
「尺八奏者と高校生がセッションする」という企画をやりました。他のキャンパスの皆とも集まってセッションしたので、セッションを通じて交流できて、楽しい経験をすることができました!
松下こ:「尺八って一個の音しか出せないんだ」という思い込みがあったのですが、いろんな音が出せるということがわかって新しい発見を得ることができました。
松下さん紹介:
担当した教職員曰く、「プロジェクトマネジメントの鏡的な存在。それに加え動画の編集なども行ってくれました。どこへ出ても恥ずかしくない」とのことでした。
池袋キャンパス所属。普段は、デザインの勉強をしており、インターン先で頼まれたデザインも担当しています。
松下え(Dブロック 伝統芸能 舞踊部門):初めての人と一緒に作業することは、凄く緊張しました。学校が無い日も考えていました(笑)。「どうやっていけば良いのだろう?」「そもそも伝統芸能って何から調べたらいいんだろう?」「制作をする時もどう分担したら良いのか?」とか。
松下え:他のキャンパスと交流ができたのがめちゃめちゃ楽しかったです。例えば、作業中に「他のキャンパスで流行っていること」を聞いたりしたんですよ。「(別の時間に進めている)ポートフォリオ制作どうなっていますか?」…などと。そういう、ちょっとした雑談で、他キャンパスの日常が伝わってきたのが、もう楽しかったです!
松下さん紹介:
企画を積極的に出す、企画書の細やかさから全体のスケジュール管理など良い点を挙げたらキリがない活躍を見せました。企画が行き詰ったりしたときに、部門全体を鼓舞しプランを修正しながら完遂させた点が、全国でもなかなか稀有な存在。
柏キャンパス所属。普段はイラストを描いたりAdobeAfterEffectで動画を作ったりしています。
タスク管理が難しい!?スケジュール通りに進んだか?
ー折角集まっているので「他のチームに聞いてみたい」と思うことがあれば
内川:最初に「何月何日までに終わらせる」と決めていたと思うのですが、その通りに終わったのかどうか教えて欲しいです。Hブロックの場合は、ほとんど終わっていないです(汗)。企画倒れしているところもあったので、他のブロックのことを聞きたいです。
松下こ:12日の生放送に向けて「尺八奏者の方と6日までにする」「10日まではYouTubeの概要欄とかを変更」となったときに、あと1週間もしないうちにMVを作って全部編集する必要があり…。
松下こ:10日までに完成しなくて、音源の収録時間が(中略)本当にぎりぎり。動画が出来上がったのも11日でした(汗)
藤本:実は、僕のグループは結構納期が守れていて。なぜかというと、みんなできることが違っていて。音楽作れる人、WEB作れる人、文章が書くのが上手い人、と勢揃いしていたのですよ。それで、役割分担がめちゃくちゃ早く進んで。納期も余裕で間に合いました。メンバーに余裕があるので…。メンバーに恵まれました。
内川:羨ましいな…!それまじで…(笑)
山口:私のところも、役割分担ができて。結構いけたんですけど。
山口:(危なかったこととしては)一人目にアポを取った時、無理になってしまっていて。二人目の時も危なかったんですけど、最終的には快く受けてくださって。あとスマホで見れるようにしていたんですけど、バグが結構あってそれが大変でした。
内川:有難うございます。結構、自分たちが想定していない遅れが、こういうやつだと結構起きてしまうのかなって思っています。やっぱり、そのへんが一番大変だったのかなって自分も共感します。
村上:うちのブロックとかは、割と頑張って期限に集中したんですけど、期限というのがなくなるくらいでした(汗)
村上:メインステージとかはゲストにオファーする企画だったんですけど、失敗して…2回ほど断られて…急に方向転換して、成功させて。(最終的に)賞をいただくことはできましたが、結構、タスク管理は難しかったなという印象です。
内川:僕も村上さんと(実行委員という)立場が同じだから凄いよくわかるんですけど、タスク管理が本当に大変で。間に合うところを放置して、間に合っていないところをする感じになってしまって。気配りが難しいというのはありますね。
松下え:自分のところは割とスムーズに進んだんですけど力技でした(笑)。自分が一人で企画を考えて、それを授業の冒頭でポンと投げたんですよ。「ペルソナがこれで、趣味がこれで、SNSをこうやっている人で…」って。口頭で説明して「どう思いますか?」って聞いて、何か(意見が)あればそれを付け足して。あらかじめ土台を作って投げちゃったんですよね。だから割とスムーズに進みました。力技なんですけど。
内川:最初の基礎がしっかりしているとズレないですよね。
情報整理した報連相slackがプロジェクトを制す!?
ー事前に情報整理をして進める方法は、素晴らしいですね。
松下え:すごくネガティブなんですよ。自分が言ったことに対して「跳ね返されたらどうしよう」と思って。なので、授業の冒頭で、自分の発言内容をメモでまとめておいたりして、色々頑張っていました。
松下え:自分はその日発言する内容を、(パソコンのメモ帳などに)あらかじめ打っておいて、授業が始まってすぐslackのチャンネルに投稿する。「今どういう状態なのか」「今日何したいのか」「どこまでやったらめっちゃいいよ」とか、タスクを打って流しちゃうんですよ。それで「今日はこういう感じなんでこれやりますか」とか「どうします?」とかやって。スムーズでした。おすすめです!
補足:松下さんは、投稿する前に、自分一人のDMで内容を確認して、段落や引用先のURLに異常なく飛べるかも確認。さらには、段落や言葉遣いにもこだわっていたとのこと。
村上:良いですね、参考にします!
山口:今回はzoomなので、直接「ここ、どうだった?」って聞けないので、事前に調べておいて欲しいとか伝えて。「みたら絶対スタンプ押してね」と。そういうことをしたら、捗りますよね!
松下え:あと、終わったとも、今日はここまでできたとか、これできなかったとか。そういうの大事ですよ。
藤本:僕も松下さんと同じことをやっていました。今日やることを全部書いて送って。「宿題にして、ここ調べてこようね」ってして。(授業の終わりに)それを最後に確認する、という作業をしていました!結構、良いですよね。
松下え:話がそれないから、良いですよね。脱線しないですよね!
補足:松下さんは授業内容のメモはデジタルだけでなくアナログでもとっていました。さらには、集まった情報や作業の優先順位、企画立案までの考察を整理していました。
さらに補足:松下さんは、他にも「役立ちそうなリンクスレッド」を独自に作成し、情報を残すために投稿していました。なんと、スレッドに83投稿!?
雰囲気作りに、全ブロックが大注力!
内川:情報連絡をするときに、言い方が結構キツくなりがちな人がいて。鋭い意見を言ってくれるので、企画は良くなるんですけど。ただ、それをそのまま伝えたらマズい。ワンクッション置いて、なんとか関係性が悪くならないように…モチベーションを保てるように…って言うのをずっとやっていました。
松下え:大変ですよね(笑)。私は、今回のプロジェクトが始まってすぐ、自分のグループに、内通者(意訳)を作って「雰囲気作りを手伝ってください。一緒にやりましょうよ!」と言う連絡を送っていましたね。
内川:そういうの大事ですよね!(笑)
松下え:仲間を作らないと!(笑)
山口:slackでやり取りすることが多くて。文字なので、どうしても冷たい印象になっちゃうんです。なので「絵文字」をいっぱい使ったり、言葉を伸ばしてみたり、「顔文字」を使ってみたりして…。きつくならないようにしていました。あとは、zoomは反応が凄くわかりにくいので、頷きを大きくしてみたり。「うんうん」とか「それいいよね」とか、合間合間に声をかけると言うのを意識してやっていました。
松下え:凄い、わかります。それ。自分のところも意識して絵文字やってました。「ニコニコ」とか「ハート(❤️)」とか(笑)
山口:今まで打ったこともないような、絵文字とビックリマーク(❗️❗️❗️)を大量に使いました(笑)
村上:わかりますよ。僕も頼み事する時、お辞儀のスタンプ連打していました。(…と言いながら、お辞儀のポーズ)
一同:(笑)
藤本:「リーダーの笑顔はチームの雰囲気を大きく変える」と思っているので、笑顔で他人の話を肯定していました。ずっと自分がヘラヘラじゃないですけど、笑顔でいるんです(笑)。議論でたまに言い争いになる時も、「そうだね!」と。ほんわかな雰囲気でいたかったので、笑顔でいます。
補足:Cブロックの担当教職員曰く「藤本さんは、音楽部門のリーダーとして雰囲気醸成が抜群にうまかった。笑顔あるチームを作っていた」。この秘密が、少しわかった瞬間でした!
松下え:作業中にメンバーから教えてもらって。スナップカメラで、これでいました。
(スナップカメラで茄子に変身)雰囲気作りにおすすめですよ?
松下こ(同じブロック):ブロック全体が和んだ感じしますよね。
内川:zoomならではですね(笑)
村上:Gブロックは、僕も"ほんわか"いきたいタイプなので、それこそずっと笑っていたのですけど…。期限が危ない、守らないと、というときはメリハリつけて鬼の形相していましたね。「危機感持ってやりましょう」という風にしていました。
松下え:大事ですよね。難しい。
山口:私はタスク管理がすごい苦手で、メンバーが教えてくれて助かっていました。
村上:良いですね。そう言う助け合い精神。
話題は尽きない「役割分担」の話
内川:Hブロックでは、役割を最初に決めていたんですけど、時間が経つにつれて、終わっていない班に手助けできる人が増えました。例えば「自分は動画編集できるんで動画編集の人のところに助けに行きます!」とか「デザインできるんでデザイン助けに行きます!」とか。最後までslackが活発に動いたのでコミュニケーションがうまくいったと思います。
松下こ:…(メインステージ担当は)生放送制作とアーカイブ制作を同時に進めなきゃいけない。なので、6人チームとはいえ、役割を2つに分けるのが難しかったです。生放送だけに絞っても、視聴者数をしっかり考えていかなきゃいけない。どういう系統の番組にするかも考えなければいけない。最初は同時並行の作業に戸惑いましたね(汗)
松下え:私のチームが担当した舞踊部門では『舞踊×ダイエット』ということで振り付けを考えたんです。ただ、ダンス経験者が1人しかいない(汗)どうやったら振り付けが良いのかも全くわからなくって。振り付けが良いのかも全くわからない。
松下え:で、音を4等分して振り分けたんです。そこから時間をとって振り付けを一個にしたんですけど。ダンス経験者じゃない人との差は大きくて、難しかったんですけど。ただ、その時間がめちゃくちゃ楽しくて。楽しかったけど、大変でした(笑)
曉谷:WEBの担当をしていたんですけど、うちのチームは部門ごと(音楽・舞踊など)に担当を決めて、その部門担当に話をきいて「どういうのをやりたい(実装したい)」っていうの聞く、というやり方をしました。
曉谷:その部門で、和楽器を擬人化するアイデアが進んでいたんですけど。デザインの担当が2人いて。ただ、2人のデザインに差がある。良いものを作るときは、はっきり言わないといけなくって。どちらかに寄せると、もう片方の肩には、別の仕事を作ってもらわなきゃいけなくて。それが、凄く自分の中では難しいけど…。言わなきゃいけない。凄い印象深かったです。
予算を使い切るのは難しかった!?
村上:デリケートな話なんですけど、みなさん資金(予算)ってどれくらい使いましたか?
一同:(様子を伺う)
内川:うちはゲストをほとんど呼んでいなくって。逆にゲストを呼んでいないんだったら、有料の画像を使おうという話をしたんですけど、それがめちゃくちゃ高くって(笑)。3万円とかで。えーっ!となって。なんやかんや使わなかったですね。結構残りました。
村上:なるほど。じゃあ、似ていますね。うちも結構余りました。
山口:音楽部門は、2人目に打診した方がお金が全然いらなくて。「ボランティアで無償でやりますよ」っていう方で。それがなければ、ゲストがいる企画は無理だったろうなと思います。
補足:山口さん曰く、今回のプロジェクトの頑張ったところは「和楽器のクイズ」。和楽器の経験者がいない中大変だったが、演奏家の方にアポを取ってコメントを送ってもらい、演奏してもらえることに!「格好良い」演奏に盛り上がったとのこと。
ー会社でありがちなのですが「お金は全部使うことで、より目標を高く達成できるチャンスがあったかもしれないのに、そのチャンスを失っていたのは勿体無い」という視点があります。意味がないものに使うのはNGですが。そういう点で、授業制作担当としては、予算は使って欲しかったけど…
一同:(ふむふむと頷く)
村上:どこに使って良いのかが、難しかったですね。使いたいところはあったのですけど、自分たちの予算じゃ全然足りなかったです。
内川:お金を使うっていうのはここ2-3年で初めてのことだと思うので。使うのに躊躇して…。もうちょっと、思い切ったことをすればよかったと今は思います!
全国で応援し合う結束
-いくつかの中継…。例えば、講演がありましたが、いかがだったでしょうか?
村上:林家たい平師匠が来たとき「技術を育てるというよりも、人間性を育てて、観客に伝えるのを意識する」というのを話されていて。技術よりも大事なのは人間性だなと思って。Webも人のために作るものなので、真心を込めて作るというのを意識したし、大切にしました!
-では、最終発表の中継はどうでしょう?
内川:スライド作りに苦労していました。今までのプロジェクトでは、キャンパス内の4〜5人グループなので、全員に意見をきいてスライドにしていました。ただ、ここまで人数が多いと全員の意見を入れることができない。なので、いかにHブロックメンバー全員が納得できるスライドにできるかに注力しました。
補足:最終発表では、「WEB解析師」「生放送サービス運営者」「伝統芸能に携わる方(吉田兄弟!)」など、プロの方に見ていただきました
村上:Gブロックの場合は実行委員が主体となって最終報告会用のスライドを作っていたんですけど、僕が他の作業で忙しく、手が空いていた音楽班にスライドを作ってもらいました。そのことによって音楽班は自分たちが伝えたい内容になったので、プレゼンする時は伝えやすい形になったと思います。
山口:私は発表者じゃないんですけど…。今回は大規模で発表するので、自分も発表者に「頑張れー」だったり拍手したり。発表中に、チャットを動かすのは活発でした。
内川:(発表中に)スラックとかzoomのチャットに「頑張れー」とか言ってくれるのが初めてで…。
内川:びっくりしたんですけど、それが凄く嬉しくて。あの瞬間が頑張って良かったなと思います(笑)
ー喜び、悔しさ、別れたくない。色んな涙を、発表会後の、各ブロックのお別れのZOOMで見ました。
藤本:振り返った時に「楽しかったな」という話に(Cブロックの)みんなでなって。それでSNSを交換したり…。
曉谷:今回のプロジェクトで楽しかったのは、他の地域の人と話せる…例えば「関西弁を聞ける」こと(笑)。普段は関東に住んでいるので。普段だったら顔を合わせることがない皆さんと交流できた。
村上:同じキャンパスで、音楽班の人は誰もいなかったのですが。プロジェクトではすごく和気藹々と話して。最後の方には、皆が同じキャンパスのような仲の良さになっているのが良かったです。
プロジェクトNのススメ
ー最難関プロジェクトをくぐり抜けてきました。色んな知見を有難うございます。最後に、新入生に向けて「プロジェクトNは、こんな思いで取り組んで欲しい」というメッセージを!
内川:まずは、とりあえずやってみることが大事だと思います!
最初はスライドの編集方法だったり、できないことだらけだと思うので。まずは何か1つ、プロNを通して経験してみることで、自分が楽しいと思えたり興味あるものを見つけられれば、それがN高の自主的な学びの第1歩になると思います。そこを意識して欲しいと思います。
山口:私は、入学当時、人前で話したり前に立つことがすごい苦手だったんですけど、今回リーダーを立候補する人がいなくて、やらなくちゃいけなくて。やってみると、他のメンバーの人がすごい補佐してくれたり、自分的にも成長できたと思います。
山口:音楽の方にアポを取るのも、自分からメールを送ったり、zoomでお話をする時にも「参加させてくだい」といってみたりしました。なので、苦手だなって思うことでも、気持ちが変わったり、成長することもあるので、まずはやってみることは大事。今回は凄く学びました!
補足:山口さんは、今回、初めてリーダー役をやりました。「挑戦しようと思えるようになったのが、このプロジェクトで自分が成長したことかなと思っています!」とのこと
松下こ:僕は、今回も、前回のプロジェクトである『農業遺産のミライプロジェクト』でも、実際に現地の方に連絡して、実際にフィードバックをもらった状態のものを、最終発表に持っていきました。
松下こ:そういう経験、いわばプロジェクトの域を超え、他ものをやってみるのもプロNならではならではだと思う。
▼農水省コラボで、エコプロ2020で農水省担当に発表することに。
松下こ:普通の授業だったらあまり推奨されないことでも、プロNだったら、逆にそういうのも評価してくれたりだとか。本当に自分のためにもなるし、本当に提案してみることもできる。
今回のように「実際に実施してみる」のは、自分の力になるのは勿論なのですけど…。やったことがない範囲の物をやるということで、0だったものが、1にはならなくても0.1にはなると大きく感じています。
村上:熱意さえあれば、自分の技術も追いついてくる。ひとまず、挑戦して…例えばプレゼンテーションも、1回作ってみれば次回は慣れてくると思う。とにかく「やってみる」を続ければ自然と技術も追いついてくる。自分に自信が持てない人がいたら、そこは全然不安要素じゃないよって感じです。
松下え:「プロNって楽しいな」って思うのは、プロNって毎月違う課題について取り組むじゃないですか。なので、使ったことがないAdobe製品を触る機会が増えるし、あとは、「前回できなかったけど今回はスライドを頑張ってみる」とか「ドキュメントで企画書作ってみる」とか、そういう新しい挑戦が出てくるんです。
松下え:やるだけでそれも染みつくし。課題にぶち当たって、悩む時間それもがあるのですけど、悩めば悩むほど、記憶が濃く残る気がして。
松下え:プロジェクトが終わった後も道を歩いてると、「あ、高架下だ♪」とか「SDGsのCMでやってる」とか、「この広告、この媒体で、ターゲットはどこだろう?」とか…プロNを思い出したり。
松下え:「自分だったら、この企画はこうするな」「全国発表で他のグループが発表するときにプレゼン上手いな。企画の時間に拘って、削って削って時間以内にプレゼンをおさめようとしているんだろうな」とか。そういう見ている側じゃなくて、作るの目線もしっかり養っていく。強くなっていく。
そんな風に、プロジェクトNは、技術者、制作者の目線でも見れるし、仲間として「あの人頑張っているんだ」とかそういう目線で見れ、身についていくんだなって思います。
インタビュー後記
インタビュー前半に垣間見られたような、苦労や試行錯誤が垣間見られたころ。授業制作スタッフは、こんな話をしました。生徒たち自身が、グループの中で鼓舞をして結束した言葉の引用でした。そして「その言葉を全国の全員に話してほしい」と、その生徒たちに言われたものでした。少し長いですが記します。
今回、初めてチャレンジすることも多く、その度に新しい知識や技術が身についていると思います。つまり、みなさんはものすごいスピードで成長しているのです。(中略)ただ、自らの行動を今一度振り返ってほしいです。自らのコミュニケーションで、他の人の成長を止める行為はやめましょう。(中略)今回のプロジェクトではキャンパスの垣根を超え、距離という物理的な壁を超え、オンラインだけで目標達成するという全く新しいチャレンジを全員で取り組んでいます。私たちは「チームN高」なのです。生徒も職員も、全員が一丸となって協力しあい、1つの目標に向かって同じ方向を向きながらプロジェクトを成し遂げたいと考えています。だからこそ最後には、お互いの努力や実績を認め、そして称えあい、お互いが成長を感じてもっと高みを目指せるよう、同じ目標を持ってプロジェクトを完遂させましょう!
実際どうなったでしょうか?インタビュー後半でも言及されていた、結束や、チームを超えて称え合うことは顕著に見られました。それだけでなく、プロジェクト後も連絡先を交換する「仲間」になる姿も。最終的にこの難題なプロジェクトを「チームN高(当時はS高は開講前でした。念の為)」としてやり遂げたことは本当に宝であり、前向きに取り組んだ生徒の皆さんの力であると感じております。また、ご協力いただいたゲストの方々にも強く感謝です。引き続き、成長にひもづく授業を制作して参ります。
[補足]
松下さんは、通学コース・新学期の新入生への挨拶にも登場。プロジェクトNガチ勢の1人として(以前、noteで紹介した高橋さんよりガチ勢?)、「友達作り」と「プロジェクトN」の二軸で、新生活へのエールを送っていました。・・・「頑張れ!」
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