接客サービス業のルールとマナー
最近サービス業の様々な業種業態で生活の源
であるお客様の存在を無視した公私にわたる
行為行動がとても目立つ社会環境です。
それが極端に表れているのが大切な人の心の
感じ取れないスーパーマーケットやコンビニ
での「ありがとうございました。」のひと言が
コロナ渦を境に減少している現況です。
日本人の心である調和の心身の活動、
一人の人として人間らしさの心を表す
【知足、感謝、敬意表現(リスペクト心)】
の表現伝達に大切な『思い遣りの心』への
原点回帰の取組み不足と感じています。
同時に、人口の少ない地方都市と中型以上
の都市の競争力の格差は否めません。
サービス業のルールとマナー
おもてなし、接客や接遇サービスの際
人として必ず意識して置くこととして
応対と対応(下図)があります。
人と相対するおもてなし・接客サービス
の所作やマナーは応対に属します。
おもてなし・接客マナー・ルールは、
どちらかと言うと人と相対する応対で
対応は、対象となる(人・物事総て)に
対し、その状態・状況を観察察知して、
受け答えをする心身の活動です。
「応接室・応接間」と言う様に広く人=
お客様に対しもてなす心身の活動です。
【参考】英訳
この両者を英語で
以下のように言われます。
応対=reception(レセプション)
応対する receive callers
対応=correspondence(コレスポンダンス)
対応する correspond
応対は、 receive callers と言い
全てを受け入れる意、
対応はco-response と言い
相手の出方を覗う意です。
接客ルールと接客マナー
その違いを知り理解する
接客サービス業や対人関係の仕事に
限らず「ルール」は、定められた規律
規則をどのような場面でも文面通り
に適用されるのに対して、
「マナー」は人が対象で受答えする人
の思い遣る心が現れその時の相手や
シチュエーションによって変ります。
即ち、【ルール】は、マニュアルで、
【マナー」は、手引き書(テキスト)です。
あなたはルールorマナーのどちらを主に
意識してお客様に接していますか?
おもてなし・接客業だけでなく仕事を
する時に、最初の基礎事項とし教わる
のが仕事の定められた[基本ルール]です。
おもてなしや接客サービズ業の場合は、
お客様に接する際の基本ルールとして、
⏺お辞儀の[ルール]
⏺挨拶の[ルール]
⏺笑顔の[ルール]
⏺接客用語(言葉遣い)の[ルール]
⏺姿勢、歩行の[ルール]
⏺清掃/整理/整頓/清潔の[ルール]
⏺報告連絡の[ルール]
⏺コンプライアンス
・・・等々です。
そのルールが端的に表れる例ば、
感謝の心の感じられない形ばかりのお辞儀、
本人に合わない不自然な作り笑顔です。
形だけのお辞儀とか笑顔は、接客サービス
の基本としてしなくてはいけないルールと
受止め無理にやらされている事例です。
この様な押し付けとも言える
「しなくてはいけない」接客のルールは、
即ち、人間であるお客様中心に接客する
マナー(=思い遣りの所作)応対ではなく、
相対する側がこちらがしなくてはならない
と指示されてする総てが対象の対応です。
人として無理して作ったり、わざとらしい形
だけでは人間らしさの心が感じられません
から長続きせず必ず崩れます。
それとは逆に応対=思い遣りは人間が対象
であり、「お客様の立場」で自分が心の有る
一人の人としてお辞儀や笑顔の大切さに
気付き心に感じた 「思い遣り」マナーは
心の中からに身に着くのです。
それは人心が基礎故に決して崩れません。
「ルール」はマニュアル化が出来る形や所作、
作法を身に着ける為の第一歩で基本であり、
この「ルール」を守る事は仕事の基礎(礎)です。
接客に於けるルールは、スポーツに例えれば
基礎体力を作る目的と同じ応対の基礎です。
これ無くてはならないものですが、
それだけでは心の感じられる「おもてなし」
をすることが出来ません。
ある程度ルールの基礎である「形」をマスター
が出来るようになったベテラン接客スタッフ
の人でも相変わらずルール=形ばかりに固執
している方も少なくないように見受けます。
それは、何故でしょうか?
しなきゃいけないからするのでしょうか?
「ルール」の源、即ち何故形として表さなく
てはならないか(目的・定義)が未知ゆえに、
ただ守っていれば良いと勘違いしている
場合が多いからではないでしょうか。
マナー(思い遣りの形)は、
人間が気持ち良く日々生活して行くための
生きる知恵で個々人が自発的(自主的)に守り、
思い遣りの心を表す行う心身の活動です。
突き詰めて言えば、
接客マナー・もてなしの所作は、触れ合う
お客様個々人を思い遣る心を以って遜り尊び
感謝する心敬う心「気遣う気持ち」の現れです。
接客業のマナーの心(=思い遣る心)を確り
理解し弁えた上で唯一無二のおもてなしや
感動や余韻の残る接客応対が出来るのです。
このような〈接客ルール〉と《接客マナー》
の違いを確り認識しておく必要があります。
一人ひとりの接客スタッフが自分の
《大切な人に接する心でお客様に応対する》
サービスをすることがマナーの原点である
【マナー】は大切な相手を《思い遣る心》
を表す《形》であると自覚認識しましょう。
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📖おもてなし・接客業のルールマナー修得
お客様を人として心からの笑顔に出来る接客人
を育むポイントは、一方的に教えることよりも
積極的に「教育と共育、協育・協動」を意識して、
本人の【気付き】に繋げるように導くことです。
【マナー&ルール指導時のポイント】
ここで大切なことは教える人、教わる人
共に、何故❓の意識で思考し取組むこと。
1. 社会人として、躾・ルールの
必要性を認識させる
2. なんの為に身に着けるのか、
その目的を明確にする
3. ルールとマナー(躾)の境界線を共に考える
4. 接客や業務の手本になれる
スタッフの個別指導を行う
5. 結果や成果の予測を共にする
6. 毎日の唱和や朝終礼によって
意識を植え付ける
7. 基本動作、基本態度を教え実行させる
8. 基本挨拶の仕方と目的を教え実行させる
9. 指導、監督者個々人に不足している
適切な「しつけ(躾)」をして行く
10. 指導、監督者に手本となれるよう教育を行う
11. 指導、監督者による教育育成、
個別面談診断を行う
12. 指導、監督者の指導方法を
チェックし、成果を確認する
13. 職場の基本ルールの実行度合いの
相互チェックをお互いが行なう
14. 個別指導により意識及び習得確認する
15. 全員で基本ルールを作成する
16. 本人の資質、能力を量る
17. 個別に習得の目標を明確にする
18. 個人の能力に合わせ、目標に
対する手段方法を教える
19. 定期的に面談し、個別目標の
習得度合いのチェックを行なう
20. 管理者は指導、監督者に
対して個別の指導方法をアシストする
21. 受皿となる色々な資料を作成し与える
22. 個人指導を行い習得度合いの評価を
伝達しモチベーションを持たせる
23. 業務現場においてポイントのチェック及び指導する
24. 指導を受ける人に、随時フィードバックを行う
25. ルール、マナーの徹底にはチームワークの重要さを説く etc.
【採点】
有=3/多少有=2/?=1/無=0
※ルール、マナー(躾)は、なぜ必要なのか、
どういった効果があるのかと言う目的、
得られる成果を理解認識させることです。