三体Ⅱ 黒暗森林(上) 第一部 面壁者2・3が私は好きだ 2024/04/23開始、2024/04/24更新
最高の小説に会ってしまった。
Audibleで聴けて良かった。
最高に心地の良い気温、最高の風、最高の季節。
春の夜のひんやりとした風が、私は好きだ。
Audibleで聴き終えてもなお、本で読みたいと思える本が最高の本だと思った。
第一部 面壁者2・3を聴きながら、今日は帰宅の路についた。
小説の内容と相まって、こんな問いが生まれた。こんな問いを思いついた。
第一部の面壁者2から3にかけてが、最高に好きな箇所だった。
おそらく、特に第一部の面壁者3が、私は好きだ。
この作品を小説として読めて良かったと思えた瞬間だった。
この感動は、Netflixのドラマ版では味わえない。
ルオジー≒ソールの内面を、立体的に描いている。
ソールが面壁者に選ばれた理由がよく分かるエピソードが満載だ。
ソールが、彼女バイロンから、「最高の女の子」をテーマに、5万字の小説を書いてと頼まれた。
ソールは言葉で表現し描く。
バイロンは、「小説のプロットから考えてはだめ。10分のシーンには、それまでの人生の全ての重みがある」と言う。
そこから、ソールはその女の子が、お母さんのおっぱいを飲む乳児の頃から今に至るまでの人生を、深く、息を潜めて、想像し、観察する。
映画『インセプション』のように、実際の時間の流れよりも、想像の時間はゆっくり流れているのだろう。
深く、深く、深く、深海にダイブする。
このダイビングの体験が切なくて、楽しげでとてもイイのだ。
ルオジーと精神科医との、恋をテーマにした会話も興味深い。フロイトを想起した。
第一部の面壁者2から3の段階では、面壁者が誰かが分かっていない。
ウォールフェイサーという言葉がかっこいい。
この言葉に反応してしまうのは、中二病の印なのかもしれない。
いずれにしても、中二病的なワードだ。
以上