謎のお歳暮
我が家は昔、旅館業を営んでいた。
当時は下宿人もたくさんいて、一風変わったキャラクター達にも出会った。
普段は少しおとなしい感じの小学校の教頭先生。我が家には3年程滞在していたと思う。
ある年、この人からいただいたお歳暮が、私たち家族にとっては未だ謎なのだ。
頂いた小さな箱を、母は、お歳暮にいただいたものだと言っていつも通り仏壇に供えた。
夜になって、私はその小さな箱に何が入っているのかとても気になった。
小学生の私は、お歳暮=美味しいお菓子だと思っていた。
「チョコレートかな~。それともクッキーかな。」
母に聞いてから、その箱を開けてみた。
それを横で見ていた母は、私の手元から箱を無言で取り上げた。
私は何が起こったのか、とても困惑した。母は血相を変えて、
「これは間違って家に来たものみたいだから、あの先生に返さなきゃ。」
と言ってその場を立ち去った。
翌日その箱は、ゴミ箱に捨てられていた。
大人になってわかったのだが、お歳暮の中身はコンドームだった。(汗)
ジョークのつもりだったのか、ただの間違いだったのか、、、
中身を知らなかったとはいえ、仏壇にお供えって、、、笑
謎のお歳暮。