山口百恵さん〜昭和の思い出
私にとって、生まれてはじめて夢中になったスターが伝説の歌姫、山口百恵さん。
私にとっての生まれてはじめては、百恵ちゃんばかり。
はじめて観たドラマ→山口百恵主演「赤い疑惑」。
はじめて買ったシングルレコード→山口百恵の「冬ありがとうあなた」。
はじめて買ったLPレコード→「赤い疑惑」のサウンドトラック(だったんじゃないかなーーー)。
はじめてのコンサート→地元の商店街企画の「山口百恵ショー」
はじめて部屋に貼ったポスター→百恵ちゃんのフジカラーの宣伝用ポスター。
はじめて買ったブロマイド→百恵ちゃん
はじめて飼った犬→「赤い疑惑」で百恵ちゃん演じる幸子が飼ってた犬種。
こうやって書き出してみると、自分でも呆れるくらい百恵ちゃんに明け暮れた。とにかく百恵ちゃんは、昔も今も、私にとっては最も憧れている女性だ。
百恵ちゃんの出演したドラマで一番印象に残っているのは、なんと言っても前述の「赤い疑惑」。お父さんの勤務先である病院で起こった事故に巻き込まれて、百恵ちゃん演じる主人公が、不治の病の白血病を患ってしまう。これだけでも小学生の私には十分ショッキングな話だったのに、回が進むにつれてストーリーはもっともっと衝撃的な展開になる。自分を愛して育ててくれた両親は、実は叔父夫婦だったことが発覚し、そしてあろうことか、主人公が愛した男性は異母兄弟だったと言うストーリー。再放送やらビデオやらで何度も観ているので、もちろん今は話の内容を完全に理解できているが、最初に放映された時には、一緒に観ていた両親に、
「今のってどういう意味?」
と、ちょくちょく聞いて、うるさがられていたように記憶している。
次々に訪れる試練に苦悩し、奮起し、愛する人の腕の中で穏やかに旅立っていくティーンエージャーの役は、当時の百恵ちゃんにしっくりくる役だったと思う。名作中の名作だと思う。
百恵ちゃんのレコードは、どれも何度も何度も聞いていたので、どの楽曲にも思い入れがある。だから好きな曲を一曲選べと言われても選ぶことができない。でも、レコードのジャケットは、大のお気に入りのものがある。それは百恵ちゃんの7枚目のスタジオアルバムとなる「ささやかな欲望」というLPのジャケット。グレーのタートルネックのセーターに身を包んだ百恵ちゃんが、右側に傾けた頭を手で支えている写真。一世を風靡しているアイドルとは思えないような、なんともシンプルなそのジャケットの写真は、百恵ちゃんの飾らない美しさを表現しているようだった。控えな美しさが輝いた一枚だと思う。
「横浜ストーリー」を歌ったあたりから、百恵ちゃんは一気にセクシー路線に突入した感があって、当時の私にはちょっとしっくりこなかった。そして婚約発表の時の百恵ちゃんは、もはやしっとりした大人の女性になっていて、アイドル時代の百恵ちゃんを懐かしく、恋しく思ったものだ。
しかし今改めて考えてみると、結婚した時、百恵ちゃんは若干21歳の若者だったわけだ。21歳にしてあの色っぽさと貫禄。やっぱり百恵ちゃんは昭和を代表するスーパースターだと思う。
結婚後は全く公の場に現れないというのは、ファンとしては寂しいが、それでこそ我らが百恵ちゃんという思いもある。数年前に出版された百恵ちゃんのキルト作品集「時間の花束」のページをめくりながら、百恵ちゃんの今を思い浮かべるのも楽しい推し活だと思っている。