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【随筆】ぴっかぴかの1年生 ♪
オーストラリアの新学年は、1月最終週もしくは2月の第一週目からスタートします。
我が愚息も明日からいよいよ大学生になります。オーストラリアでは高校を卒業すると「社会経験を積む」という体で、バイトをしながら海外旅行をしたり、ちょっとのんびり人生の次のステップを考えるという子達もたくさんいます。たいてい一年間そんな生活を送ることから「ギャップイヤー」と言われています。
愚息は高校卒業後、とりあえず勉強から逃れたいと言って家を出て、友達3人とシェアハウスでの生活をはじめ、バイトをしながら親の目から離れたところで悠々自適な生活を送る、という選択をしました。彼はそんな生活を2年も続けて、今年はタイムリミットが訪れて、ようやく重い腰を上げて大学進学を決めました。大学進学については、高校での成績を基に入学できる大学・学科が決まります。その成績が有効なのは卒業後2年間となっているので、愚息は、大学に行きたいなら、「今でしょ!」ということになるわけです。
ここの子供達は、たいていオーストラリア政府で取り扱っている「HECS」という名の学資ローンを利用して進学するようです。これは低金利で、しかもある程度の収入が得られるようになるなで、返済義務が生じないという、ありがたいシステムです。だから親の力は借りずに自力で大学を卒業する人もかなり多いようです。私も夫も息子への助力は惜しまないつもりですが、今のところは、できるところまで自力で頑張ってもらいたいと思っています。
さて、大学生になるといっても、特に入学式があるわけでもなく、「とりあえず朝から学校に行く」ということのようです。
「持っていく物揃えたの?」
と聞くと、愚息は何もいらないというのです。
「何もいらないはずないでしょ?」
と再度たずねると、
「だって携帯あるし、パソコンも持っていくから。」
と答えるのです。
「なるほど今の大学生は筆記道具なるものは必要ないのか、、、。」
と愕然としました。でもやっぱり、、、ということです、一応ノートとペンは用意して渡しました。
「20歳の青年に、何やってんだろうな、、、。」
と思いつつも、そこは譲れぬ母でした。
息子よ、明日から始まる新しい挑戦が、君にとってたくさんの仲間と、そして思い出を作ってくれることを
心の底から祈っています。母より。