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【ドキュメンタリーのあらすじと感想】Netflix:「ダーティーポップ・ボーイバンド詐欺事件」
現在ボーイバンドというと、K-popが世界のそれを牽引している感があるが、昭和生まれの私にとっては「New Kids on the Block」なら、まだ仲間の中にも彼らの熱烈なファンがいたが、90年代後半から一世を風靡した、「Backstreet Boys」や「*NCYNC」は、ちょっと世代が違う感がして、全く関心を抱かなかった。どんなメンバーがいるのかもわからないけど、かろうじてヒット曲は知っている。そして当時、空前のボーイバンドブームだったことも覚えているし、このスーパースターたちが、何かトラブルに巻き込まれたというニュースも耳にした記憶がある。
あらすじ
全3話で構成されたこのドキュメンタリーは、90年代後半からスーパーボーイバンドを数多く輩出した、プロデューサー、ルー・パールマンの光と闇を紹介している作品。
パールマンは、アメリカ史上最大級の出資金詐欺事件の加害者として、2007年に逮捕された。その被害額は日本円で300億円を超えると言われており、1,700人もの投資家たちがその被害に遭っている。
また、
「自分もバンドメンバーのひとり」
と、公然と語っていたパールマンだったが、メンバーたちに支払われるべきはずの報酬を搾取していたのではないかという疑惑が浮かび、「Backstreet Boys」そして「*NSYNC」のメンバーが、それぞれパールマンを告訴したことも、当時一大スキャンダルとして報じられた。
パールマンには保険金詐欺の嫌疑もかけられていたことも、このドキュメンタリーの中でも語られている。
パールマンは2008年にマネーローンダリング、偽証罪等の罪で懲役25年の刑に処せられた。しかし2016年、服役中に兼ねてから患っていた心臓の問題により62年の人生を終えた。
感想
ドキュメンタリーの中で、パールマンの友人が、
「彼のおかげで人生を台無しにされたという人たち以外は、彼を悪くいう人はいないだろう。」
と、語っていた。現に彼の下で働いていたという女性たちは、インタビューで彼のことを決して悪くは言っていない。彼は実に人心掌握術に長けた人物だったようだ。だから、エンタメビジネスで大成功を収めたパールマンが語る、夢のような儲け話に財産を投じてしまった人たちがいるのも不思議ではない。
スターたちの報酬を巡る問題は、日本、そして韓国の芸能界でも同様の問題が取り沙汰され、少しずつではあるものの、改善に向かっていると言われているようだ。育てる側と育てられる側、雇う側と雇われる側という、歴然とした上下関係があるものの、人々に夢を与えるエンタテーメントという世界だからこそ、公平かつ適切な雇用関係を保てる職場であってくれることを、切に願っている。