「ロックダウン」
お昼にTwitterを眺めていて町山先生の以下のツイートを読みました。
ロックダウンの効果が一目でわかるグラフです。黄色の線が3月16日にロックダウンを始めたサンフランシスコの感染数、青い線が6日後にロックダウン始めたニューヨークの感染数。 https://t.co/46AZis97HX pic.twitter.com/2MbrR3adYh
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 30, 2020
その時に何とも言えない違和感を感じ返信したのが以下のツイートです。
町山先生、ロックダウンは都市封鎖のことで、表中のstay homeは外出禁止のことです。ニューヨークはまだ都市封鎖されてなかったと思います。都市封鎖は効果的でないとの専門家の見方があります。外出抑制は効果的です。外出自粛の呼びかけを是非ともお願いいたします。 #うちで過ごそう
— アマビエ作戦 (@project_amabie) March 30, 2020
その後、違和感の正体が「ロックダウン」という言葉の意味するものの内容が人によって違っているということであることに気が付きました。
lockdownは特定の区域などへの移動の制限を意味するものと、私は捉えていました。特に感染症対策の文脈だと中国の武漢封鎖のようなそのエリアを隔離するものと考えていました。いわば「地域隔離」と呼べるものです。
しかしながら、アメリカではどうも違っているようだということを知りました。
英語版Wikipediaの上記ページによると、アメリカでは自宅を出ることができないような状況(たとえば戒厳令下など)についてlockdownという用語を用いていたようで、その流れで自宅待機のより強力なものとしてlockdownという言葉を使用していることがわかります。上記ページには町山先生のツイートの表にあるShelter-in-placeやStay-at-homeは共にlockdownより緩い制限であることが書かれています。
ニューヨークが未だlockdownでないことは間違いないのですが、lockdownの中身は思っているものと全く違っていました。
「地域隔離」としての「ロックダウン」であれば隔離戦略ということになりますが、「自宅待機」としての「ロックダウン」は社会距離拡大戦略そのものです。
であればサンフランシスコベイエリアで行われたShelter-in-placeもニューヨークで行われたStay-at-homeも東京都の外出自粛要請も、いずれも社会距離拡大戦略を実施していることになります。
しかしそういう現状を飛び出して日本では「ロックダウン」という言葉は共通の理解を得られぬままネット上をさまよっているように感じます。
小池都知事の「ロックダウン」はどういう意味を持つのかは、実際の内容を説明いただくよりわからないのではないかと思います。
このままではまずいのではないかと思い、NHK科学文化部あてに以下のツイートを行いました。
お願いがあります。「ロックダウン」という言葉の意味についてネット上で混乱があり深刻なコミュニケーションの混乱が起きているように思えます。
— アマビエ作戦 (@project_amabie) March 30, 2020
(NYはすでにロックダウンしているというような。)NHKで取り上げていただければと思います。お願いいたします。
共通認識のもとに有益な議論が盛り上がることを期待したいと思います。