![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/158185851/rectangle_large_type_2_5170283218053a12bd42d6e94b872ea1.jpeg?width=1200)
「渋谷をつなげる30人」第9期 Day1レポート
「渋谷をつなげる30人」は、渋谷の街をより良くするため、様々なバックグラウンドを持つ参加者が集い、共に街の課題に取り組むプロジェクトです。
企業、行政、NPO、市民の多様な30人が半年にわたり対話を重ね、新しい価値を生み出します。2024年度の第9期のDay1(10/10開催)では、「30人それぞれがどんな人で、街や仕事へのどんな想いを持っているのか相互に発信しその違いを相互理解を通じ、街を良くしていくためのアイデアのインスピレーションをお互いに与え合い、受け合う」事を目的として、初対面の様々なバックグラウンドを持つ30人が対話を通じて相互理解を深め、今後の活動に向けた基盤作りが行われました。
![](https://assets.st-note.com/img/1729074223-F2RQ08dpeEMUmP1I576aSBZj.jpg?width=1200)
プログラムの流れ
オリエンテーション (13:00-13:30)
チェックイン(自己紹介) (13:30-14:10)
所属・名前・参加動機・目的・今の気持ち
3. 対話セッション①:フィッシュボール形式 (14:10-15:20)
Round.1:皆さんの自己紹介を聞いて感じた事・印象に残った事は?
Round.2:この30人がつながる事で拡がりそうだな、と感じた未来の可能性は?
Round.3:現時点で今期、取り扱ったら面白そうなテーマは?
4. 対話セッション②:ワールドカフェ形式 (15:35-16:45)
Round.1:「つなげる30人」の場で現時点で、自分がチャレンジしたい事は?
Round.2:「つなげる30人」の場で現時点で、この30人メンバー全員とチャレンジしたい事は?
Round.3:「つなげる30人」の場で現時点で、共有できそうな自組織のリソースは?
5. チェックアウト (16:45-17:30)
Good:今日一番良かった事
New:今日、初めて知った事経験した事
Day1の成果
Day1にて、メンバー間の対話を通じて得られた成果は、以下の5つの柱に集約されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1729075270-vqAZ6bhoUNxyOX5sJSuGBfMC.jpg?width=1200)
異なる分野・立場の強みを組み合わせた協働の可能性
企業のスピード感やビジネスリソース、行政の政策的安定性、NPOの地域密着力を組み合わせ、相互補完的な協働の枠組みが見出されました。例えば、「企業がフレキシブルなアプローチを取り入れ、行政が後方支援することで、課題解決のスピードを加速させる」というビジョンが共有されました。この枠組みにより、観光プロジェクトや環境保護活動などで、企業と行政、NPOが連携する有効な形が見えてきました。小さなアクションが積み重なることで生まれる大きな変革
大規模な課題に取り組むのではなく、日常で感じる小さな違和感や課題から始めることが、変革への第一歩であるという共通認識が生まれました。たとえば、ゴミ問題を解決するために「市民参加型のクリーンアップイベント」を企業のスポンサー支援のもとで開催するなど、具体的なアクションに繋がる可能性が示され、小さな行動が大きな変革を生むという考えが確立されました。観光と住民参加の共存と相乗効果の探求
観光と住民の共存を目指し、観光資源を地域住民に還元するためのプロジェクトが議論されました。「観光客と住民が交流できるガイドツアー」や「アートプロジェクトを通じた共同イベント」といったアイデアが挙がり、観光を経済活動にとどめず、地域コミュニティ全体を活性化する仕組みの必要性が強調されました。クリエイティブ産業の活用と地域との融合
渋谷のアートや音楽を地域住民と共に作り上げるプロジェクトの可能性が浮上しました。特に、「住民とアーティストが共に街の課題を解決する」というアプローチが評価され、アートを通じて地域の一体感を醸成するプロジェクトの実現が期待されました。例えば、「公共スペースでのアートワーク」に住民が参加するイベントが提案され、アートを介した新たな交流の場が見えてきました。官民協働の「加速装置」としてのファシリテーション
異なるステークホルダーをつなぎ、対話を深めるためには、ファシリテーションの技術が不可欠であるという意識が高まりました。「行政や企業のルールを解きほぐし、共通の目的を明確にする場作り」が必要であり、これを促進するファシリテーションの役割が重視されました。「つなげる30人」自体が、この協働モデルの先駆けとして、官民協働を加速させる一例となることが期待されています。
セッション詳細レポート
1. オリエンテーション (13:00-13:30)
オリエンテーションでは、これまでの活動とその成果についての振り返りが行われました。特に、渋谷区のビジョン「ちがいをちからに変える街、渋谷区」に基づき、多様性を活かした街づくりの重要性が強調されました。
「このプロジェクトは、渋谷の課題解決だけではなく、個々の思いやアイデアがどう街の未来に影響を与えるかを見つめ直す場でもあります」と説明がありました。過去の成功事例として「落書き消しプロジェクト」を紹介し、参加者の小さな思いがプロジェクトを通じて具体的なアクションに繋がり、行政や企業との協働で大きな成果を上げた経緯を話しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1729074394-09QS1zPTKkhnirto3WDR74pZ.jpg?width=1200)
2. チェックイン(自己紹介) (13:30-14:10)
自己紹介では、参加者がそれぞれの専門分野や関心、そして渋谷に対する思いを共有しました。個々の発言の中で浮かび上がったのは、「渋谷という街のエネルギーや多様性をどう活かすか」という共通の課題意識です。以下に印象的な発言を抜粋します。
「渋谷はビジネスと文化が交差する場所です。そのエネルギーをどう地域社会に還元できるかが重要だと感じています」
渋谷に拠点を置く企業に勤務する参加者は、地域との関わり方に課題感を持っており、特に大企業と地元中小企業との連携を強化し、地域経済を活性化させるモデルの必要性を指摘しました。「アートや音楽の力で渋谷をもっと活性化させたい。アートは言葉の壁を越える手段であり、渋谷の多様性を象徴するものです」
文化活動に従事する参加者は、渋谷が持つクリエイティブな資源を、観光だけでなく、地域住民にとっても誇りとなるプロジェクトに転換したいという思いを共有しました。特に、アートイベントを通じて地元住民と訪問者の交流を促進するアイデアが議論されました。「行政の役割は、リソースを提供するだけでなく、地域の声をしっかり拾い上げ、それを形にすることです」
行政側の参加者は、地域住民や企業の持つアイデアを行政としてどのようにサポートし、実現可能にするかが課題だと述べました。特に、柔軟な対応と、官民連携の枠組みを強化する必要性が強調されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1729075448-aikHhKlQ5no6JVACMsmfWR37.jpg?width=1200)
これらの発言から、異なる分野から集まった30人の中に共通して、渋谷の街を支えるために「多様性」と「協働」が鍵となるという認識があることが確認されました。
3. 対話セッション①:フィッシュボール形式 (14:10-15:20)
フィッシュボール形式の対話では、次の3つのテーマに沿って議論が進みました:「自己紹介を聞いて感じたこと」「この30人がつながることで拡がりそうな可能性」「今期に取り組みたいテーマ」。について話されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1729074663-7RYgOr3MbkTqyJGpae1PF4ld.jpg?width=1200)
街の持続可能な観光戦略
「渋谷の街には、観光客が訪れるポイントが多いが、地元住民と観光客の接点が少ない。もっと地域に根差した観光プログラムが必要です」
ある参加者は、渋谷の観光資源が地元住民に還元されていない現状を問題視しました。観光客が訪れるスポットを「地元の誇り」として活かしつつ、住民と訪問者が自然に交わる仕組みを作りたいとの提案がありました。
官民連携による地域課題の解決
「企業と行政は、役割が異なるからこそ協力できる。行政は規制や手続きの面でハードルが高いが、企業の機動力を借りることで、迅速な解決策を提供できるはずです」
ある参加者は、行政と企業の間にある壁をどう取り除くかが課題であり、官民連携の仕組みをさらに強化すべきだと指摘しました。
地域のクリエイティブ産業との連携
「渋谷はクリエイティブ産業が強い街ですが、地元住民とクリエイターがもっと協力できる仕組みが必要です」
渋谷の文化的な多様性を活かし、クリエイティブ産業と地域が連携して新たな価値を生み出すことを目指すアイデアが多く出されました。例えば、アートイベントや音楽フェスティバルを通じて、住民とアーティストが直接交流する場を作り、街の新しい文化的側面を発展させることが提案されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1729074593-PQAdi5B9KyqEFO4IfTj0tMke.jpg?width=1200)
4. 対話セッション②:ワールドカフェ形式 (15:35-16:45)
ワールドカフェ形式では、少人数のテーブルに分かれ、3つのラウンドで異なるテーマについて議論が進行しました。テーマは「自分がチャレンジしたいこと」「全員でチャレンジしたいこと」「共有できそうなリソース」です。
チャレンジしたいこと:地元住民との対話の場を作る
「地元住民の声をもっと直接聞ける場を作りたい。行政や企業が一方的に何かを提供するのではなく、住民が自分たちで考え、行動できるようなサポートが必要です」
地域課題に対しては、住民自らが意見を発信できる場が必要だという意見が出されました。具体的には、住民参加型のワークショップや、オープンスペースでの地域対話の場が提案されました。
この意見に対して、他の参加者からは「行政のサポートを受けつつ、住民がリーダーシップを取るプロジェクトが理想」という共感が寄せられ、これにより、街の課題を自分ごととして捉える住民意識の醸成が期待できるとの意見が多数出ました。
![](https://assets.st-note.com/img/1729074979-EqRP8HX5SysQcuWbokpA321C.jpg?width=1200)
全員でチャレンジしたいこと:地域を巻き込んだ観光プロジェクト
「渋谷には多様な文化的背景を持つ人々が住んでいるが、それが観光資源として活用されていない。観光客と地元住民が出会い、互いに学び合う場を作りたい」
このアイデアに基づき、渋谷の多様性を観光戦略にどう組み込むかが議論されました。地域住民が観光ガイドとして地域の魅力を紹介するプログラムや、訪問者と地元の人々が一緒に街を巡るツアーが提案され、これにより観光客と地元の人々が双方向の学びを得る可能性が議論されました。
また、観光だけでなく、「アートや音楽といった文化イベントを通じて、外部の人々も巻き込みながら地域に貢献する」プロジェクトも提案され、住民、観光客、クリエイターが共に参加できるイベントのアイデアが具体化されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1729075640-elvkHh041L9yWbcYz2AmgSrj.jpg?width=1200)
6. チェックアウト (16:45-17:30)
最後に、参加者それぞれが「今日一番良かったこと」「新しく学んだこと」を発表しました。
息子さんが不登校になったことをきっかけにフリースクールを立ち上げた方の話に強く共感し、「そのパワーってすごい」と感動したと語っています。この言葉から、困難な状況に対しても前向きに取り組む力の重要性や、教育現場での挑戦が社会に与えるポジティブな影響が改めて確認されました。
「異なる分野の人たちとの対話を通じて、新たな視点が得られた。特に、行政と企業の連携については、自分の視野が狭かったことを痛感しました」
企業の参加者は、他の参加者との対話を通じて、行政との協働が単なるCSR活動を超え、「地域全体の課題解決にどう貢献できるか」という視点が得られたことを強調しました。「観光と地域住民のつながりをどう作るかという話が印象的だった。観光客にとっての渋谷と、住民にとっての渋谷を両立させるアイデアが見えた」
観光事業に関わる参加者は、観光資源としての渋谷と、住民の日常の場としての渋谷を両立させるためのヒントを得たと述べ、観光プロジェクトの構築において住民参加の重要性を再確認しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1729075622-r82Rg4apkKOsUXvZEDYx70fz.jpg?width=1200)