
2025/2/12 開催「渋谷をつなげる30人」第9期 Day5レポート
Day5の位置付け・目的
Day5では、これまでのプロセスを踏まえ、各チームが開催したオープンセッションで得た気づきや体験を、30人全体で共有することから始めます。これにより、自分たちの取り組みを俯瞰し、他チームの視点や発見を通じて新たなインスピレーションを得る場とします。

現在、各チームは意図的に「混沌」とした状況にあり、この状態を単純に整理するのではなく、「自分の思い」を再確認し、「チームメンバーの思い」を相互に理解しながら、ビジョンを共有することを目的とします。
その後、全員で対話を深めながら、お互いの企画を応援し合う関係を築いていきます。この場を通じて、「この30人がいれば、何かできるのではないか」という実感を持ち、そこから「小さな第一歩」を踏み出すための動機づけにつなげていきます。
最終的なゴールは、「次に各チームで動く小さなアクション」を決めることです。大きな決断や計画ではなく、実際に動き出せる具体的な一歩を設定し、それぞれが主体的に次のステップへと進める状態を目指します。
結論
4つのグループが、それぞれのビジョン、事業フェーズ、必要なリソース、ファーストアクションを整理しました。
「シブツナ」は食を通じた地域のつながりづくりを目指し、「こどもみらいたいけん」は子どもたちが多様な社会と接点を持つ機会を創出します。
「シブヤのヒナン」は防災意識を高め、地域全体で安心できる環境をつくり、「シブヤ発見部」は商店街の連携を強化し、地域全体の魅力を向上させていきます。今後、アイデアの実現に向け、必要なリソースの確保と具体的なアクションの実行が求められます。

プログラムの流れ
▶Round.1 これまでの話しの感想共有
▶Round.2 オープンセッションからどんな成果を得たいと感じるか?
▶Round.3 改めてチーム結成のストーリーの確認
15:10-16:30 【グループ対話②】
▶「問い」ブレーンストーミング
▶「ステークホルダー」ブレーンストーミング
▶ 「セッション設計シート」作成
16:30〜17:00 全体共有
17:00〜17:20 チェックアウト
17:20〜17:30 アンケート&アナウンス
13:00-13:30:オリエンテーション・チェックイン
13:30-14:15:グループ跨ぎでの対話(ワールドカフェ)
▶Round.1:見えてきたプロジェクトの方向性は?
▶Round.2:今、モヤモヤしていることや課題は?
▶Round.3:自社・自組織でシェアできそうなリソースは?/30人メンバーにシェアしてもらいたいリソースは?
14:15-14:25:休憩
14:25-16:25:グループ内対話
▶20分:ワールドカフェの内容共有
▶25分:ビジョンステートメントのキーワード
▶25分:事業フェーズの構想
▶25分:リソースの共有
▶25分:ファーストアクションのブレスト/ドット投票
16:25-16:35:休憩
16:35-17:05:発表
17:05-17:20:チェックアウト
17:20-17:30:アンケート&アナウンス
グループ跨ぎでの対話(ワールドカフェ)
このセッションでは、各グループの枠を超えて対話を行い、異なる視点を取り入れることで、新たな気づきを得ることを目的としています。同じグループ内では生まれにくい率直な意見を交わしながら、個人の考えを整理し、今後のプロジェクトへの意識を高めます。

Round1:見えてきたプロジェクトの方向性は?
他グループのメンバーと対話し、プロジェクトの方向性について客観的に考えます。同じグループ内では言いにくいことも、異なる立場の人と話すことで自由に表現でき、自分のプロジェクトへの理解とコミットメントを深めます。
Round2:今、モヤモヤしていることや課題は?
席替えを行い、現在抱えている違和感や課題を率直に共有します。他グループの状況を知ることで、「どこも完璧ではない」と気づき、心理的安全性が高まります。この対話を通じて、課題をポジティブに捉え直すことが目的です。

Round3:シェアできる/してほしいリソースは?
Round1と同じメンバーの元に戻り、所属組織の視点から「活用できるリソース」や「共有してほしいリソース」について話し合います。確約の必要がないため、柔軟に可能性を探ることができ、自分の組織がどのように関われるかを考えるきっかけをつくります。
グループ内対話
もともとのグループに戻ります。
1.ワールドカフェの内容の共有
前半のワールドカフェでの発言や対話を振り返り、特に印象に残ったことをチーム内で共有する時間です。これまで暗黙の同調圧力によって抑えられていた個人の思いを表明し合い、メンバー同士がそれを受け止めることで、チーム内の心理的安全性を高めることを目的としています。

ここで大切なのは、単なる情報共有ではなく、「自分がこのチームにいてもいいのだ」「このチームに心から貢献したい」と思えるような関係を築くことです。ワールドカフェで得た気づきや感情を共有することで、お互いの理解が深まり、個々の思いが尊重される環境が生まれます。このプロセスを経ることで、チームとしての一体感が高まり、次のアクションに向けた心理的な準備が整います。
ビジョンステートメントのキーワード

このプロジェクトが「誰のために、何のために行うのか」を明確にするため、チーム全員でキーワードを出し合う時間です。いきなり文章化するのではなく、まずは各自が大事だと思う言葉を挙げていくことで、集合知としての方向性が自然と浮かび上がることを期待します。

キーワードを出し合うことで、メンバーの価値観や優先する視点が可視化され、活動の解像度が高まります。また、付箋を使用することで、全員に発言の機会が公平に与えられるよう配慮しています。
事業フェーズの構想

プロジェクトの時間軸に対する認識をそろえるために、メンバーそれぞれの考える「実現のスピード感」を整理する時間です。ある人は3年後を見据えている一方で、別の人は1年後には達成可能だと考えているかもしれません。こうした認識の違いを可視化し、共有することが目的です。

ここでは、具体的な目標を決めることが目的ではなく、ワクワクする議論を促し、お互いの違いを整理しながら「実現したい」という内発的な動機を高めることを大切にしています。付箋を使うことで、発言の機会を公平に保ち、全員が意見を出しやすい環境を作ります。
リソースの共有

プロジェクトの実現に向けて、各組織や個人がどのようなリソースを提供できるのかを考える時間です。あまり難しく考えすぎず、仮のアイデアでもよいので、自分たちがどのように貢献できるのかを出し合います。

この場では、決裁権の有無に関係なく、制約を取り払って自由に意見を出すことが重要です。その結果として、組織同士がどのように連携できるのか、大まかな外観が見えてくることを目指します。付箋を活用し、全員が均等にアイデアを出せるようにします。
ファーストアクションのブレーンストーミング・ドット投票


この時間は、これまでの半年間の集大成とも言える重要なワークです。最終的に、チームとして具体的に動き出すための「小さな第一歩」を考えます。

ここで出すアイデアは、単なる理想論ではなく、短期間で実現可能であり、コストをかけずに着手できるものが望ましいです。ブレストを通じて多様なアイデアを出し、その後のドット投票によって支持を得たアイデアを明確にします。最終的に、具体的なアクションへとつなげるための準備を整えます。
Day5の成果
シブツナ

ビジョンステートメント
シブヤを基点に、「食」を通じて人々をつなぎ、関係性を生み出す。特に「子ども食堂(食育)」を入り口として、地域のつながりを深めることを目指す。
事業フェーズ
1年目: 何らかのイベントを実施し、事業の方向性を探る。
3〜5年目: 自走できる組織を確立し、持続可能な形で運営できるようにする。
持っているリソース
現時点で明確なリソースの記載はないが、事業のコンセプトに共感する支援者の存在が想定される。
必要なリソース
料理を提供できる人材(調理スタッフ・シェフ)
一次産業者とのネットワーク(食材提供・生産者との連携)
子どもとの接点(特に子ども食堂の運営者など)
ファーストアクション案
「子ども食堂」をテーマに、すでに運営している人々とのオープンセッションを発展させたイベントを実施する。必ずしも子ども食堂にこだわるわけではないが、最初のフックとして活用し、食を通じたつながりの可能性を探る。
こどもみらいたいけん

ビジョンステートメント
子どもたちが自分の「やりたいこと」を見つけられるように、渋谷の大人たちの知識・経験を活用する。子どもたちに多様な選択肢を提供し、社会とのつながりを持たせることを目的とする。
事業フェーズ
1年目: BEAMSや伊藤園などの企業と連携し、大人の仕事について話す場を設ける。
3年目: 複数のプロジェクトが同時並行的に進行する状態を実現する。
5年目: 渋谷以外の地域にも展開し、同様の課題を持つ地域がアクションを起こせる環境を作る。
持っているリソース
経営企画部門に所属するメンバーが2名いる。
必要なリソース
経営層との接点を持つ人(意思決定権を持つ人とのつながり)
渋谷新聞の取材(広報・認知度向上のため)
ファーストアクション案
フリースクールに通う子どもたちが社会とつながる機会を創出する。企業や行政に理解を促し、子どもたちがリアルな社会経験を積める場を提供する。
シブヤのヒナン

ビジョンステートメント
イベントを通じて参加者の防災意識を高め、渋谷における災害対応力を向上させる。地域全体で防災に対する意識を持ち、安心して暮らせる環境をつくる。
事業フェーズ
1年後: 防災に関するイベントを一通り実施する。
3〜5年後: イベントの継続実施により、渋谷区全体で安心できる街づくりを推進する。
持っているリソース
新国立劇場との連携
ヘルスケア領域のネットワーク
必要なリソース
防災を「楽しめる」要素(エンターテイメント性のあるコンテンツ)
ファーストアクション案
2025年3月までに、具体的な企画を固め、実施に向けた準備を進める。
シブヤ発見部

ビジョンステートメント
商店街のつながりを「線」から「面」へと広げ、連携を強化する。商店街ごとの活動を活性化し、地域全体としての魅力を向上させる。
事業フェーズ
1〜3年目: 共同でイベントを実施できる商店街を見つけ、商店街を巡るツアーなどを開催する。
5年目: 渋谷区全体で「商店街フェスティバル」を実施し、スタンプラリーなどの大規模プロジェクトを展開する。
持っているリソース
現時点では明確なリソースの記載はないが、地域の商店街とのつながりが想定される。
必要なリソース
國學院大学の学生の協力(イベント運営やリサーチ支援)
広報のサポート(イベントの周知・集客)
ファーストアクション案
共同でイベントを実施できる商店街のリサーチ
商店街を巡るツアーの企画・実施
地域通貨の導入や活用の検討
Day6の案内

