想像を超えてゆくデザインを。 株式会社FRAME 石川竜太社長
株式会社F R A M E
石川竜太社長
今回はロッテの紗々やキリン生茶のパッケージデザイン、そのほか新潟エリアの多くの企業デザインを手掛ける株式会社F R A M E代表取締役石川竜太様の取材をさせていただきました。
綺麗な学校に生まれ変わった大崎学園の校章をデザインした経緯と、三条市のまちそして働き方についてお話を伺いました。
三条市生まれの石川社長
わたしは三条市生まれ育ち3兄弟の末っ子になります。
父は石上地域で印刷会社石川ネーム製作所を企業し、兄が後を継いでいます。
子供の頃はドラえもんの世界のように公園で遊んだり駄菓子屋に行ったり普通の少年時代を過ごしました。。
中高は部活に専念していたのであまり街では遊んでいませんでした。
三条東高校を卒業した後、群馬の美術系学校に進学し、卒業後新潟に戻ってきたのです。
東京では就職するつもりもなく、仲間がいる新潟に戻ることに何の躊躇ありませんでした。
三条市立大崎学園校章ロゴができるまで
平成30年に三条市の大崎小学校と中学校が一貫校になり、三条市大崎学園として生まれ変わりました。
それぞれの学校の歴史や、学校を卒業した人達の思いをしっかりと残すことをコンセプトに、二つの校章画を合体させたようなデザインにしました。
三条市立大崎学園の校章が完成した後しばらくして、大崎中学校を卒業された取引先社長様とお話をする機会がありました。
「石川さん、新しい学校の校章いいねぇ。小学校と中学校の校章をくっつけてくれて!」とおっしゃっていただきました。
この言葉は本当に嬉しかったです。
三条の町について
三条市で活動している皆様は他の地域と違い、地元を思う人が多い気がします。
会話の中で、物事を語るとき「三条で」「三条に」「三条を」「三条は」の言葉がよく登場し、いつも主語が「三条」。
会話の中で「三条」というキーワードが欠かせないような気がします。
関東の会社では、「港区を」なんて語る人などいませんね。
現在の一の木商店街には何店舗か良い雰囲気の店が開業してきました。
実際、若者が少ないわけではなく、古民家カフェレストランのT E R E Eにはお客様が多く入っています。
大型テナントやショッピングモールが開業するではなく、5件から10件ほど、ここの街を歩いたら楽しいなという店が増えていったら、人の流れができて賑やかになるかなと思います。
そうした感度を感じる魅力ある店舗がふえて行けば地域に人が出てくると思います。
例えば、新潟駅に近くに沼垂(ぬったり)という場所があります。
昔はボロ小屋が並ぶ倉庫街で定期市を開催する場所でした。
現在そこは沼垂テラス商店街として綺麗に改修され、年配の方だけではなく様々な人々の往来が増えてきています。
また、新潟市の鳥屋野にS H S(S W E E T H O M E S T O R E)という家具屋がありまして、古い倉庫を3棟リノベーションしたS H O Pを構えています。
S H Sの社長様曰く、「建物の中に複数のテナントを入れてこの場所を中心に人の流れを作る。必ず飲食店は必要で人が集うようにする。」
とおっしゃっていました。
(似たような施設で、柏崎にhakoniwaという施設がある。マカロン屋やベーグルカフェ、花屋、ダンススタジオが一つの建物に集約されている。2023年4月には株式会社人力舎が手がけるNextGenerationTownが燕市に完成する予定だ。)
地元で感度の高い心地の良い場所があると勝手に人が集まってきます。ブラブラ近場で時を過ごす時間が過ごせる感度の高いエリアがあればより良くなってゆくと思います。
東京の店が出店すればうまく行くというわけではありません。
トレンドを押さえておけば、地方の企業でも十分可能性があります。
さらに観光的な側面も燕三条にはあるので新たな人流が期待されます。
自治体と民間が協力して魅力的で感度の高い商店街になることを期待しています。
住むこと働くことについて
もはやどの地域で働くは関係ない時代になってきています。
弊社は三条市ではなく新潟市にありますが、デザインのリテラシーが高まり始めた今の三条市だったならアリだったかなとも思えます。
東京の仕事が増えて「東京にオフィスを構えないのですか?」と言われることがありますが、私の仕事の場合、東京にオフィスを構える理由がありません。
地方で住んでいるから東京で戦えないという時代ではないです。
都会で仕事をするより、地方で仕事をした方がむしろ贅沢なのではと思っています。
例えば、三条市で広いオフィスを借り、満員電車など皆無なゆとりある通勤で、空を感じる暮らしの中生活ができれば、精神的にもゆとりが出るのではと思います。
コーヒー一杯を味わう時間も都会とは違う時の流れを感じられるかと思います。
将来どんなことをしたいですか
将来というより、クライアント様の想像を超えてゆくような価値観を創造し、全力でデザインしてゆくことをこれからも日々目指してゆこうと思っています。