喧嘩商売、喧嘩稼業のお話

[最強の格闘技は何か]
そんな問いかけから始まるのが、この喧嘩商売という漫画である。
今回は最高にクレバーな格闘漫画であるこの作品の好きな所を淡々と書いていく。

この漫画を知るきっかけとなったのは、お客さんとの会話の中で紹介されたことがきっかけだった。
そのお客さんというのが、あまりにも漫画の趣味が私の嗜好と合う方で、一番好きな漫画は[嘘食い]というギャンブル漫画で、尚且つ、一番好きなキャラは[伽羅]だという。
これだけで、伝わる人には伝わるのだ。
そんな、わかっている人に紹介されたのが、今回紹介する喧嘩商売である。

構成としては、喧嘩商売が全24巻
続編となる喧嘩稼業が現在休載中で14巻まで出ている。

満を持して読んでみたが、5巻を読み終わるころには読むのがきつくなっていた。
何を隠そう、この喧嘩商売、あまりにも時事ネタが多い。
作品も2006年ごろに連載されていたこともあって、何一つわからない。
何せ小学校1年生の頃の時事ネタだ。わかるわけがない。

そんなこんなで読むのを辞めていたが、お客様に紹介されていたために、仕事で一緒になる。
一切読み進めていないのは申し訳ないため、すこーしづつ読んでいった。

火が付いたのは、工藤優作というやくざの用心棒が登場してからだ。
こいつは、主人公のずる賢い喧嘩を、真正面から突破し、殺す寸前まで叩きのめす。
作品の緊張感が一気に高くなり、主人公はこの工藤を倒すために、入江文学という喧嘩のめっちゃ強いおっさんに弟子入りする。
作者やファンには申し訳ないが、個人的には、ここからが作品の始まりのようなイメージを持っている

これから先、作品の魅力を語っていくと終わらないため、3つに絞る

1、各キャラの掘り下げ

この作者、キャラの掘り下げが非常にうまい。
主人公の師匠である入江文学。その師匠の宿敵である田島彰。
少林寺拳法の三代川祐介。でかい漢、川口夢人。
それぞれの信念や強さを濃密に描いており、感情移入を容易にできるようにしている。
(特に三代川のエピソードは泣ける)

2,クレバーな戦闘

この作品、頭を使った戦いが多い。
個人的にしびれたのは、金田という喧嘩商売のラスボスともいえる柔道の金メダリストだ。
この金田、柔道の日本代表になるには少し実力不足だった。
そこでこいつは、日本代表の有力選手たちにドーピング薬を入れた飲料水を飲ませ、繰り上げで日本代表になるというとんでもないことをした。
強いだけでは絶対に勝てない。ずる賢い番外戦術もこの漫画では実力の一つだと捉えることができるという点が魅力だ。
強者達を策で翻弄する主人公など、好きな人には絶対に刺さる作品である。

3,煉獄

この作品を語る上では絶対に外せないのは煉獄。
おそらく最新話まで読んだ読者のほとんどが大好物であろう。
ここでは多くは語らない。語る必要もない。
読めばわかるからだ。


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