大学生のための勉強方法③―卒業論文の書き方
今日は、卒業論文の書き方について説明します。卒論が必修かどうかは、大学(学部・学科)によって異なります。卒論を通して、研究力、論理的思考力、表現力(アカデミックライティング)が身につくので、卒論は書いたほうがいいと思います。
コツ① 先輩の卒論を読む
第一のコツは、「先輩の卒論を読む」です。まず、卒論がどのようなものかについて知りましょう。先輩の卒論を読むことによって、ページ数、構成(目次)、内容、テーマ、文章表記(である調)が分かります。研究室に所蔵してある場合と、図書室に所蔵してある場合があります。調べてみましょう。
コツ② 先に「フローチャート」を書く
第二のコツは、先に、「要旨」(アブストラクト)を書くことです。「要旨」を書くとともに(あるいは、書く代わりに)、各章でどのようなことを言うのか、「フローチャート」を書いてみましょう。いきなり要旨を書けない場合、「フローチャート」を書いてみるほうがよいかもしれません。当然ですが、構成も先に立てておく必要があります。先に「設計図」を書くことが早道です。ここで言うフローチャートは次のようなものです。
序章 〇〇〇 →「序章の要点 2,3行で記載」
第1章 〇〇〇 →「第1章の要点 同上」
第2章 〇〇〇 →「第2章の要点 同上」
第3章 〇〇〇 →「第3章の要点 同上」
終章 〇〇〇 →「終章の要点(=結論) 同上」
コツ③ 研究の目的、方法、結論を明確にする(結論では目的で発した問いに答える)
第三に、研究の目的、方法、結論を明確にしましょう。結論では、目的で発した問いに答えることを忘れないでください。このほか、先行研究の検討も必要です。研究の目的、方法、先行研究の検討は「序章」で書かれます。
いかがでしたか。卒論の作成では、大変なこともありますが、得られるものが大きいです。1年生から3年生の場合、まだ卒論を書く学年ではないですが、日頃から文章を書く練習をしておくと良いかもしれません。
(©Dr Hiroshi Sato 2023)