目的の正しい理解のないマスカスタマイゼーションは、組織の疲弊しか生み出さない
2019年2月13日日本経済新聞の記事より。マスカスタマイゼーションは、その概念が提唱されてからずいぶん経つが、何のために行うのか、目的の正しい理解のないマスカスタマイゼーションも多い。そうすると、組織内でコンフリクトを生み、疲弊しか生み出さない場合もある。そこで、今回は、そもそもマスカスタマイゼーションは何のために行うのかを考えてみたい。
記事には、「マスプロダクション(大量生産)とカスタマイゼーション(個別設計・生産)を高い次元で融合する「マスカスタマイゼーション」に取り組む企業が増えてきている。低コスト、短納期という高い生産性と顧客の個別ニーズへの対応という二兎(にと)を追い、その両者ともを得ようという取り組みだ」とあるが、そもそもカスタムとは個別性であり、マスプロダクションと両立しえない。教科書には確かに記事のように書いてあるが、それを鵜呑みにする癖から脱却しなければならない。で、実際にマスカスタマイゼーションで製品をオーダーするとわかるが、別に短納期でも低価格でもない。単純な特注品と比較すれば確かに低コストで生産はできるが、それをマスプロダクション同様の価格で販売するわけではないので、価格は安くない。だから「低コスト、短納期という高い生産性と顧客の個別ニーズへの対応という二兎(にと)を追い、その両者ともを得ようという取り組みだ」と目的を掲示されているが、これは達成できない目的なのである。
単純にマスカスタマイゼーションを実現しようとすると、既存の現場から大反発を受ける
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