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2023年度 東京医科歯科(東京科学)大学 医学部編入試験 受験記

2022年に実施された、2023年度入学の東京医科歯科大学の医学部編入(筆記)試験の受験記です。当日試験を受けた感想をつづっていきます。

  • 結果は一次不合格でした(次の年度も受験しました)。

  • 私の体験が何かの参考になればと思っておりますので、質問などもコメントやSNSなどからお寄せください。

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以下の再現答案・開示点数もご参考ください。


前日
会場を下見したら、コロナワクチン接種会場になっていました。ちなみにホテルは、試験会場まで徒歩15分ほどのアパホテル御茶ノ水駅北を使いました。

当日

試験開始まで

会場は医学科の講義で使われている(であろう)教室でした(3号館2階の医学科講義室1)。2階ですが本郷通りの入り口から入って、階段を登らず教室までたどり着けました。

(会場の様子とか。人数予想)
1この長めのテーブルに対して椅子が2つ、そのテーブルが縦に5列くらいありました。テーブル1つに対して座るのは一人で、(1列目:左、2列目:右・・のように)交互に受験生が座っていました。

1列一人で5列、それが横に11列(行?)くらいあったので、受験者数は60人くらいと予想しました(その後確認すると55人でした)。
試験監督は合計4人(男性一人、体の大きい男性一人、入試課?の女性二人)だったと思います。私は右から2番目のテーブルの一番前の列でした。

受験資格であるTOEFL 80点を超えるのがやっとだった私は、
ここの会場にいる人、全員TOEFL80点以上か・・すご・・
とか、ハーフのような見た目の人がいて、日本人の私は「こういう人と戦わなきゃいけないのか、、」とか思いました。

(解答用紙配られる)
9時10分までに集合、9時30分開始でした。
教室には大きいホワイトボードがあり、そこの注意書きに試験時間のほかに「解答言語の指定がない場合は、日本語・英語どちらも可」という旨の注意書きがありました。こんな注意書き、去年もあったのかな・・・?と思いました。

問題冊子、解答用紙が配られてから、解答用紙に受験番号を記入するように指示がありました。ここで気づいたことがありました。「マス目のある設問がない…」です。前年度までは解答用紙にマス目があった(日本語指定の設問)のですが、それがなかったのです。

前年度では英語指定の問題が消えていたこともあり、「基本的には日本語で解答すればよい」と英語で解答する心の準備はあまりしていなかったため、
「これ、英語指定もありえるな」と、少し気を引き締めました。

あとは、「英文3〜4行で日本語100語!」という自己流テクニックも編み出して覚えてきていたので、それが通用しなくなることを少し残念に思いました。

試験官は試験開始数分前まで注意事項を話しており、心の余裕をもってじっと精神統一する時間があまりなかったです。ちなみに、試験室に時計はなかったですが、試験は私が持っていた電波時計と同じ時刻に始まりました。

試験開始後

問題文を見た感じ、問題2の方が解きやすそうだったので問題2から解き始めました。

また、事後の感想にはなりますが、
「穴埋め」や「本文にあるべき図が選択肢のどれにあてはまるかを問う」などの、明確な正誤が分かれる問題がなかったことに気付きました。ただし、問題2の(3)は、(記述ではなく)正誤がある問題だったので、それと同類です。

さらに、言語指定がある問題(「日本語で答えよ」)は問題2の(1)だけでした。私はそれ以外は日本語で解答しました。

問題2を先に解き、迷いそうな(4)はスルーし、最後の(5)は 本文"For these reasons" の、何がthese reasons に該当するかということを、時間が余ったら付け足したかったので、解答欄に書かずに下書きだけして問題1へ行きました。このとき30分くらいしか経っていなかったと思います。

問題1を解く
(1)ですが、問題文全体を読まないとわからなさそうだったのでまずスルーし、(2)から解くことにしました。

(2)
途中まで読んで、直接的な答えらしい部分が見当たらなかったので「HER2の機能を書き、それをブロックする」というような記述をしました。

しかし、読み進めていくうちに、HER2がチロシンキナーゼ受容体であること、trastuzumab がその下流の経路と細胞周期を止めるのに働くことについて書いてありました(ちなみに、解答根拠を求める部分はもっと先にありました)。
解答がきれいでないと思いましたが、とりあえずその部分を付け加える形にしました。HER2についての機能は書かなくてよかったですし、せめて細胞周期の記述にたどり着いてから解答をまとめるべきでした。5分くらい余分に使ってしまったと思います。

答え方はちょっと間違えたが、方向性は合っているはずと思っていました。

(3)
PD-1 blockadeですが、これは元々知っていました。しかし文に即した形で書いた方が良いだろうと思い、該当箇所を見つけて解答をまとめました。
本文中にある「PD-1とPD-L1の相互作用」はもう少し具体的がいいんじゃないか…?と思い、自分の知識から「そのリガンドであるPD-L1」の一文を加えました(余計でした・・・理由は後述)。

残った問題を解き、問題1に移ります。

残り10分くらい。
問題1(1)の「問題点」がわかりませんでしたが、なんとなく副作用についての言及があったので、最後の数分に「問題点は副作用」とだけ書きなぐりました

問題2(3)も、疾患の名前っぽいやつをとりあえず書いておきました。焦って日本語で解答しようとしていて、「疾患名を正しく訳さなくては、、、」と思っていたのですが、両言語回答OKだったことを思い出し、英語で本文中の言葉をそのまま抜き出しました。SARS-CoV-1を入れるか迷いましたが、違いそうなのでやめました。

全体的な感想

前提知識があり、私は本文を読まなくても答えられそうな問題が二題ありました。問題1(3), 問題2(1)です。でも減点の様子から見ると、自分の知っている知識は書かない方が良いです。和訳を適宜調整する程度に留めたほうが良いのではないかと思います。

・傾向の変化(両言語OK)への考察
英語で解答可になったので、英語しかできない人が通る可能性があると考えました。なので、一次通過すれば、潜在的に最終通過の難易度が下がったのではないか、と考えました。中の上くらいに入って、、面接をうまく答えられれば通るのかな…という感想を抱きました。ちなみに、次の年度の試験では、言語指定のない問題はありませんでした

問題文に関して、私が特に持っていた前提知識

生命科学の知識は一般的な編入受験生(特にKALS生)ほどはなかったと思います。なので、その知識を細かく問うてくる大学には全く合格できなかったはずです。

しかし細かく暗記はしていないものの、大学院で生命科学(医学系)の研究を行うため、もしくは生命科学論文を読むための前提知識はありました。例えばこの年の試験に関して「IL-6は急性炎症応答に関連するマーカーである」「炎症が発生している根拠としてIL-6が用いられる」ことは大学院生なら常識です。後者は問題を理解するために重要な知識ですが、普通に編入対策として生命科学を勉強するだけでは入らない知識だと思います。

他に、前提知識について述べておきます。
・HER2というタンパク、その機能をブロックする抗体であるtrastuzumab は知りませんでした。
・「コロナはサイトカインストームを起こすらしい。それが重症患者の死因?」は知っていました。
・ある程度の疫学の知識はありましたし、研究で検定も行いました。問題では、phase 3 trial ときいて、「アメリカならもう少しで承認だな」・・程度の知識はありました。
・「tocilizumab(アクテムラ)の機序」「PD-1 blockadeの機序」は知っていました。

ひどい点数

点数がひどかったです。開示した点数は別のnote(上記)を参照をお願いします。

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