見出し画像

人生をおもしろく(致知23年10月号)

対談『世界の頂点をいかに掴んだか』より

今年3月に開催されたWBC(ワールドベースボールクラシック)で、3大会ぶり3度目となる世界一に輝いた侍ジャパン。
その快挙は日本中に歓喜の渦を巻き起こし、勇気と感動を与えてくれた。
チームを率いた名将・栗山英樹監督が予てお会いしたかったという横田南嶺氏と共に、悲願達成までの舞台裏を振り返りつつ、その最大の勝因、今大会を通して得た学び、さらにはいかなる出逢いによって自己を磨いてきたか、指導者としての哲学を縦横に語り合っていただいた。
野球と禅――異色の組み合わせながら、そこに通底する人間学談義に興味は尽きない。

https://www.chichi.co.jp/info/chichi/pickup_article/2023/202310_kuriyama_yokota/


本号では侍ジャパントップチーム前監督の栗山英樹くりやま ひでき氏と、臨済宗円覚寺派管長 横田南嶺よこた なんれい氏が”出逢い”によってどう自己を磨いてきたかを語り合った。

それぞれが人や本との稀有な出会いを機に人生を見つめなおすことで、結果的に良い方向へと導かれてきたと語っている。

その中で培ってきた経験から栗山氏は「強い組織とは、全員が個人の都合よりもチームの都合を優先し、全員がチームの目標を自分の目標だととらえていることだ」と言う。

確かにその通りだ。

全員が一丸となって同じ目標に進めるのであれば、これほどに確実なことはないだろう。

しかし、それは理想論ではないだろうか

チームを率いるリーダーであれば誰もがそれを望み、求めてやまないことだろうが、それを実現できたものは少ない。

その理想を現実化するには何があれば良いのだろうか?



その答えは『論語』にあった。

これを知る者は之を好む者にかず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず』

『論語』岩波文庫 84頁


その言葉を紹介してくれた横田氏は、とにかく楽しむことが一番で、今の時代はそれを如何に若い人たちに伝えられるかが重要であるという。


この”楽しむ”対象にチームや組織の目標を据えることができれば、それは即ち個人の目標となり、互いにフォローしあいながら己のやるべきことに全力を尽くす”勝つための仕事”を成すことができるのではないだろうか。


これも理想論であることに違いはない。

違いはないが、決して保証されたものではない個人の精神力に頼り切ることに比べたら、少なくともファンタジーの世界の話ではなくなったとは思えないだろうか。


『できる、できない』はやってみなくてはわからないが、『やる、やらない』は自分で選べる

どうせ選ぶならば、より人生をおもしろくできる方を選ぼうじゃないか。

いいなと思ったら応援しよう!