地球編 〜龍の話~
龍の話
「この間、車に乗っている時、龍を見たよ」
おお、龍か。かっこいいね。
「うん、かっこよかった」
龍って普段はどんなところにいるのかわかる?
「うん。大体は龍を祀ってる神社の横にいるかな」
ん? 横にいるの? 中とか屋根の上とかじゃなくて?
「うん。横にいるよ」
ということは、大晦日にお参りに行った田沢湖の神社でも横にいたのかな。
注)※当方、秋田県在住
「田沢湖はね~、湖の真ん中にいるよ」
湖の真ん中にいるのか。かっこいいね~。
「田沢湖にはね、たまに白龍や黒龍も遊びに来るみたいだよ」
お、白龍とかもいるんだ。普通の龍はどんな色なの?
「緑だよ。あと、王龍は金色」
おお、なんかすごい。
龍はどんなものが好きなの? よく卵が好きって聞くけど。
「卵? う~ん・・・卵はわかんないけど、トマトとか好きだよ」
ええ!? トマトが好きなの?
「うん、『いつか赤い龍になりたーい』って、赤いものを食べるの」
そっかぁ。昔は人身御供とか言って、人を捧げてたりしたという話もあるけど。人って食べるの?
「食べないよ。龍も迷惑してるよ」
そっかぁ、安心だ。
「龍は優しいからそんなことしないよ!」
うんうん、平和が好きなんだね。でも、喧嘩したりとかはしないの?
「喧嘩はしないけど、龍界でも【きのこたけのこ戦争】はあるよ」
あるの!? どっちが優勢なの?
「もち、たけのこっしょ」
ですよねー(たけのこ派)
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黒龍の話
「黒龍はね、中二病なんだよ」
は? 中二病?
「うん、中二病。『封印されし我が力が~・・・』とかやってる」
そっかぁ、中二病だねぇ。
「カッコイイのが好きだから、遊戯王のカードとか好きだよ」
遊戯王やってるの?
「ううん。やるというよりは、たまにカッコイイ遊戯王のカードの中に入ってる」
中に入るんかーい!
「それでね、黒龍は家(我が家)に住み着いてるよ」
え!? 家にいるの? なんで?
「家族みんな中二病だから、居心地良いんだって」
( ^ω^)・・・・・・・ふっ、何時から私が中二病だと錯覚していた?
「中二病だ!」
( ^ω^)・・・
それで、黒龍は家のどこにいるの?
「今はオレの右手の中に居る」
( ^ω^)・・・(中二病だ)
「右手に居る時と、左手に居るときがあるよ」
黒龍が腕の中にいる時って、どんな感じなの?
「うんとね、なんかパワーが溜まってるって感じ」
なるほどなるほど。パワーね。
(そっと腕に力を籠める私・・・)
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黒龍の封印の話
黒龍って強いの?
「うんとね、王龍の次に強いかな。この間たまたま王龍が空を飛んでたとき、黒龍を呼んだら、挨拶しにいってた」
挨拶?
「うん、『ども、先輩。ちわっす。こんなところで会えるとは・・・』って」
腰低っ!
「王龍は強いからね。でも、王龍に一番近いのも黒龍だよ」
そうなの?
「うん。この間、千葉で岩が崩れたことあったでしょ? あれで黒龍の封印が解けたんだ」
え? 封印されてたの?
「力だけね」
おお、どんな力?
「周りの人を中二病にする力」
・・・迷惑極まりないな。
「うん、だから封印されてたの。千葉に居る龍達は皆嫌そうにしてるよ」
このままだとどうなるの?
「千葉の人たちが、みんな中二病になる。あと二年くらいで」
恐ろしい・・・
「龍達がもう一回黒龍の力を封印しようとしてる。良い感じの岩があれば良いけど、なかったら龍の誰かが石になって封印するみたい」
え? 石になるの?
「うん。千葉に急に大きな石ができたら、黒龍の力が封印された証だよ」
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千葉の龍の話
「千葉はね、今龍がいっぱい集まってるよ」
そうなの? やっぱり地震が関係してる?
「うん、みんなで頑張って大きい地震が起きないようにしてる。小さい地震が続いてるのは、ボロボロになってる地盤を固めてるからだよ」
おお、そうなんだ。すごいね。
「実はね、千葉は龍が作った土地なんだよ」
へ? そうなの?
「うん。大昔に2匹の龍が作ったの。粘土を捏ねるみたいに、カッコイイ形になるように、って頑張って作ったんだよ」
ふんふん、カッコイイ形ね。
「チーバくんの鼻先の部分が龍の角だよ」
チーバくんとな?
「千葉を支えてる龍はすごいんだよ。昔、今みたいに大きな地震が来そうなときに、自分の体を石にして地盤を固めたの」
自分の体で支えてるの?
「うん。大陸と大陸の間(大陸プレートの接触面と思われる)に自分の体を入れて石になったの。今なら王龍のトップになれるくらいなんだよ」
ほうほう、それだけ強いってこと?
「ううん。強いわけじゃなくて、英雄ってこと」
そういうことね。(なるほど、龍は力より名誉を重んじるのか・・・)
もう一匹の龍はどうなの?
「そっちはね、千葉の大地になった」
そっかぁ、大地になったのかぁ。すごいね!
「うん。こっちはね、もし龍に戻ったとしたら、四天王でいう最弱くらい」
四天王で最弱!? 龍に四天王っているの?
「いや、いないけど、それくらい偉いってこと」
あ、そういうことね。大地になった龍は元に戻れるの?
「戻れるけど、千葉の大地が減っちゃう。その龍は千葉の形が大好きだから、結局は元の大地に戻ると思うよ」
そっかぁ、千葉が大好きなんだね。
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龍の守護の話
※注)5年前、私たち家族は三重県から秋田県に引っ越してきました(夫婦ともに秋田出身)
「お母さんね、三重から引っ越してきてからつい最近まで、何だかやる気が起きなかったんだよね。前向きになれなくて、いつもネガティブなことばかり考えちゃうっていうか・・・」
そう妻が言うと、息子はこう返した。
「龍の守護がなくなったからだよ」
龍の守護?
「うん。三重県はみんな龍の守護がついてるの」
みんなについてるんだ。
「そうそう。三重県の王龍がね、小さい自分の分身をいっぱい作って三重県に住んでる人ひとりひとりにつかせてるの」
おお、すごいな。
「そうそう。それでね、龍が人を助けると、王龍からご褒美がもらえるの」
ご褒美もらえるの!?
「うん。お金みたいなもので、それで色々好きなものが買えるんだよ。だからみんな張り切って人助けしてるんだ」
そ、そうなのか・・・(龍界も世知辛いなぁ)
龍に助けてもらうのに、他に何か対価みたいなものはいらないの?
「うん。ご褒美があるからいらないよ。でも、感謝の気持ちとか伝えるとやる気がアップするかも」
ありがとうって気持ちは大事だもんね。
「そうそう。あとはね、しいて言うなら龍を祀った神社を壊さないで、守ってほしいかな」
なるほどなるほど。
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最初の黒龍
「千葉に力を封印されてた黒龍はね、最初は王龍だったんだよ」
なるほど、だから強い力を持ってたのか。
「うん。まわりを中二病にする力」
はた迷惑な力だよね・・・
「それでね、最初の黒龍が中二病になったのは、その時にたまたま見た人が中二病的なことを言ってたのを聞いて『なにそれ、カッコイイ!』ってなったからなんだよ」
えええ! 黒龍が生まれたのは人のせいなの?
もしかして、それって日本人?
「もちろん、日本人だよ」
罪深きは大和の血か・・・
「それでね、最初の黒龍の体は黒くなかったんだけど、中二病になったから、自分の体を黒く塗ったの」
なんですと!? 塗ったの!?
「うん、塗料で」
現実的・・・?
「今いる黒龍はちゃんと黒い鱗だけどね」
そっかそっか・・・最初の黒龍に合掌。