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転生準備編 ~雲の上の話~

「ボク、昔は猫だったんだよ」
「ただの猫じゃないよ。宇宙猫だったんだよ」
「神様から『このお母さんから生まれてくれない?』ってお願いされたんだ」
そんな不思議な息子と妻と、平凡な私のお話です。

雲の上の話

「最初はね、噴水のある広場で目が覚めたんだ」

誰かそばにいたの?

バブがいっぱいいたよ

バブ・・・?

「あかちゃんのこと」

おお、雲の上はあかちゃんでいっぱいなんだ。
『ボスベイビー』みたいなかんじ?

「そうそう、そんなかんじ。それでね、しばらく周りを見てたら神様が来て、雲の上を案内してくれたんだ」

ふんふん、どんなところを案内してくれたの?

「生まれるためのドームと、学校と、あと泊まるところ」

学校があったんだ?

「うん。体育館と、音楽室と、あと教室があってね。その時は音楽の授業をしてたから、一緒に受けたよ」

そっかぁ、どんなところだったの?

「体育館にはね映画館みたな大きさのモニターがあったよ。たまにそこでイベントしてた」

イベント?

「うん。地球の映画とかコンサートとかをそのモニターで映すの。天使さんたちがポップコーンを配ってくれるんだよ」

ポップコーンなんだ。

「そうそう。映画にはポップコーン必須でしょ」

まぁ、そういう意見もあることは認めよう。

「音楽室にも体育館ほどじゃないけど、大きなモニターがあったよ。普通の教室はね、黒板があって、その前に階段みたいに段になった机があるの」

ほうほう。大学の教室みたいだね。
教室ではどんな授業を受けたの?

「日本の歴史をやってたよ。あんまり受けてないから、覚えてないけど」

あんまり受けてなかったの?

「うん。学校に行ったのは数えるくらいかな」

学校行ってないのに、よく知ってるね。

「同じ部屋の友達とかに教えてもらった」

おお、友達もいたんだね。

「うん。学校紹介のあと、お泊りするところに案内してもらったんだ。そこのルームメイト」

ルームメイトとな?

「そうそう。泊まるところは4人部屋で、2段ベットが2つで、奥に勉強できる机もあった」

下宿みたいなかんじだなぁ。狭くなかった?

「広くはないけど、みんなバブだから狭くもなかったよ」

なるほど、確かに。

「夜になったらそこで寝るんだけど、バブの中には星を見るのが好きで、ずっと外にいたりする子もいたし、あとはそこらへんで寝る子もいた」

え? そこらへんって、地面に寝転がるの?

「うん。地面は雲だしね。全部がベットみたいなもんだよ」

それは気持ちよさそうだねぇ。

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雲の上の環境の話

雲の上ってどんな環境なの?

自然の木とかはあった?

「うんとね、木が生えてる雲もあった」

木が生えてる雲?
雲って何個かあったの?

「うん、いっぱいあったよ。学校がある雲に、生まれるためのドームがある雲、建物がいっぱい建ってる雲でしょ? あと、地球の環境を再現した雲とか」

おお、地球の環境を再現したものもあるんだ。

「そうそう。地球に生まれた時のために勉強するためにあるの。木がいっぱい生えてて、川が流れてて、野原があってってかんじ」

へぇ、動物とかもいるの?

「うん。虫とか動物とかはタブレットで選んで出せるよ」

ん? そこに暮らしてるんじゃなくて、タブレットで出すの?

「うん。シミュレーション用なんだ」

ほほう、VRみたいなかんじなんだ。

「うん、マジリアルVR」

すごい技術だなぁ。

「雲の上の技術はすごいよ! 地球のものを再現するコピー機もあるし、インターネットも見れるよ!

おおお? どういうこと?

「地球にあるものは全部コピー機で作れるんだ。出来立てのマックのポテトとかも作れる」

おお、すごい。ドラえもんみたい。

「うん。ドラえもんのひみつ道具みたいなかんじ! ゲーム機とかも作れるよ」

へぇ、雲の上にも電気はあるの?

「電気・・・はないかなぁ。全部自然エネルギーで動くから、コンセントとかもないよ」

自然エネルギーとな?
すごい気になるワード・・・お父さんワクワクしてきたぞ!

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