「コロナのせいで生まれてこなかった子供の数は何十万人単位」ではない
「コロナのせいで生まれてこなかった子供の数は何十万人単位」のはずがない。
日本人の出生数は新型コロナウイルス感染症の流行が始まる前の2019年から3年連続で国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(平成29年推計)の中位と低位の中間で推移している。2020年と2021年の減少はパンデミック前からのトレンドの通りだったことになる。
2022年は中位と低位の中間よりも2万人強少なくなる見込みだが、2020~2022年の合計が何十万単位になるという計算は到底成り立たない。少なくとも現時点においては、新型コロナウイルス感染症流行による出生減少は当初懸念されたほど多くはないと判断できる。
「日本政府はいったい何やってきたんだ」とも言っているが、日本は自由主義の国なので、政府は国民の結婚や出産をコントロールできない。少子化は家の存続よりも結婚しない自由・産まない自由を選ぶ人が増えた結果、いわば自由(≒伝統的社会規範からの解放)の代償である。
付録
出生の減少とは対照的に、死亡はハイペースでの増加が2021年初から続いている。
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