日本の生涯無子を急増させた革命
1975年生まれと言えば「氷河期世代」なので、バブル崩壊後の政府の経済失策が原因だと思いたい人が少なくないかもしれないが、そうではない。
「生涯子なし」日本が突出 1975年生まれの女性の28.3%https://t.co/UIvJliG8ul
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) June 20, 2024
OECDの報告書によると、1955年生まれの女性と比べて16.4ポイント上昇。増加幅も日本が最大となっています。 pic.twitter.com/MZMfrrGPBj
子どものいない女性の割合 OECD加盟国で日本が最多28.3%https://t.co/sG65qdBKPA
— 日テレNEWS NNN (@news24ntv) June 22, 2024
👇の右中段のchildlessness。
Fertility rates have dropped considerably in recent decades, passing from over 3.3 children per woman in 1960 to 1.5 in 2022.
— OECD ➡️ Better Policies for Better Lives (@OECD) June 20, 2024
Learn more in OECD’s 2024 Society at a Glance focusing on the latest trends in #fertility rates across OECD countries ➡️ https://t.co/Av7rIKFl40 pic.twitter.com/Y2RTQ7MMut
👇左端が日本。


生涯無子の割合は昭和10年生まれと30年生まれはほぼ同じだが、50年生まれでは急増していることがわかるが、これはコーホート完結出生率の推移(2.0→2.0→1.5弱)とも合致している。コーホート完結出生率の大幅低下は1975年生まれの後ではなく前の世代で生じているので、バブル崩壊後の政府の経済失策が原因ではないと言えるわけである(バブル期以降のコーホートに出生率低下の兆候が見えるところにも要注意)。

コーホート完結出生率の低下と生涯無子割合の増大は昭和30~40年代に生まれた世代で生じているが、この時期は日本の生活や社会に革命的変化が起こった高度経済成長期と重なっている。
敗戦から立ち直り、世界も驚く経済成長を遂げた日本。農村から都市への人口移動、大衆消費社会の出現、変貌する衣食住…。高度経済成長とは何だったのか。日本の生活や社会に革命的変化をもたらした時代に切り込む。
中華人民共和国の文化大革命では、旧思想、旧習慣、旧風俗、旧文化の四旧の打破が叫ばれたが、日本の高度経済成長期にも意図せずして婚姻・出産に関しての「四旧」を打破する種が蒔かれていたことになる。その「四旧から解放されて自由になった」世代が成長して、非婚や生涯無子の急増という社会革命を実現させたわけである。
付録
非婚・生涯無子は「家族の解体(→アトム)」の社会革命を自主的に行っているようなものとも言える。
そして最も注目すべき点は、上記の三つの革命において、社会の基本単位である家庭は観念から形態に至るまで極めて大きく改造させられたとはいえ、その基本的な構造は存在し、家族は解体されなかったということである。ところが、クメール・ルージュは家族の解体を社会の再構築の起点として、政権を奪取する以前から支配地で実行し、奪取後は全国に広げ、合作社と各種の強制労働組織を社会の最も基本的な単位とした。家族一人一人は性別や年齢に基づいて異なるオンカーに分けられ、未成年の子女と父母は切り離された。男性は32歳、女性は25歳まで結婚を許されなかった。その年齢を越えても結婚にはオンカーの許可が必要であった。
https://shukousha.com/information/lecture/9841/
「三つの革命」はロシア、中国、キューバ