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京都市東山区の合計出生率が低いのは大学生が多いから?
京都市東山区の合計出生率が全国最低なのは「産まない属性」の大学生の人口割合が大きいから、という説が多く唱えられている。
意外!少子化を助長する「悪の権化」東京に、じつは出生率で「全国ベスト2」という“別のデータ”が存在していた…!日本の少子化対策を惑わせる「合計特殊出生率の大問題」 : https://t.co/zs2nPqdWCD #現代ビジネス
— 現代ビジネス (@gendai_biz) June 13, 2024
たとえば女子大の多い自治体に全国から女子学生が集まってくれば、その自治体の合計特殊出生率は下がる。その顕著な例が京都市東山区で、今回の調査でも同区は0.76と全国の市区町村で最低だった。東山区には短大や大学が集積しており、人口の1割近くが学生であることが影響している。
【東京が子育てに適していない場所だというのは印象論であり、少なくとも最近時点についてはその感覚が実態に合わなくなっている】
— SYNODOS / シノドス (@synodos) April 27, 2024
東京は「ブラックホール」なのか?(その1):少子化にまつわるエトセトラ/中里透 - SYNODOS - https://t.co/tYyK0QqtbY
市町村単位で出生率をながめる場合には、大学などの施設の立地によってこの指標が影響を受けることがある点にも留意が必要となる。京都市東山区は合計特殊出生率が全国の市区町村の中で最低ということで知られるが、同区の人口構成をみると、18~23歳の年齢層の性比(男女比)に3対7と大幅な偏りがある。しかも、この年齢層の女性人口は同区の15~49歳女性人口の3割弱を占める。この偏りが同区の合計特殊出生率の数値に与える影響を十分に考慮しないと、出生率が全国最低ということばかりが強調されて、誤った認識が広まってしまうおそれがある。
京都市、人口のブラックホール型自治体に 学生来るけど、その後が… https://t.co/DmxfbLiC2z
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) April 24, 2024
24日に公表された「人口戦略会議」の報告書で、京都市は京都府内で唯一「ブラックホール型自治体」に分類された。出生率が低く、他からの流入に依存しているためだ。
厚生労働省が発表した #合計特殊出生率 で、#京都市東山区 が市区町村別で0・76と全国最低に。ワースト3位は #上京区、4位は #下京区。市の担当者は、#若い単身世帯 が多いことが影響しているとみています。https://t.co/5JIky1XsO7
— 朝日新聞教育班 (@asahi_school) April 28, 2024
京都市内中心部の出生率がワースト上位に並んだ理由について、市の担当者は「分析はこれから」としつつ、若い単身世帯が多いことを挙げる。京都市は大学や短大が集積し、人口の1割を学生が占める。合計特殊出生率は15~49歳の女性の年齢別出生率を合計したものであるため、単身の若い女性が多い都市部は低く出るとする。
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しかし、合計出生率は各年齢の女の出生率(=出生数÷人口)を合計したものなので、各年齢のウェイトは等しく、年齢構成の偏りには影響されない。従って、この説は正しくない。
これに対して、この👇ような修正説が唱えられている。
これは大事な指摘。合計特殊出生率は年齢階層ごとに出生数を求めるので、年齢構成からは影響を受けません。がしかし、そこでとまってはいけません。年齢階層ごとの女性の未婚・既婚の割合からは大きな影響を受けるんですよ。「そこで思考停止しちゃだめなんだよなー」って栗本慎一郎なら言うところw https://t.co/allCt1ruYW
— ときわ総合サービス研究所 (@tokiwa_soken) May 30, 2024
だが、東山区と全国の有配偶率の差が大きいのは、大学生が多い20~24歳ではなく、それより上の年齢階層である(←20代前半は全国的に有配偶率が低いので大差がつかない)。
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合計出生率の差も、20~24歳ではなく主として25~29歳と30~34歳で生じている。
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東山区の合計出生率が低いのは全年齢階層で未婚率が高いためで、20歳前後の大学生が多いこととは直接の関係はないと言える。ということで、修正説がズレていたことも判明した。
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