元官僚の財政制度理解

この人は総務省の官僚だったのだが、本気で「税は財源ではない」と思っているのだろうか。

予算編成では歳出は税収見込みと無関係に決められるわけではない。

「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)及び「経済財政運営と改革の基本方針2019」(令和元年6月21日閣議決定)等を踏まえ、令和元年10月の消費税率の引上げによる増収分を活用し、社会保障の充実を実施することとしている。

財務省「令和4年度予算と財政の現状」

「税は財源ではない」論拠としてよく挙げられるのがこれ👇だが、お金は貯められることを忘れている。

国庫金は年度末にゼロになっているわけではないので、4月の収入よりも支出が多くても、租税が財源になっていないことにはならない。

財務省「財政資金対民間収支」より作成
財務省「財政金融統計月報」第847号

日本では国(政府)の収入と支出は国庫(日本銀行にある政府預金口座)に一元化されているので、国庫に入金されるものが「財源」になる。租税収入はその主なものなので、財源であることは自明である。他方、中央銀行は原則として国に直接の信用供与(貸出や債務証券の引き受け)は行わないので財源としては機能しない。

アメリカの国庫はニューヨーク連銀にあるTGA(Treasury general account)。

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