石丸伸二の統計講義

アンケート調査について統計の理解をした上で質問しているのが山根議員で、質問の趣旨から外れた訳の分からない話をしているのが石丸市長(当時)なのだが、それを逆に認識する人が少なくないらしいということに、リテラシーが足りない人々👇の人気投票で政治を選ぶデモクラシーの限界を感じる。

①安芸高田市議会の元動画→②とんすけ→③取材不足の順序で見ることをお勧めだが、客観的・論理的思考力がある人なら③を見る必要はない(実は自分も見ていない)。

👇が斬られている"とんすけ"だが、石丸のデタラメさに即座に気付けないようではデータサイエンティストとして力不足である。

👇が元動画で該当箇所は会議録の発言No.229~。

山根議員 ちょっと納得できないところがあって、市長は、今年2月25日の予算決算委員会において、全戸調査は、精度は一応上がる。若干、国勢調査みたいなものなので、全員に聞けばその分、精度は上がりますと言われてますよね。市長としては、精度はどれぐらい上がると思われていたんですか。回収率について答えていただいて結構ですので、答弁を求めます。

石丸市長 山根議員は、恐らく統計学というものを御存じないんだろうなと思います。なので非常に説明が難しいんですが、ここでいう精度というのは、例えば16人の人に全員16通りの答えをもらうという意味ではありません。
統計上の精度というのは、これなじみがない言葉なんですが、「もっともらしい、確からしい」という表現を使うんですね、そういう学問です。その意味において、母集団と言うんですが、その聞きたい人、調べたい対象、この一部を抜き出すのがサンプリングです。標本調査と言います。ではなくて、このグループにいる人、ひとまず全員に声をかけようというのが全数調査です。ここまではよろしいでしょうか、全戸配布というのはそういう意味です。
そこからどれだけ答えが返ってくるかというのは、また別の話です。実際、国勢調査だって1億2,000万人全員からは答えてないですよね、御存じないですか。それこそ、あれは世帯主が答えるんだったかなと思います。その意味では1億人もいないですよ、答えている人は。5人家族なら代表してお父さんかお母さんが多分書いてますので、そういうものなんです。統計というのは。
なので、ここでさっき部長が申し上げた30%というのは、一般的な回収率です。今回もいいのか悪いのか、特に悪くもなく、よくもなく、それぐらいの回収率だったということです。
ただ、統計の手法として、サンプリングではなく全数調査をやった。ここにはしっかりと意味があります。もし分からないとおっしゃるんであれば、それは統計の教科書を開いてみてください。そこからです。

山根議員 全戸調査で30%で意味があると。サンプリング調査でも、大体4割、5割を求める調査が多いんですけれども30%、今回でも30%を切りましたよね、29.何%と。ダブりがあったから、それを除いたら30.何%だったものが下がりました。
市長は、皆さんの声を聞きたい。これは先ほども部長が説明してましたけど、気持ちの問題だといって、事業者のほう、コンサルはサンプリング調査を勧めたのに、それを蹴って全戸調査に入ったと。
国勢調査のことを言われてましたけど、国勢調査の場合は、調査員が入って、お願いしますと全戸、まだ出されてない方にはしっかりと回っています。今回の全戸調査はそういうことをやられましたか。お聞きします。

👇は有名な話だが、標本調査は標本数が多ければ多いほど良いというものではない。標本数が多くても偏りが大きければ精度は下がる。

市場調査の経験を経て世論調査の世界に参入したギャラップは、市場調査の分野で時間をかけてテストが繰り返されてきた、標本の偏りをより少なくする科学的な抽出方法を用いたのです。

この👇ような補正のテクニックも利用できる。

山根議員 それが任意の説明でしたか。
これは全戸調査ですよね。全戸調査だからこそ出てくる誤差だったのではないかと私は思っております。というのも、サンプリング調査であれば、こういった誤差に対しても対応ができるんではないかと思っておりますし、この全戸調査をやっている武蔵野市というところがあります。そこでは、こういう誤差が出た場合、ウエイトバック集計というものを使ってます。これで誤差を調整しています。
性(女性・男性)と年代人口構成比と、回答者の性、また女性・男性のことですけど、それと年代構成比のゆがみを補正するための性と年代によるこのウエイトバック集計を行って、全体値の結果を参考として掲載すると。そういうところまでしっかりとされている自治体もあります。
任意で片づける、そういったことでこの調査が片づけられること、それこそが正確性が伴ってこないのではないかと思いますが、部長いかが思われますか。

👇がアンケート調査の結果だが、大きな偏りが生じている。

山根議員が「偏りが小さく低コストの(コンサルが勧めた)標本調査ではなく、偏りが大きく高コストで回収率も約30%しか見込めない全戸調査を強行したのは何故なのか」という真っ当な質問をしているのに対して、石丸市長は「回収率30%と29%の差に統計的な意味はあるのか」と話を逸らせて「頭脳明晰な石丸市長が無知無学な山根議員にレクチャーする」かのように演出しているわけだが、こんな明明白白な詭弁を見抜けない人が多いのが現実なのだろう。

ところで、「京都大学経済学部→三菱UFJ銀行で外為アナリスト」にそれほど後光効果(ハロー効果)があるのだろうか。このような経歴でも実務能力が足りないポンコツはいるのだが。それに、知的能力が高いとしても、それを詭弁に悪用するという可能性もある。

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