アベノミクス第二の矢は積極財政にあらず
アベノミクス第二の矢を積極財政(反アベに言わせれば放漫財政)のことだと勘違いしていた人が少なくないようだが、公式には「機動的な財政政策~約10兆円規模の経済対策予算によって、政府が自ら率先して需要を創出」なので、スターターとして財政支出を増やすものの、その後も拡張的スタンスを続けるものではない。2013年6月14日閣議決定の「経済財政運営と改革の基本方針について 」にもこのように(⇩)明記されていた。
国・地方のプライマリーバランスについて、2015年度までに2010年度に比べ赤字の対GDP比の半減、2020年度までに黒字化、その後の債務残高の対 GDP比の安定的な引下げを目指す。
【掲載情報】「『第2の矢』は放たれていたのか?-財政データに見る『アベノミクス』」( #飯塚信夫 東京財団政策研究所「経済データ活用研究会」座長)
— 東京財団政策研究所 TokyoFoundation for Policy Research (@tokyofoundation) September 16, 2020
「アベノミクス」では、第2の矢(機動的な財政政策)は放たれていたのか?
財政データから「アベノミクス」を検証する。https://t.co/c5pgEDfysr
財政データを虚心坦懐にながめると、第2次安倍政権での財政は、派手な経済対策とは裏腹に節約傾向であったことが確認できる。
公共事業費も民主党政権の減らし過ぎの反動で2012年度→2013年度に+1.8兆円(純計)となったが、その後は抑制に逆戻りしている。
国債費(除く利払費)と社会保障関係費を除いた歳出の対GDP比はむしろ低下していた。
特例債(赤字国債)の発行額も減っていた。
第一の矢の「大胆な金融政策」のリフレ理論は金融政策万能・財政政策無用論なので、財政が「節約傾向であった」のは当然と言えば当然なのである。
金融政策は効果があるが、財政政策の効果は小さい
公共投資を減少させるとGDPは増大する関係がある