明石市長の40年間アップデートされていない思い込み
最近の記事の繰り返しになるが、大切なポイントなので、あらためてお伝えしておきたい。
日本の家族向け社会支出(子ども予算)は40年前はOECD平均の半分どころか1/3だったが、2000年代末から急増してほぼ平均並みとなっている。
公共事業費として、一般政府のgross fixed capital formation(GFCF)を比較する。
「ほかの国よりも、ほぼ倍近く公共事業にお金を使っている」が事実だったのは1990年代半ばまでで、2000年代半ばには平均的な水準にまで減っている。
日本は既に泉市長が言うところの「普通の予算配分」「世界のグローバルスタンダードの予算」になっているので、ここから「子ども予算を2倍にするのと公共事業費を見直す」必然性はないことになる。泉市長の論理では、児童福祉費を20兆円に増やし、国土保全及び開発費を10兆円に減らすことが少子化対策と経済対策になるが、そもそも、子ども予算の少なさが少子化と経済衰退の根本原因ではないので、そうは問屋が卸さない。
泉市長は根拠のない思い込みによって批判されていると思っているようだが、40年前からの思い込みで明石市の予算構造を“歪に”しているのは市長自身である。
泉市長の「子ども予算倍増&公共事業半減で日本復活」の財政・経済観は、小泉元首相の「郵政事業民営化&公共事業削減で日本復活」とよく似ている。